サラーの10番起用はクロップを助けるか/リバプール快勝のウェストハム戦レビュー

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クロップ率いるリバプールは対強豪戦に強いことで有名だが1718シーズン前半戦はスパーズ、マンテェスター・シティに破れ、マンチェスタ・ユナイテッドにもホームで引き分け。格下相手にはいつものごとく勝点を落とし、トップ4争いの集団に必死でしがみ付いている苦しい状況。フロントとサポーターから絶大なる信頼得ているクロップ監督の進退も危ぶまれる水準のシーズンスタートとなった。

一方のウェストハム、夏の補強でチチャリートやアルナウトビッチなどのファンの喜びそうな選手たちをスカッドに加えるも、無駄な勝点の落とし方も多く順位は降格圏間際。ビリッチ監督は解任オッズは誰よりも低いはずだ。

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1718プレミアリーグ第11節のリバプール対ウェストハムはインターナショナルウィーク前の一戦。気持ちの面でもどうしても勝利が欲しい両者がロンドンスタジアムで激突した。両監督共に、仕込みを凝らしてこの日を迎えたことが伺える選手の配置、試合の入りではあったが、実際の試合はそんなこと御構い無しの展開に。

まずは前半早々、ウェストハムのコーナーキックからマネとサラーの快速コンビによるロングカウンターでリバプールが先制すると、その後セットプレーのクリアミスからマティプが押し込んでリバプールに追加点。前半のうちに0-2とされたビリッチ監督は全ての計画を変更してアンディ・キャロルを投入。ひたすらロングボールを放り込む流れからランシーニの見事な駆け引きから一点を返す。この思い切りが功を奏し、一時は泥仕合に持ち込めそうな展開に持ち込んだが、脆弱になった守備組織の穴をフィルミーノ、マネ、チェンバレンに突かれて1-4。後のない両者の一戦はクロップに軍配が上がった。

画像出典:LFC公式Twitter

さて、前置きもこの辺にしよう。この試合で最も着眼すべきはリバプールのフォーメーションの変化についてだ。

フォーメーションの変化、モハメド・サラーの10番起用

この日のリバプールはパット見どうフォーメーションを表現したら良いか迷ってしまう様な配置で試合に入った。実況が倉敷さんではなければ、解説はフォーメシーションについての質問で汗をかいていたかもしれない。無論、倉敷さんはそんな小難しいことは御構い無しにアンディ・キャロルの古巣対決や、サディオ・マネの代表戦についてゆるりと味付けしてふわふわと実況を進めて行く。解説の一平さんは助けられたかもしれない。

リバプールの序盤の配置はマティプを中心にクラヴァンとゴメスが両脇に陣取る3センターのようにも映ったが「流動的な4-2-3-1」と表現するのが正しいだろう。ビルドアップ時にはモレノが高い位置をとって後ろ3枚+ジャンorジニでボールを回し、マネとチェンバレンがワイドに引っ張り、フィルミーノとサラーが中盤に降りてきてボールを触る。そんな組み立てを狙うシーンが目立った。

‪画像出典:@11tegen11 ‬

変化があったのはサラーの配置である。つい先日、フィオレンティーナに詳しいサッカー界隈の識者からサラーを中央で使うパターンについて伺ったのだが、正にこの試合で試されたのが彼の10番起用だ。ここまでのリーグ戦、フィルミーノが最前線で潰されてしまうことは少なくなく、またララーナ不在によりライン間を縫ってボールを受けて相手DFの位置を動かして味方のスペースを作るプレーができる選手がいなかった。この試合でその解決案の一つが提示された。チェンバレンをゴメスのサイドに配置することで右サイドのスピードも落とすことなくサラーを10番の位置で組み立てに組み込める。セントラルでのプレーを夢見るチェンバレン自身には申し訳ないが、しばらくはこの役割が増えるはずだ。

過去のリーグ戦でのサラーのボールタッチエリアと比較すると、この試合での役割の変化は一目瞭然。以下はウェストハム戦とスパーズ戦でのサラーのプレーエリアである。

実際にサラーが中央でボールに触れた数こそは限られていたが、緩急をつけて中央に降りてきて少ないタッチで叩きつつ、時に身体をあてて突破を狙う動きはこのポジションでも巧みであった。スピードがあるが故に相手DFは間合いを詰め切れずに中央にぽっかりとスペースが空く。ララーナが時折見せるフラフラとライン間で漂いながらボールを受けるとバックステップをリズミカルに踏みながら相手を引きつけて状況を変えてしまう様なプレーとはタイプが異なるが、縦パスを出せるヘンダーソンがいればサラーが中央でボールを受けるシーンも増え、引いた相手を崩す上でも強力な打ち手になり得るはずだ。

ウェストハム戦では、このフォーメーション変更が功を奏して勝利した、という訳ではなくマネとサラーの速さで強引に2点先制できたことが勝因だ。しかし、残りのシーズンを考えると順位が上がりきらない嫌な流れの中で明確なオプションを示せたことはララーナとマネの復帰と並んで好材料である。この試合も守備陣の不安定さが露呈し続けていたことにはあえて触れないでおくが、厚みのある攻撃陣を複数のパターンにはめ込んで、ハードロックなフットボールで勝点を重ねてくれることに期待したい。

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4 件のコメント

  •  こんにちは! 強気の4-3-3も良いですが・・・「攻撃陣を複数のパターンに

    はめ込む」・・・マイナーチェンジ的な戦い方を、これからクロップ監督が披露して

    くれると嬉しいですね♪ っにしても!? もっと早く行動して欲しかった・・・。

  • 現状ではサラーが我々が持つリーサルウェポンであり、それをどう活かすかで今季が変わると思います。最近の試合でゴメスをSBとも3CB(右)とも取れる位置に置いて、ミルナーがポジションを必死に補正している感じのシステム。あれをラボ陣で取り扱ってほしいのですが…

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