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You’ll Never Walk Aloneの大合唱
リバプールFCの試合では試合前後でサポーター(Kopiest)による「You’ll Never Walk Alone」がスタジアムに響き渡る。筆者も実際にアンフィールドでその空気を体感してきたが、思わず涙腺が緩んだ感覚は忘れられない。「You’ll Never Walk Alone」はドルトムント、マインツ、セルティック、FC東京などでもスタジアムで歌われており、ユルゲン・クロップ監督が指揮してきたチームの共通点としても知られている。(マインツ、ドルトムント、リバプール)
UEFAヨーロッパリーグ1516準決勝のドルトムント戦では両チームのサポーターが「You’ll Never Walk Alone」を一緒に歌い、テレビで観ていてもその鳥肌が立つ程に感動的な雰囲気の中での一戦となった。試合内容もまた、リバプールが後半終盤に3得点を奪い大逆転で決勝進出を決める劇的な展開となったことから、一部のサポーターからは「アンフィールドの奇跡」と呼ばれている。
リバプールFCの試合のスタイル
近年のリバプールFCの試合は「劇的」な展開がチームのトレードマークとなっている。以下の試合がその代表格。
CL杯0405決勝ACミラン戦
当時、最強と称されたシェフチェンコ、カカ、カフー、マルディーニらが率いるACミランに対して前半に3点を先制される。ハーフタイムには選手、監督、サポーターの誰もが絶望を感じながらも、後半開始早々のジェラードのヘディングシュートで一点を返すと一気に3点差を追いつきPK戦へ。GKデデュクが奇妙な動きを披露しながらシェフチェンコらのシュートをストップし、ビッグイヤーを獲得した。「イスタンブールの奇跡」と呼ばれる。
FA杯0506決勝ウェストハム戦
キャラガーのオウンゴールなどもあり前半早々に2点リードを許すもシセ、ジェラードのゴールで同点に追いつく。しかし、再度ウェストハムに勝ち越されて90分が経過。優勝は絶望的かと思われた試合終了間際、ジェラードがミドルサードからサブマリンミドルでゴールネットを揺らす。その後、PK戦を制しリバプールが優勝した。
プレミアリーグ1314マンチェスター・シティ戦
リバプールが幸先よく2点を先制するも、2点差を追いつかれる。流れは完全にシティの中で、終盤にコウチーニョが勝ち越しゴールを挙げ勝利。当時、スアレスとジェラードを戦術の核とするチームは怒涛の連勝を続けており、プレミアリーグ優勝に後一歩まで迫った。シティ戦後にはジェラードが涙しながらピッチ内で円陣を行ったことが多くのサポーターの記憶に焼きついている。
UEFAヨーロッパリーグ1516準決勝ドルトムント戦
開始早々にオーバメヤンらのゴールで2失点を喫し、勝ち抜けには3得点が必要な状態に。後半立ち上げりに1点返すも、ロイスのゴールで更に突き放される。そこからロスタイムの逆転弾を含めた怒涛の3得点を決めて決勝進出を果たした。上述の通り、両チームの「You’ll Never Walk Alone」が響き渡るスタジアムの幻想的な空気も含めて、一部のサポーターからは「アンフィールドの奇跡」と呼ばれている。
近年のリバプールFCは守備の不安定さを抱えつつも、縦に速く、ダイナミックなサッカーを展開するチームに仕上がることが多く、そのチームカラーがサポーターが惹きつけられる魅力の1つとなっている。
リバプールFCのダービーマッチ
地理的な要因や、歴史的背景などの条件から芽生えた特定のチームへの対抗心がぶつかり合うスポーツの試合のことをダービーマッチと呼ぶ。リバプールFCの代表的なダービーマッチは以下の2試合。
マージーサイドダービー
アンフィールドからの直線距離が500m程のグディソン・パークを本拠地に置くエバンートンFC(愛称は「トフィーズ」)」との試合のことをマージーサイド・ダービーと呼ぶ。マージーサイドは両チームが本拠地を置くイングランド北西部の州の地名。リバプール市内での家族、友人がそれぞれのサポーターとして散らばっていることからも「フレンドリー・ダービー」という名でも知られ、仲が良いダービーとして親しまれている。他方、実際の試合ではプレミアリーグの中でレッドカードが最も出やすい試合の一つとなっており白熱した90分が繰り広げられる。
ナショナルダービー
リバプールFCとマンチェスター・ユナイテッドの試合のことをイングランドを代表する試合という意味合いで「ナショナルダービー」と呼ぶ。しかし、ベン・メイブリー氏によるとイングランドでは上記の呼び方をされることはなく、和製英語、もしくは、イングランド以外の国のライターによる造語であるとのこと。しかし、お互いのサポーターはプレミアリーグを代表するクラブチームであることを自負しており、確かに強いライバル意識を持っている。その衝突は選手たちも特別な一戦と捉えており、高レベルな熱戦が繰り広げられる。
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