ジョヴァンニ・レオーニのプレースタイル/プロフィール解説|リバプール選手名鑑

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基本プロフィール

画像出典:レオーニ公式Instagram

  • 選手名:ジョヴァンニ・レオーニ
  • 生年月日:2006年12月21日
  • 国籍:イタリア
  • 身長:196cm
  • ポジション:CB
  • 背番号:15
  • チームキャリア:パドヴァ(ITA/23-24), サンプドリア(ITA/loan:23-24), パルマ(ITA/24-25), リバプール(ENG/25-26~)
  • 市場価格:€18.00Mill.
  • 契約終了年:2031年6月30日

プレースタイル

ストロングポイント

画像出典:レオーニ公式Instagram

齢18歳にしてセリエAの舞台で躍動し、リバプールがそのポテンシャルに惚れ込んだCBの逸材だ。

最大の武器はやはり196cmというサイズと圧倒的なパワー。10代の選手は得てしてサイズがあっても身体の線が細く、シニアの選手と対等に渡り合うだけのパワーを備えていないことが多いがレオーニは例外的でこの年代の選手にしては目を瞠るボディをすでに持ち、コンタクトプレーにおいて空陸共に無類の強さを見せる。

また、これだけのサイズの持ち主だと身体操作がやや不安定になる嫌いがあるが、レオーニには十分なコーディネーション能力が備わっているように見える。単純にパワーがあるだけではなくバランス能力にも優れ、身のこなしはエレガントな雰囲気が漂う。おそらく、身体を上手く使う能力があってこその対人能力の強さだろう。

 

プレミアリーグでプレーしていた選手がイタリアのクラブに移籍し、イングランドで培った抜群のフィジカルにものを言わせて無双する、というストーリーは近年よく目にするようになってきた一方で、セリエでフィジカル的(パワーやスピード)に優れているとされる選手がプレミアリーグでは平均レベルに留まる、というパターンもめずらしくない。しかし、レオーニの高さや強さはプレミアの舞台でも十分に通用するだろう。それだけのフィジカルを18歳にしてすでに備えていると評していい。

過去にレオーニは自身のロールモデルの一人としてファン・ダイクを挙げているが、ファン・ダイクの傑出している点は、対応が後手に回っても簡単にお茶を濁せてしまうだけの圧倒的なボディフレームと爆発的なスピードやパワーを兼ね備えていながら、そればかりに頼ることなくプレーの展開を読み、常に先手を打つことを心掛けながらプレーしている点にある。そしてレオーニもまた、ロールモデルを参考にしてか恵まれたフィジカル能力だけに頼ることなくプレーしている印象を受ける。

ビルドアップ面に関しては、現時点で卓越していると評せるほどではないが長短共に過不足ない程度のキックはすでに持ち合わせており、伸びしろも残している。とはいえプレミアリーグはゲームスピードが速くインテンシティも高いので、前線からのプレスの餌食になるシーンもあるかもしれない。ここはチームのスタイルや環境にも左右され、本人の努力次第で向上が見込めるポイントなので見守っていきたいところだ。

また、年齢を考えるとパーソナリティ面も傑出しているように見える。パドヴァでデビューした後すぐサンプドリアへ移籍すると、そこでの半年間で名を揚げて今度はパルマへとステップアップ。そのパルマ初年度でまたしても素晴らしい活躍を披露し、1年でリバプール行きを勝ち取っている。これらは全てイタリア国内での話ではあるものの、環境の変化に適応しながら行く先々で結果を残し続けている点は評価に値する。これは彼が優れたメンタリティやパーソナリティの持ち主であることの現れだろう。国外初挑戦かつイタリア人が活躍しづらいとされているイングランドでも同様の適応力を期待したい。

レオーニは圧倒的なサイズとパワー、水準程度のスピードやビルドアップ能力、そして優れたパーソナリティなど、現代のCBに必要な資質を高いレベルで持ち合わせているといえる。ここから戦術眼や判断力などを磨いていき、将来的に世界最高峰のCBと評される選手になってほしいものだ。

ウィークポイント

画像出典:BBC

レオーニは純粋なパワーという点ですでにファン・ダイクやイブラヒマ・コナテなどと肩を並べうるだけのものを持っているものの、絶対的なスピードという点では彼らに見劣りする。自身より遥かに小柄でアジリティやクイックネスに優れたアタッカーと対峙した場合に振り回される、という部分に関してはこの手の守備者にとっては宿命なので致し方ないが、広大なスペースをカバーするトップスピードという点ではファン・ダイク級を期待するのは難しいかもしれない。

メガクラブは多くの試合で相手を押し込み敵陣でプレーする。リバプールも例外ではなく、最終ラインの背後にはほぼ常に広大なスペースがあり、被カウンターの危険性を孕んでいる。そのため、現代のメガクラブでプレーするCBにはスピードがかなり重要視されており、足の遅いCBはリトリートが基本戦術となるクラブ以外では活躍するのが難しくなっているのが現状だ。レオーニはその体格を考えれば十分なスピードの持ち主ではあるものの、ファン・ダイクやコナテのような爆発的と形容できるほどのトップスピードは備えていない。

このことから、スピードに自信を持つアタッカーに裏を取られた際の対応にはやや不安を残す。リバプールではこれまでプレーしてきたクラブ以上にそのようなシチュエーションに陥る可能性が高いので、彼を起用する際はチーム全体として最終ラインの管理に(特に最初のうちは)気を配った方がいいかもしれない。

ただ、逆にいえばラインを低く設定して戦う際は現時点でもかなり頼りがいがありそうだ。アルネ・スロットは試合終盤に守備を堅くするカードを切りたがる傾向があるので、リードやクリーンシートを保つために重心を低くして戦う展開になった際には重宝されることだろう。

その他、レオーニはアグレッシブに身体をぶつけに行くスタイルの守備をするので、前に出たはいいものの一発でかわされるシーンが見られるかもしれない。その部分のリスクテイクをどの程度していくかは経験を積みながら学んでいく必要があるだろう。とはいえ、物怖じすることなく前に出て潰していく守備は彼のアイデンティティでもあるので、どんどんコンタクトプレーを仕掛け、得意の対人守備で観客を沸かせてほしいものだ。

それ以外の目立った弱点というと、現時点で挙げるのは少し難しい。というのも、前述の通りレオーニは現代のCBに求められる能力がどれもある程度高く、欠点らしい欠点がない(より正確に言えば、まだわからない)からだ。天賦の才に左右されるスピードなどはいざ知らず、ビルドアップでの貢献度や戦術眼などは日々の成長によって改善が期待できるものであるし、年齢を考えれば弱点や欠点というよりかはどれも伸びしろと表現して差し支えない。

もちろん、リバプールのようなメガクラブでプレーすることで今までは見えてこなかった弱点が浮き彫りになる可能性もあるだろう。しかし、そのリスクと彼のポテンシャルを天秤にかけて、クラブは彼に賭ける価値があると判断した。リバプールが目立った実績のない18歳のCBにそれなりの大金を支払って獲得するという極めてレアな行動は、レオーニに対する期待の現れに他ならない。

おそらくリバプールにおいてレオーニはCBの4番手以降という立ち位置からのスタートになると思われるが、数年後には最終ラインのリーダーとして振る舞っている姿が期待される。クラブは彼に対してそれだけの可能性がある選手だと判断していると思われるので、我々ファンも大いに期待し、成長を見守っていきたいところだ。

 

エピソード

画像出典:レオーニ公式Instagram

◆「Leoni」という姓はライオン(Lions)を意味する。その名の通り“獅子搏兎”な選手になってほしいものだ。

◆「Giovanni」という名前の起源は新約聖書に登場するヨハネ(Johannes)。この名前はヨーロッパでは極めてポピュラーな名前で、英語ではジョン(John)、ドイツ語ではヨハネスの短縮形でハンス(Hans)やヨハン(Johann)、スペイン語ではフアン(Juan)、ポルトガル語ではジョアン(Joãn)、フランス語ではジャン(Jean)、ロシア語ではイヴァン(Ivan)などに相当する。

◆スポーツ一家で生まれ育っており、サッカー以外に水球もやっていたことがある。兄のエドアルドはラツィオに所属する水球のプロ選手。両親も元水球選手で、母は理学療法士として働いているそう。水球は“水中の格闘技”と呼ばれるほどコンタクトが激しいスポーツで、水中で身体を動かすために必然的にバランス感覚も養われる。レオーニのプレースタイルのバックグラウンドには、水球で培った経験が大きそうだ。

◆ディスレクシア(全体的な発達に遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難がある学習障害の一つ)を抱えており、勉強にはいつも苦労していたという。そんなレオーニは午前中にサッカーの練習をし、午後は勉学に励み学生とアスリートを両立させていた。また、スポーツをより学ぶために(遠隔でも通える)大学に入ることを考えているとのこと。

◆フランコ・バレージやパオロ・マルディーニを指導したことでも知られる、イタリアの名将アリゴ・サッキはレオーニのことを非常に高く評価しているようで、曰く「レオーニは今後長きに渡ってイタリア代表を支える選手になると確信している。優秀な選手は一目でわかる。セリエAで200試合プレーしていても、レオーニが初年度で見せたようなクオリティを備えていない選手もいる。才能に年齢は関係ない」。

 

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