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リバプールファンが現地の情報を収集する際、必ずどこかで目にすることになるであろう「Liverpool Echo(リバプールエコー)」。我々日本人KOPからすると現地WEBメディアという感じですが、いわゆるリバプールの地方新聞です。
「リバプールエコーによると・・・」「エコーにも出たからもう決まりだろう」なんてよく名前を聞くけど、どんな新聞なの?という方のために、この地方紙がどういったものなのか簡単にご紹介していきます。後半では僕が持っている現物の新聞紙も登場します。
英国の新聞事情について
まずそもそもイギリスの新聞について軽く確認しておきましょう。
全国紙から地方紙まで、幅広い新聞が存在しています。いずれも名前を聞いたことがあると思いますが、全国紙を階級ごとにざっと分類しておきます。
高級紙
タイムズ(The Times)
デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)
インデペンデント(The Independent)
ガーディアン(The Guardian)
中級紙
デイリー・メール(The Daily Mail)
デイリー・エクスプレス(The Daily Express)
大衆紙
デイリー・ミラー(The Daily Mirror)
デイリー・スター(The Daily Star)
ザ・サン(The S*n)
各紙それぞれ特色を持っています。(政治的に右寄り・左寄りなどもありますがその辺は割愛)
フットボール関連については、高級紙になるほど情報の信頼性は高く、いわゆる「飛ばし記事」は書きません。その一方で、大衆紙になるほど信憑性が怪しいエンターテイメントな記事が増えていきます。
日本と同様、イギリスでも紙の新聞の発行部数は年々減少しています。その流れで、インディペンデントは2016年3月から紙の発行をやめてデジタル版へ完全移行しました。その他各紙についても、それぞれがWEBサイトやTwitterアカウントを持ち、各紙の記者も含めて情報発信しています。今後、今以上に紙の発行部数が伸びることはまず無いと思われますので、生き残りをかけてデジタルに活路を見出し、「とにかくアクセス数がほしい!」というのが各新聞社の思うところでしょうね。
そんなイギリスのメディアについて、プレミアリーグ解説でおなじみの粕谷秀樹氏の本「プレミアリーグ観戦レシピ」の一節を引用します。
さて、情報の収集先として英国の新聞、雑誌、テレビ局、代理人などが挙げられますが、こちらも千差万別ですね。信ぴょう性に欠けすぎて笑っちゃうタブロイドから、情報は遅いものの精度は十分な媒体まで、取捨選択が重要になってきます。
「信ぴょう性に欠けるのなら、タブロイドなんか読まなければいいのに・・・」
真面目なあなたはそう思うでしょう。たしかにタブロイド紙はやらかします。代理人に近い関係者の情報として──とか、親しい友人に打ち明けた──とか前置きしますが、まぁ、誰なのかさっぱりわかりません。代理人に近い関係者ってことは、代理人ではないですよね。情報の内容も、通り一遍で薄すぎる。細部にわたって取材した形跡がない。なるほど、担当者の希望にもとづく推測であるケースも少なくありません。
しかし、スクープを飛ばすのもタブロイドなんですよ。手段を選ばずに、盗聴も辞さずにビッグヒットを狙っていますから、時おり真相を暴きます。「プレミアリーグ観戦レシピ」P40より
まあ昨今の移籍関連の情報展開は凄まじいものがありますが、こういったメディアが作り出す世界もまたフットボールの一部ですね。
Liverpool Echo(リバプールエコー)とは
さて、ここからが本題です。
リバプールエコーは、「リバプール市の地方紙」です。いわゆるスポーツ新聞ではないので、当然社会的なネタや芸能ニュース的なネタなども扱いますし、リバプールFCだけでなくエバートンFCについても地元クラブとして扱います。
ロゴマークはライバーバードが新聞紙をくわえたものです。我々KOPにとってライバーバードといえばLFCですが、元々はリバプール市のシンボルでもあり「ライバーバードが飛び立つと街が滅びる」という言い伝えもあるくらいです。
街にも↓こんな感じでライバーバードが色んなところにいます。なんともウキウキする街ですね。
リバプールエコーの創刊は1879年。ABC – Audit Bureau of Circulations Ltdという調査機関のデータによると、2016年7月~12月の紙とデジタル版をあわせた平均発行部数は44,427ということです。数だけ見ると結構少ない印象ですが、リバプール市の人口が約47万人ということを考えると多いのか・・・。
そんな約4万5千部発行の地方新聞であるリバプールエコーも他の全国新聞各社と同様にデジタルに力を入れています。エコーのWEBサイトは、月間ユニークユーザーが150万人、850万ページビュー数ということです。(エコーのサイトより)
まあ人口47万人の都市(日本でいうと大分市とか倉敷市くらい)に、全世界規模で人気のフットボールクラブがあるわけで、物理的な距離関係なくアクセスできるWEBに力を入れていくのは当然ですよね。
なお、スマホアプリも出していて、こんな感じでニュースが通知されるのでLFC関連ニュースの速報を受け取るのにはとても便利です。
LFCにとっても一番身近なメディアですので、情報の信憑性はとても高いと言えるでしょう。移籍関連についても「エコーが報じたら決まり」という雰囲気もありますよね。
そして、このリバプールエコーの中でも、KOPにお馴染みLFCの番記者を務めるのがJames Pearce(ジェイムズ・ピアース)です。ツイッターでも精力的に情報発信してます。皆さんフォローしましょう。
これがLiverpool Echo(リバプールエコー)の新聞紙だ
さて、我々日本人KOPにとってWEBメディアとして親しんでいるリバプールエコーですが、なかなか現地に行かないと新聞紙の現物を手に入れることができません。
現地では食料雑貨店やドラッグストアで売ってたり、街中でもこんな感じで売ってたりします。(観光客向け?)
ということで、以下は僕の手元にあるエコー紙をご紹介します。
2010年3月1日版
僕の初アンフィールド観戦となったプレミアリーグ09-10シーズンのブラックバーン戦。ジェラードと怪我明けのトーレスがゴールを決めて勝った翌日のものです。
隣のページにはエバートンが載ってるのですが、よく見るとこの時はジェームズ・ピアースはエバートン担当だったんですかね。
2015年4月13日/14日版
2度目のアンフィールド観戦。14-15シーズンのPLニューカッスル戦の試合当日と翌日の新聞です。
試合は2-0で快勝だったものの、当時去就問題に揺れ、さらに水タバコが問題になっていたスターリングが点を決めてさらに話題になっていました(遠い目)。
2017年5月22日版
これは記憶に新しいPL16-17シーズン最終節の翌日のもので、観戦に行った方からの頂き物です(嬉しい!)。
ちなみに厚さはこんな感じですが、LFC関連は試合翌日でもこのうちのわずか数ページです。
書かれている記事を見ると、ほとんど試合の数時間後にはオンラインで記事になってるものだなーという感じで、少なくともLFC関連は紙の新聞発行に独自のパワーをかけてないのが伺えます。(まあ当然)
紙の発行を停止し、デジタルに移行していく新聞が増えていく中、リバプールエコーが今後どうなっていくか分かりませんが、これからもLFCに関する貴重な情報の一次ソースとして今後も大きな役割を果たしていくのでしょう。自分が観に行った試合の翌日のエコーって記念品としてはとても価値がありますし、個人的には紙の新聞はこれからもずっと残ってほしいと思っています。
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