リバプールFCの歴史上、選手が1人だけ在籍していた主な国は?

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かぴばろ
2018頃からの新参者です。池袋エリアのサウナに割と出没しがちです。体重だけならマティプとファンダイクに肩を並べられるおデブです。

まえがき

今冬よりリバプールFCに仲間入りしたルイス・ディアス。

今シーズン後半のリバプールを語る上では欠かせないほどの存在感を示し、カップ戦タイトル獲得やプレミアリーグとチャンピオンズリーグそれぞれで最後までタイトル争いに絡むことができるだけのチーム作りの原動力となった。

そんな彼、実はリバプールの歴史上初のコロンビア人選手でもある。

画像出典:リバプール公式Twitter

当然のことではあるかもしれないが、130年の歴史を持つリバプールに於いても「自国の選手が1人しか在籍したことのない国」というパターンはコロンビアに限った話では無い。

ドイツのサッカー情報サイト「Transfermarkt」によると2022年5月時点で前述の条件に該当する国は以下の17ヵ国となる。

☆ヨーロッパ

  • アイスランド
  • アルバニア
  • ウクライナ
  • エストニア
  • スウェーデン
  • スロバキア
  • ブルガリア

☆アフリカ

  • エジプト
  • ガーナ
  • コートジボワール
  • シエラレオネ
  • ジンバブエ

☆北中米カリブ海

  • カナダ
  • ジャマイカ
  • トリニダード・トバゴ

☆アジア

  • 日本

☆南米

  • コロンビア

(参照:Transfermarkt)

 

余談ではあるが、サッカー界で幅を利かせているブラジル人もリバプールに在籍していた人数を見ると意外(?)にも8人のみにとどまる(もっとも、現在在籍しているロベルト・フィルミーノがブラジル人初のプレミアリーグ50得点達成者になったという事柄があったため、歴代で8人程度しか在籍したことがないという事実を特段不思議に思わない方は一定数いるかもしれないが…)。

これは、ヨーロッパ各国のプロサッカー選手の国際化が顕著になったのが1995年以降と、サッカーの長い歴史から見ると比較的最近であるから故のことだと思われる(何故国際化が顕著になったのかという点を知りたい方は“ボスマン判決”で調べてみることを推奨する)。

話が逸れてしまったが、当記事では前述の17ヵ国のうち、更に条件を絞って『トップチームの公式戦に10試合以上出場した選手がいる国』について触れていく。ただし17ヵ国の中にはトップチーム公式戦での出場記録が無い選手もいるため、筆者の個人的な裁量で基準を設けて絞ったことをご了承頂ければ幸いだ。

2022年5月30日時点で試合出場数が少ない選手(国)から紹介していく。

ケヴィン・スチュワート/ジャマイカ

画像出典:リバプール公式Twitter

  • 出場試合数:20試合
  • 生年月日:1993年9月7日
  • ポジション:MF
  • 在籍期間:2014~17年

国の特徴

中米のカリブ海沿岸に位置する島国。

リゾート地としての人気が高く、コーヒー豆の定番ブランドとして知られる「ブルーマウンテン」はこの国にある山を指している。「レゲエ」という音楽のジャンルが生まれた地域でもあり、この国出身のボブ・マーリーは「レゲエの神様」とも呼ばれる。

また、「人類最速の男」と呼ばれるウサイン・ボルトを筆頭に、ジャマイカは陸上競技(特に短距離走)に圧倒的な強さを誇る。ジャマイカ代表のレオン・ベイリーはもちろんのこと、ジャマイカ系イングランド人フットボーラーではアレックス・オックスレイド=チェンバレンやラヒーム・スターリング、カイル・ウォーカーと快速揃い。

ちなみに日本の短距離走者であるケンブリッジ飛鳥も、ジャマイカ人の父と日本人の母との間に生まれたハーフである。

選手メモ

トッテナム・ホットスパーFC下部組織出身の守備的MF。2014年にフリーでリバプールに加わり、2016年にトップチームで公式戦デビュー。

ターンオーバー要員として僅かながらではあるが試合に出場し、最終的にはハル・シティAFCへアンディ・ロバートソンとトレードする形で移籍が決定。ちなみにハル・シティを2019-20シーズン限りで退団し、半年間どこにも所属しなかった後にブラックプールFCへと加入。そして今に至る。

ただ、ジャマイカ国籍を謳ってはいるが厳密にはジャマイカ系イングランド人である。代表戦に出るという目的のもと、自身のもう一つのルーツであるジャマイカに第一国籍を変更し、2022年1月に晴れて代表デビューを飾った。そのため、リバプール在籍時はイングランド人としての登録だった。

ルイス・ディアス/コロンビア

画像出典:リバプール公式Twitter

  • 出場試合数:26試合
  • 生年月日:1997年1月13日
  • ポジション:FW
  • 在籍期間:2022年~

国の特徴

南米大陸の北西部に位置する共和制国家。

3本のアンデス山脈が国土を通っており、豊かな自然に恵まれていることから「生態系のゆりかご」と言われている。19世紀から二大政党制を発端とする内戦が度々繰り返されてきたが、2016年を以って大統領より終結が宣言された。

安定した気候で行われる農業は国の根強い産業であり、世界3位の生産量のコーヒーは定番。花の出荷量も世界2位の数字を誇っており、日本でも母の日に送られるカーネーションの7-8割がコロンビア産と言われている。

朝食では伝統的にアレパというトウモロコシ粉から作るパンが好まれており、チーズや肉、卵を乗せて食べる。家族で集まって飲んだり踊ったりするフィエスタ(スペイン語でパーティの意味)が盛んで、お祝い事や休日で頻繁に行われている。

選手メモ

2022年1月、冬の移籍市場にてポルトガルのFCポルトより加入したアタッカー。

優れた俊敏性を生かした切れ味鋭いカットインからのフィニッシュを得意としており、加入早々からその切れ味を余すことなく発揮している。また、リバプールが目を付けたというだけあってか守備意識も文句無しのレベルにあり、その俊敏性はトランジション時の動きにも現れている。

第29節のブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC戦ではジョエル・マティプのパスに反応して裏抜けし、ヘディングで得点を決めた際に相手GKのロベルト・サンチェスと衝突。多くのサポーターが彼の身を案じて固唾を呑んだが、特に大きな怪我もない様子でピッチに復帰。そのままフルタイムを走り抜けるという頑丈ぶりも見せつけてくれた。

現在のリバプールは豊富な選手層を誇るFW陣を有している反面、その多くがそう遠くない未来での退団を危ぶまれている状況でもある。ディヴォック・オリギの退団は決定しており、サディオ・マネと南野拓実にも今夏での移籍の噂が浮上中。モハメド・サラーも契約延長交渉が難航しており、近い将来には移籍するとの見方もある。

そういった状況に陥っているだけに、ディオゴ・ジョタと彼には今後のリバプールを背負うだけの期待が大きく懸けられていることは間違いないと言える。まずは来シーズン、フルシーズンをプレミアリーグで戦う初の機会となるがシーズン2桁得点を達成して欲しいところ。

アンドレイ・ヴォロニン/ウクライナ

画像出典:リバプール公式Twitter

  • 出場試合数:40試合
  • 生年月日:1979年7月21日
  • ポジション:FW
  • 在籍期間:2007~10年

国の特徴

東ヨーロッパに位置しており、ロシアやポーランドと言った国々に囲まれている。

肉と野菜、ビーツとサワークリーム等を使用し、深紅色の酸味が効いた世界三大スープの一つ「ボルシチ」の発祥地でもある。また、美人が多い国としても知られている。美人が多い理由は謎だが、かつて魔女狩りがなかったためというややオカルティックな説もある。

クリミア半島等東部の土地を巡る争いからロシアとの対立が深刻化し、現地時間2022年2月24日にロシア側の宣戦布告を皮切りとして戦争が勃発した。今なお交戦状態にあり、依然として緊張状態が続いている。国出身の主な有名人には、映画「バイオハザード」シリーズ等に出演している女優のミラ・ジョヴォビッチがいる。また、昭和の大横綱として知られる大鵬は父がウクライナ人である。

選手メモ

キャリアの大半をドイツで過ごし、リバプール加入前もドイツのバイエル・レバークーゼンでプレー。セカンドストライカーやトップ下を主戦場とし、当時監督を務めていたラファエル・ベニテスからはプレーの賢さと攻撃の選択肢の多さを評価されていた。

ウクライナでも代表メンバーとして活躍し、今なお同国のレジェンドとして語り継がれる“ウクライナの矢”ことアンドリー・シェフチェンコの相棒としてチームの躍進に貢献。

しかしながらリバプールでは練習で負った足首の怪我に悩まされるということもあり、レギュラー定着が叶わぬまま2010年にロシアのFCディナモ・モスクワへ移籍した。

2015年、首に慢性的な不調を抱えていたことを訴えて現役を引退。

近年ではそのディナモ・モスクワにてコーチを務めていたが、先の大戦勃発の煽りを受けて退任を発表。多くのリバプール・サポーターにウクライナ侵攻の影響を知らせる出来事として小さくない衝撃を与えた。

ラグナル・クラヴァン/エストニア

画像出典:リバプール公式Twitter

  • 出場試合数:53試合
  • 生年月日:1985年10月30日
  • ポジション:DF
  • 在籍期間:2016~18年

国の特徴

バルト海とフィンランド湾に接する北欧の国。

ラトヴィアやリトアニアと並べて「バルト三国」と称されており、中世ヨーロッパの可愛らしい面影を残す街並みと古城、森林や湖と言ったおとぎ話のような綺麗な自然が魅力。特に街並みに関しては、タリン旧市街として街そのものの景観を評価されて世界遺産に登録されているほどである。

近年は国民をICチップ付きIDカードで管理したり、外国の人をエストニア国民として登録できる“バーチャル国籍”制度を適用したり等、行政インフラのIT化が著しく「電子国家」と言われる一面もある。ソフトウェアの「Skype」は、エストニアで生まれたサービスである。

また、既出のウクライナと同じくロシアと領有権を巡る問題から緊張関係にあり、いつ侵攻されてもおかしくないという。

選手メモ

2016年にドイツのFCアウクスブルクからリバプール加入を果たしたエストニア人CB。この国はサッカーという文化に関してまだまだ発展途上の段階であり、W杯本選やEURO本選への出場経験は無い。FIFAランクも2022年3月31日時点で110位だ。

そういった背景があるだけに、エストニア人初のCL出場やエストニア人初のプレミアリーグでの得点といった数々の偉業を成し遂げてきた彼の母国サッカー界での存在の大きさは想像に難くない。

当初は中盤の選手としてサッカー選手のキャリアをスタートさせたが、後にSBへとコンバート。そこから更にCBへとコンバートをし、今に至る。

決して派手な存在ではなかったが、強固なタックルや空中戦を武器にベテランのバックアッパーとしていぶし銀の働きをし、ユルゲン・クロップ政権黎明期に力添えをした。

しかし、ジョー・ゴメスの台頭やフィルジル・ファン・ダイクの加入等によって役目を減らし、2018年を以てイタリアのカリアリ・カルチョに完全移籍。

現在はエストニアのパイデ・リナメースコンドに所属し、36歳の元リバプール戦士は母国にて現役を続けている。

南野拓実/日本

画像出典:リバプール公式Twitter

  • 出場試合数:55試合
  • 生年月日:1995年1月16日
  • ポジション:FW
  • 在籍期間:2020年~

国の特徴

東アジアに存在し、周囲は海で囲まれている島国。

土地の多くで火山を形成していることもあり、地震等の自然災害が他国に比べて非常に多い。四季も大きな特徴の一つであり、春夏秋冬色合いの違いが各季節によって大きく表れている。

古くは中国や朝鮮から渡来した文化を元に形を変えて確立された独自の日本文化が生活を支えており、近年では自動車産業を中心とした科学技術や漫画・映画等のポップカルチャーを世界に誇示している。

2019年に放送されたTV番組の調査によると、世界で有名な日本人の上位5名は、1位:本田圭佑(サッカー選手)、2位:宮崎駿(アニメーター・映画監督)、3位:村上春樹(作家)、4位:黒澤明(映画監督)、5位:鳥山明(漫画家)となっており、日本のポップカルチャーの強さが垣間見える。

選手メモ

もはや説明不要の日本人アタッカー。

2019年10月3日のチャンピオンズリーグのグループステージにて、当時オーストリアのレッドブル・ザルツブルク所属だった彼はリバプール相手に1ゴール/1アシストと結果を残す。その出来事がきっかけになったかのごとく同年の年末にはリバプールへの移籍が内定し、クラブ史上初の日本人選手かつアジア人選手が誕生した。

しかしながらイングランドの壁は高く、レギュラー確保には至っていない。現在はカップ戦を中心に様々なポジションで地道に出場試合数を重ねており、特に今シーズンのFA杯とカラバオ杯の2冠獲得に大きな貢献を果たしたと言える。

今夏でチームを去ると見られており、国内外の複数クラブが移籍先の候補として噂にあがっている。果たして彼は来シーズン、どの場所に立っているのだろうか。

余談ではあるが、彼以前の時代にリバプールと日本人選手がリンクされた事例が全く無いわけではない。

2014年には当時日本の京都サンガF.C.所属であった奥川雅也の獲得が報道されている。2016年にも当時イタリアのインテルナツィオナーレ・ミラノ所属であった長友佑都の獲得がニュースとなっていた。

信憑性はともかくとして、名前があがる日本人は多少なりともいたということだろうか。

 

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