[リバプールCL対戦相手分析]レアル・マドリード〜In Kyiv, we’ll win it 6 times〜

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トリコレッズ

トリコレッズ

日本ではマリノスファンなので、Redsの虜(トリコロール=マリノス)という意味でトリコレッズという名前にしました 戦術・選手分析などをしていきたいと思います
レアル総括

正直に言うと、不思議なチームです。
確かに各個人を見ると世界を代表するようなタレント揃いであり、どのチームも欲しがるような選手が揃っているのですが、
集団として彼らが機能しているとは到底言い難いです。というか恐らく機能させようという気があまりないのでしょう。
伝統的にレアル・マドリードというチームは、ワールドクラスの実力とワールドクラスの巨大なエゴを抱えた選手達がいかに気持ちよくプレーできるか、というところに最大の主眼を置き続けてきたチームです。なので、基本的にはそれほどチーム戦術どうこうに頓着しないのです。それを強制的に植え付けようとした監督がどうなるかということは、我々にビッグイヤーをもたらし、今シーズンは昇格したてのニューカッスルをトップ10入りさせたラファの例を見れば明らかでしょう。

それ故、彼らほどの選手達が何故?と思うような単純な連携不足を露呈し、特に守備の局面で大きな穴がぽっかりと空いているシーンが散見されています。
ですがそれさえもセルヒオ・ラモスを筆頭とする巨大な個の力で解決してしまうチーム、それがレアル・マドリードなのです。

ややレアルに対し批判的な口調になってしまいましたが、この世界は結果が全て。CL2連覇という結果を出している彼らに対して何を言おうが、おそらくマドリディスタにとっては痛くも痒くもないでしょう。彼らは圧倒的な実力と勝負強さを兼ね備えた選手達であり、特にチャンピオンズリーグの大舞台での強さは驚異的なものがあります。
リバプールの選手達はといえば、イスタンブールあるいはその2年後のアテネ経験者は既に全員チームを去り、せいぜいEL決勝とリーグカップ決勝を経験した程度です。大舞台での経験値という意味では天と地ほどの差があると言って過言ではないでしょう。
その差を戦術的にどう埋めるか?そして試合中必ず訪れるであろうレアルの時間帯をどのように過ごすのか?それが試合の趨勢を決める大きなターニングポイントになってくることは間違いありません。

 勝負のポイント・キープレーヤー

1.サイドの主導権をどちらが握るか

最初は、この項クリスティアーノ・ロナウドをどう止めるか、としようと思ったのですが、正直に言ってこの大舞台でクリスティアーノを止めきるのは至難の業です。クリスティアーノが左WGに入るか、それともCFに入るかは分かりませんが(個人的には、4-4-2にしてベンゼマロナウドを2CBとマッチアップさせつつ4-4のブロックで引いて守ってから長いボールを当ててくるのではないか?と思っています)、ロナウドを止められないのであればその前段階で止めるしかない。この場合に鍵を握ってくるのがレアルの両SBとの攻防になるでしょう。特に攻撃力に優れたレアルの両SBがWG化して上がってきた場合には、そこで止めることが出来ればその背後の広大なスペースを我らが強力両WGに自由に使わせることが出来ます。
キープレーヤー:トレント・アレクサンダー・アーノルド

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前回ピックアップしたシティ戦、大活躍してくれたTAA。ロシアW杯に臨むイングランド代表メンバーにも19歳にして選出され、メンタル的にも最高の状態でCL決勝を迎えることが出来るでしょう。
シティ戦でマッチアップしたサネも十分素晴らしい選手ですが、今度相手にしなければならないマルセロ、クリスティアーノ・ロナウドはさらに格の違う選手達。まさしく世界のトップオブトップです。しかし、大舞台で集中力の高まったTAAであれば、粘り強く、かつ思い切りの良い守備、そして鋭い飛び出しと正確なクロスで右サイドを制圧することができるはずです。そうなれば、勝算は大きく高まると感じています。

2.全員が連動してプレスをかけることが出来るか

中盤にモドリッチ、クロースを始めとするテクニシャンを揃えるレアル・マドリードは、恐らくゲーゲンプレス外しにおいて世界最高のチームでしょう。しかし、試合の全ての局面で必ず最善のプレーを選択し続けられるわけではありませんし、プレスをかわされてパスを出されたとしてもそのパスコースを潰しておくことが出来れば結果としてボールを奪うことは出来ます。重要なのは、選手全員が連動してプレス、トライアンドカバーを徹底できるかどうかというところです。
キープレーヤー:ジェームズ・ミルナー

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リーグ最終戦、負傷で練習に参加していないことが明かされたミルナー。彼がいるかいないかで中盤でのプレスの質と強度は大きく変わります。13km以上を走破するスタミナに加え、中盤での気の利いたポジショニング、奪ってからも足を止めないその姿勢など、32歳という中盤センターとしては十分にベテランと呼ばれる年齢を迎えてなお、恐らくキャリアで最高のプレーを見せているのではないでしょうか。
リーグ最終節からCL決勝までは2週間あるため負傷からは戻ってきてくれるのではないかと思うのですが、そもそも彼がいるかどうかが大きな鍵になってくるでしょう。もしも出場できなかった場合は、ジニの働きが極めて重要になってくるはずです。

3.レアル守備陣のギャップを突き崩すことが出来るか

分析で何度も言及してきましたが、レアルの守備の際には、定位置守備であってもDFラインの前に大きなスペースが生まれることが良くあります。そのスペースを有効に活用することが出来ればリバプールにとってはかなり優位な展開になるはずです。もちろん、この試合に関してそこをケアしてくる可能性も十分にありますが、だとすれば裏のスペースが空いたり、前線からのプレスが弱まったりといった弱点が新たに生まれるはずです。
キープレーヤー:サディオ・マネ

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今シーズンはやや波のあるプレーになったマネ。序盤戦は昨シーズンの調子のままリバプールの攻撃を牽引しますが、サラーが神の能力を見せ始めた中盤戦は、まるでサラーの活躍に焦ったかのようなパフォーマンス。なかなか調子の出ない時期が続きました。
が、終盤戦には吹っ切れたかのような思い切りの良いドリブル、圧倒的なスピード感を見せ、また最高の時期の輝きを取り戻しているように思えます。彼がギャップでボールを受け、その圧倒的な推進力でフィールドを切り裂く姿を是非見たいものです。


今シーズンのCL、始まったときにリバプールが決勝に進出すると信じていた人は、KOPにすらほぼいなかったことでしょう。
かくいう僕も、いくらリバプールが伝統的にカップ戦に強いチームだといっても、まさか決勝だとは思っていませんでした。

実際シーズンが始まっても、相変わらずセビージャには勝てず、冬にはエースがチームを離れ、リーグ戦でも不調で引き分けばかりの時期もありました。シーズン終盤には負傷者が続出し、ローテーションも含めるとベンチとスタメンの層の差が現れてしまったこともありました。

しかし、幾多の苦難を我々の戦士達は乗り越えてきました。
3年目のシーズンを迎えたクロップ・リバプール、総力を結集して戦い続けた結果、ついに欧州最高峰のステージまで辿り着いたのです。

あとは、信じるだけです。最高の瞬間を迎えることが出来ることを信じて、YNWA!!!!!

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