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今回はスパーズ戦のプレビューを書いてみたいと思います。
対戦成績
まずは、クロップ監督就任後のスパーズ戦の対戦成績を振り返ってみましょう。
15-16 (A)0-0 (H)1-1
16-17 (A)1-1 (H)2-0
プレミアリーグでの対戦は1勝3分けとリバプールが優勢です。試合内容もリバプールのハイプレスがハマる局面が多く、リバプールのペースで試合が展開していた印象が強いです。ロジャース監督時代にスアレスが無双していた頃ほどではありませんが、相性のいい対戦相手ですね。
今シーズンの序盤戦の戦いぶり
次に両チームの今シーズン序盤戦の戦いを振り返ってみましょう。
まずは、リバプールから。昨シーズンのいい時に比べてハイプレスがうまくハマらず、引かれた相手に手こずって勝ちきれない試合が続いています。攻撃面では、パスの精度とタイミングが少しずつズレていき、フィニッシュの局面でシュートが枠に飛ばないというシーンが目立ちます。守備では、DFラインでの致命的なミスから失点する場面が多すぎます。攻守両面で課題を抱えていますが、ミルナーの出場機会の増大とララーナの復帰でその課題は解決できるのではないかと思います。(スパーズ戦ではララーナがいないのが残念ですが、、、、)
次に、スパーズです。昨シーズンまでと比べて、より戦い方が柔軟になり、特に攻撃面でダイレクトプレーが増えた印象です。デビュー以来、8月にプレミアリーグでゴールをあげたことのないハリー・ケインが、9月以降にゴールを量産している点も見逃せません。リバプールが取り逃がしたデレ・アリも点を取れる選手ですし、サイドバックが得点に絡むことも多く、どこからでも点が取れるチームだと思います。さらに、ポジェティーノ監督がR・マドリ―戦のあとで「我々は3バックでも4バックでも、1トップでも2トップでも、3ミッドフィルダーでも2ミッドフィルダーでも戦えることがよく分かっただろう。異なる戦局で、我々はどのように戦うかを選択している。」とコメントしているので、どういうシステムで試合に臨んでくるのか読みにくい厄介な対戦相手と言えますね。
リバプールはハイプレスでスパーズをハメることができるか?
次に、試合の勝敗を分けるキーポイントは何か、考えてみましょう。
リバプールの視点から考えると、相手に引かれてブロックを作られて攻めあぐねるような展開にはしたくありません。試合の主導権を握るためにもハイプレスがハマる局面を作りたいわけですが、まずは「ハイプレスがハマる」とはどういうことかおさらいしたいと思います。
ハイプレスについて、フジサルさん (@fujisal18)がわかりやすい記事を書いてらっしゃるので、まずはそちらをご覧ください。
味方をフォローする。スペースを利用するとはどういうことなのか?という話です。
なぜ多くのチームはハイプレスにハマるのか -フジサルの戦術メモ
https://t.co/UlxaetCVfl— フジサル (@fujisal18) 2017年10月16日
記事で紹介されてるように、徳島が岐阜をハメた同じ形でリバプールもハイプレスでスパーズをハメてショートカウンターから得点する、そういう試合展開にリバプールが持ち込めるかどうかか勝敗を分けそうです。
リバプールの場合、試合の立ち上がりでペースを握り得点をあげてそのまま押し切ってしまうというのが勝ちパターンなので、試合の入り方も重要です。先に相手にペースを握られるとそのペースのままズルズルといってしまいがちで、選手交代でも流れを変えられないまま試合が終わってしまう悪癖があるので、なんとしても先に主導権を握りたいですね。
一方のスパーズは、これまでの対戦でハイライン・ハイプレスで挑んで失敗しているので、ポジェッティーノのコメントにもあったように、状況によってシステムを変えてくるに違いありません。ユナイテッドのようにDFラインを低く設定するとは考えにくいですが、昨シーズンのアンフィールドの時よりはDFラインを低く設定して、リバプールのサラーに裏をとられないよう対策してくるのではないかと思います。
スパーズがどういう戦い方をしてくるにせよ、リバプールのハイプレスが機能するかどうかが1番のポイントです。DFラインもきちんとパスをつなげるスパーズに対して、ララーナとマネを欠いたリバプールがハイプレスをかけることかできるかどうか、注目ですね。
注目プレーヤー
リバプールの方は、ミルナーです。今シーズンは中盤に再コンバートされて、試合数が多いのでローテーションでの出場機会もそれなりにあるだろうとおもっていましたが、これまでのところあまり試合に出ていません。直近のCLのマリボル戦でスタメン出場して印象的な働きぶりをしていたので、スパーズ戦も期待してます。
スパーズは、ケインとデレ・アリですね。ケインはひとりでも点が取れますし、エリクセンやデレ・アリとの連携からも点を取りますからね。デレ・アリはスーパーゴールがあります。リバプールファンとしてはアリのスーパーゴールが見たくないような、見たいような(笑)複雑な感じです。
ウェンブリーの呪縛
スパーズのウェンブリーでの戦績がよくないんですよね。随分前の話になりますが、アーセナルがCLのホームゲームをウェンブリーで戦ってたことがありまして、その時のアーセナルも戦績はよくありませんでいた。「相手チームがウェンブリーで試合ができることに感動して普段以上の力を発揮するのでアーセナルが勝てない」なんて当時はよく言われたものです。ウェンブリーで試合ということで、リバプールの選手にはいつも以上に気合を入れてもらって、普段の2割増しで走って鬼プレスをかけてもらいたいと思います。
今シーズンを占う一戦
リバプールはララーナとマネがいない試合でよく勝ち点を落としてます。また、どちらか一方が欠けた試合でも苦戦を強いられてきました。ララーナとマネ双方に言えることですが、相手のパスコースを消すポジションをとるのが上手いですしプレスもかけられる選手なので、彼らがいないとプレスの動きの連動性がおちてしまうのが現在のチームの課題の一つだと思います。
主力が欠けた状況でも強豪相手にクロップのサッカーを実践できるかどうか、スパーズ戦は試金石ですね。ララーナとマネ抜きで、強豪相手に勝つことができれば今後の戦いに弾みがつきます。そういう意味で、スパーズ戦は今シーズンを占う一戦と言えるかも知れません。
こんにちは! トッテナムが、これまでの対戦の様な「ハイライン・ハイプレス
合戦」に付き合うこと無く、ハズし!?に行った結果が1、2点目だと思います。
まさに、プレビュー記事の「我々はどのように戦うかを選択している。」という
イヤな予感が当たった感じです。 ・・っにしても!? クロップ監督と選手には
主導権を奪い返す「2割増し鬼プレス」を後半に示して欲しかったですね・・・。
コメントありがとうございます。見事なまでにポジェッティーノのリバプール対策のほうががハマってしまいましたね。前半終了間際のアリのゴールも痛かったです。スパーズ戦に限らず、リバプールのプレスがハマらない試合が多いのが気がかりです。ハイプレスのスイッチを入れてくれるララーナがいないと、攻守両面で連動性を欠いた動きになりがちなので、その課題をどう克服するのかが今後のポイントかなと思います。