ナビ・ケイタ|リバプール選手名鑑

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ライター名は大好きなコカ・コーラから。戦術・選手分析といった普通の記事から一風変わったものまで書きます。
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基本プロフィール

画像出典:LFC公式Twitter

  •  選手名:ナビ・ケイタ
  •  生年月日:1995年2月10日
  •  国籍:ギニア
  •  身長:172㎝
  •  ポジション:DMF, CMF, AMF
  •  背番号:8
  •  チームキャリア:イストル(13/14~)、レッドブル・ザルツブルク(14/15~)、RBライプツィヒ(16/17~)、リバプール(18/19)
  •  市場価格:40,00Mill.€
  •  契約終了年:2023年6月31日

プレースタイル

圧倒的なボールスキルで相手の守備ブロックを破壊し、ゴールに導く“ナビ・ゲーター”。

ストロングポイント

画像出典:LFC公式Twitter

最大の武器は信じられないほどのドリブルスキル。ボールを持ったら一人はかわすのがデフォルトといっても過言ではなく、ボールを運んだあとのパスの選択もバーティカルなものが多い。リスキーではあるがチャンスに繋がるパスを選択できる彼は、チアゴ・アルカンタラと共にリバプールのMF陣において最もクリエイティブな存在といえる。

スピードやパワーといった身体能力は爆発的と形容するレベルにはないため、オープンスペースの強襲という点ではインサイドハーフのポジションを争うアレックス・オックスレイド=チェンバレンに譲るものの、狭いスペースの攻略に関してはナビに軍配が上がる。

とはいえ、チェンバレンのフィジカル的な能力は純粋なMFとしては傑出している。その特性を考えれば、むしろフィジカル的な資質はサイドプレーヤー向きだ。純粋なMFという枠組みで見れば、ナビのフィジカル的なクオリティは十分なレベルにある。

純粋なトップスピードはまずまずだが、狭いスペースで躍動するアジリティは抜群で、軽量級だが簡単には吹っ飛ばされないパワーも搭載されている。際立った足元の技術に加え、それを支えるフィジカル能力も十分である点が、彼のドリブルをより鋭利にしているのだろう。

パスの出し方も独特で、モーションが非常にコンパクト。ドリブルのタッチのリズムでパスを出してくるので、相手からすればタイミングが掴みづらく、難しい対応を迫られることになる。相手が予測できないタイミングでの意外性のあるパスは得てしてチャンスになりやすく、実際に成功した場合のリターンはとても大きい。

パスの観点から見た場合、レパートリーの多さで攻撃を操るというよりかは、傑出したタイミング感覚を武器に急所を突くようなパスで勝負するタイプ。ロングレンジのボールは滅多に蹴らず、それ故に展開力という点ではリバプールのMF陣の中でも低い部類に入る。

そのため、試合を通してボールを触り続けてゲームメイクを担う役割よりは、ある程度自由に振る舞わせて一試合に何度か決定機を生み出してもらうような役割の方が向いているだろう。

守備の局面では、抜群のボールハントが光る。小柄な体格を生かし、相手の懐に上手く入り込んでボールを掠め取るのが非常に上手い。守備の局面において彼とよく比較されるのがエンゴロ・カンテだが、実際に体格/スタイルのどちらを取っても似通っているといえる(どちらもインサイドハーフへの適応に苦戦しているというオマケ付き)。

インターセプトを狙う際も、ポジショニングのセンスを武器にコースを読み切って奪うことより、際立った機動力を生かして無理やり間に合わせることの方が多い。ただ、スタッツを見ると、カンテはここでも優秀な数字を残している。守備の局面において、いるべき場所にいる、という部分は攻守ともにやや奔放に振る舞いがちなナビが磨くべき部分だろう。

高性能のエンジンに、優れた敏捷性、傑出したドリブルの技術、そして独創的なタイミング感覚を持ち合わせた稀有なMFといえる。リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタにも例えられる破壊力を持ったナビ。そこにプラスして守備ではカンテという驚異的なハイブリッドだ。

事実、気持ちよくプレーする日の彼はその触れ込みに違わぬスケールの大きさを感じさせる。この変幻自在のアフリカンが持つポテンシャルの高さに疑いの余地はなく、後述するウィークポイントが改善されていけば、間違いなく世界最高峰のMFになれるだろう。

ウィークポイント

画像出典:LFC公式Twitter

まず先に記しておかねばならないのが、あまりにも多い怪我による離脱。以前はそこまで怪我の多い選手というわけではなかったのだが、イングランドに来てからというもの、定期的な離脱によってプレータイムを確保するのが困難になっている。

オーストリアとドイツでの4シーズンで彼は年間平均38試合に出場し、約2855分(90分換算で約32試合)プレーしている。それがリバプールでの2年間では、出場こそ平均30試合とそれなりではあるものの、プレータイムに換算すると約1606分(90分換算で約18試合)しかプレーしていない。この数字は明らかに物足りないだろう。

もちろん、怪我による離脱のみでなく、リバプールという規模のクラブであるが故の競争の激しさもあるだろう。しかし、それに伴ってコンペティションの数は増えているため、出場機会のチャンスが多くなっているのもまた事実だ。そうでなくとも彼は中盤の軸として期待されていた選手であり、それを踏まえて考えればやはり満足のいく数字ではない。

そして、度重なる離脱によってコンディションの調整が上手くいっていないのか、プレーにはキレがなく、低調な出来に終始する試合もめずらしくない。やっとのことコンディションが上がってきたかと思えば離脱してしまう。その影響は、クラブのスタイルやイングランドの文化に適応する時間までをも奪ってしまっているようにも見える。

能力面は凄まじいものの、強靭なメンタリティを持ち合わせたタイプではないようだ。彼が輝くためには、試合に出続けることによって自信を付け、それを元に良いプレーをしてまた自信を付ける、という好循環を生み出すほかないのではないだろうか。

そして、それには定期的なプレータイムの確保が欠かせない。彼が今以上にリバプールで影響力を発揮するためには、一にも二にも怪我を減らすことだろう。もちろん、それが出来れば苦労しないのだが…。逆に怪我の頻度を減らせないようであれば、今以上のものを彼に求めるのは厳しいかもしれない。

純粋なプレー面に目を向けると、まず弱点なのが守備力。「カンテなのに?」という声はごもっともなのだが、ナビがリバプールでカンテのような守備を見せた試合は数えるほどしかない。

個人でのボール奪取能力はリバプールのMFの中でも随一なのだが、周囲との連動性がイマイチで、唸るようなボールハントこそ素晴らしいが、それも散発的だ。そして、それが時として緩慢にすら見える守備に繋がってしまっている。

そのほかにも、カンテほどカバーできるプレーエリアが広くないことも要因の一つだろう。カンテは攻撃面で担うタスクの比率が低く、守備に専念できている。ナビの場合それが中途半端で、あれもこれもと欲張った結果、どちらも中途半端になってしまっているのかもしれない。

そのため、最近ではよりフィジカルで守備範囲の広いジョーダン・ヘンダーソンやジョルニジオ・ワイナルドゥムとインサイドハーフで組ませて、攻撃に比率を傾けているように見える。

今後、周囲との連動性を深め、対人だけでなく予測によるスペースのカバーやインターセプトにも磨きをかければ、守備面での不安はかなり無くなるだろう。

攻撃面での課題は継続性の一言に尽きる。これは最初に述べた部分と被る側面もあるのだが、輝く日と輝かない日の差があまりも大きい。一試合単位で見ても消えている時間帯が多く、彼がチームに良い影響をもたらす機会は限定的だ。

また、自分の能力に自信を持っているからか、ややリスキーな選択をしがち。上手くいけばいいのだが、リスクを取る必要がない場面でも選択してしまうので、状況を良く見極めプレーを選択するという部分には改善の余地を大きく残している。

チアゴの到来も、ナビの立場を一層厳しくするだろう。これまで彼のような独創的なパスを出せるMFはいなかったが、チアゴはそれを効率良く安定して繰り出す。彼ら2人を同時起用した場合バランスが崩れるおそれがあるため、チアゴがリバプールで確固たる地位を築いたとき、ナビが必要とされる場面は少なくなるかもしれない。

3年目を迎えた20/21シーズンは、もはや言い訳が許されないシーズン。ここで大きく飛躍を遂げることができず無難な出来に終始すれば、来夏リバプールを去る可能性も高くなることも否定できない。

とはいえ、彼の過去2シーズンの出来は決して悪いものではなかった。それでも批判が目立ち、失敗の烙印すら押す人やメディアもいるのは、その期待の大きさ故だろう。

ユルゲン・クロップが熱望し、獲得時点でリバプールの歴代最高額となった移籍金は元より、メッシorイニエスタ+カンテという壮大な触れ込み、1年間のおあずけ期間。そしてなにより、スティーブン・ジェラードが背負った背番号8番を受け継いだ初の選手…。

サポーターがナビ・ケイタに期待してしまう要因はとても多く、彼はその重圧に苦しんでいるのかもしれない。それでも逆境に打ち勝ち、リバプールで世界最高峰のMFとしての姿を披露してくれることを、誰もが願っている。

エピソード・小ネタ

画像出典:LFC公式Twitter

◆ナビの父は非常に熱心なリバプールのサポーターで、息子によくリバプールの話をしていたそうだ。一緒にサッカーをしていた友達も、そのほとんどがリバプールのファンだったとは本人談。当然ながらナビの父は、息子のリバプール移籍をとても喜んでいたとのこと。

◆生まれ育ったギニアからフランスへトライアルに行った際、言語以外(ギニアの母国語はフランス語)なにもかも違うフットボールに衝撃を受け、大きな挫折を受けたという。ストリートでしかプレーしたことのなかった彼にとって、戦術はもちろん、簡単な用語でさえ理解できなかったそうだ。

◆フランスのイストルでプレーしていたナビをレッドブル・ザルツブルクに迎え入れたのは、そこでディレクターを務めていた元リバプール監督のジェラール・ウリエ。ウリエは同じオーナーを持つRBライプツィヒのディレクターであるラルフ・ラングニックと相談して獲得を決めたそう。

◆ザルツブルク時代、サディオ・マネとはチームメイトで、お互いに兄弟のような存在だと話している。兄にあたるマネはナビに良くアドバイスをしており、彼の存在がリバプール行きに大きな影響を与えたのは言うまでもない。

◆ライプツィヒ時代、約40日間のうちに3度の退場を経験している。2017年9月16日のブンデスリーガ第4節のボルシアMG戦、10月7日のロシアW杯アフリカ予選のチュニジア戦、そして10月25日のDFBポカール2回戦のバイエルン・ミュンヘン戦だ。ちなみにマネはナビのリバプール移籍が決まってからというもの、定期的にライプツィヒの試合を見ていたようで、退場ばかりする彼を見ていて辛くなったそうだ。マネは友達のケヴィン・カンプルに「なぜナビはあんなにも退場するのか」と質問したそうだが、「よくわからない」という答えが返ってきたそう。

画像出典:empireofthekop.com

◆2017年、ドイツのレジェンドであるローター・マテウスは、自身の思うブンデスリーガで最も優れているMF3名の中に、現リバプールのチアゴと共にナビを選んでいる(もう1人はライプツィヒのエミル・フォルシュベリ)。

◆自身が選ぶ最も難しかった対戦相手に元リバプールのシャビ・アロンソを挙げている。

◆彼が最も共にピッチでプレーした選手は、ザルツブルクとライプツィヒで同僚だったピーター・グラクシ(彼は元リバプールでもある)で、112試合を共に戦っている。

画像出典:liverpoolecho.co.uk

◆ザルツブルク時代のチームメイトである南野拓実がリバプールに移籍してきた際、クラブは南野がチームに早く馴染めるよう、彼のロッカールームでの席を8番ナビと10番マネの間にするという計らいをしている。ちなみにこれはリバプールの旧トレーニング施設であるメルウッド時代の話であるため、現在カービーにあるAXAトレーニング・センターでどうなっているかは不明だ。

参考サイト

【ナビ・ケイタの物語】家族、友人、挫折と夢…アフリカの路上から世界に羽ばたくまで

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