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基本プロフィール
- 選手名:フィビオ・エンリケ・タバレス(愛称:ファビーニョ)
- 生年月日:1993年10月23日
- 国籍:ブラジル
- 身長:188cm
- ポジション:DMF, CMF, RSB, CB
- 背番号:3
- クラブキャリア:リオ・アヴェ(POR/12-13~), レアル・マドリード(ESP/loan:12-13), ASモナコ(FRA/13-14~), リバプール(ENG/18-19~)
- 市場価格:€ 60.00Mill.
- 契約終了年:2026年6月30日
プレースタイル
ストロングポイント
元来、右SBが本職だったということもあり、そのボールスキルや攻撃性能には定評があったが、モナコ時代にセントラルハーフにコンバートされてからはその才能が開花。フランスにいた頃からその評価は高く、実際に数多のメガクラブが彼の獲得に動いていた。
最大の武器は手足の長さとフィジカル能力を生かしたボール奪取。並みの選手であれば届かないような位置にあるボールでも、身体を巧みに使って奪い切ってしまう。また、タックルの上手さは傑出している。伸びるようなスライディングは、目が肥えたイングランドのファンをも唸らせる。
188cmというフィルター役として申し分のないサイズも魅力。中盤でのエアバトルであれば高い勝率を誇る。戦術の構造上、平均身長が低くなりやすいリバプールにあって、高さを補える貴重な選手でもある。
ユーティリティ性の高さも見逃せない。緊急時にCBとして起用された試合でも違和感なく乗り切り、能力の高さを見せた。CBでのプレー経験が皆無であるにも拘わらずポジショニングやクロスへの対応は悪くなく、前述の通りDF出身ということもあって、守備に対する感覚が優れているのも助けになっているのだろう。
線が細く、絶対的なパワーという観点から見るとアンカーの選手としてはやや物足りなさを感じるが、フィジカル能力はバランスよくまとまっており、総合的に見れば高いレベルにある。また、見た目とは裏腹に身体のコーディネーションも優れていて動きはスムーズ。怪我への耐性も抜群で稼働率も素晴らしい。
秀逸なプレービジョンもファビーニョを語る上では欠かせない。状況判断の良さは高い危機管理能力に現れており、危険なスペースを埋める、早い段階で相手選手を潰すといったプレーは、フィジカル能力よりもむしろプレーを予測する能力によって支えられている。
キックの質も優れているので、ボールを奪ってからの推進力・展開力も見逃せない。際立ったクリエイティビティはないものの、正確な配給と、機を見たロングフィードで攻撃の起点にもなれる。
アンカーの位置から素早く(縦への)攻撃に転じられるファビーニョの存在は、何かしら物足りないものが出てしまっていたジョーダン・ヘンダーソンやジョルジニオ・ワイナルドゥムをアンカーの位置から解放することにも繋がっており、リバプールのセンターラインをより強力なものにしたといえる。
リバプールではまだ披露する機会がないが、かつてはPK職人としても鳴らしており、そのことからも彼の強靭なメンタリティとキックの巧さを感じ取れる。加入して間もない頃のプレシーズンで外してしまっているが、公式戦で蹴る機会が巡って来た場合、しっかりと沈めてくれるだろう。
SB時代の経験は確実に今に還元されており、スペースを突く攻撃的な感覚や、最終ラインでプレーする守備的な感覚は、他のMFにはない代え難いもの。そこから来る攻守両面におけるプレーの精度や信頼度・安定性は素晴らしいの一言。
フィジカル、テクニック、インテリジェンスといった能力が満遍なく高いレベルでまとまった、完成されたMFと言える。卓越したパーソナリティも持ち合わせ、現時点でワールドクラスの域に達していると評価してもいいだろう。しかし、まだまだ成長の余地を残しており、どこまで高みに登りつめることができるか楽しみな選手でもある。
ウィークポイント
サイズとスタイルの都合上これは仕方ないのが、SAQ(スピード・アジリティ・クイックネス)は世界トップクラスとはいえない。対面するアタッカーが非常にアジリティに優れていたりスピードに乗っていたりすると、対応が後手に回り、遅れてお茶を濁すために警告を受けやすい。
18-19シーズン、リバプールはプレミアリーグとチャンピオンズリーグで合わせて58枚のカードをもらっているが、ファビーニョはその内最多の9枚をもらっている。もちろん、最終ラインの防波堤としての役割を遂行しているともいえるのだが、回避できたカードがなかったわけではない。
ファビーニョはシーズンが経つにつれ、替えの効かない戦力になっていった。累積で失いたくない戦力であるから、ぜひ警告回数を減らしていただきたい。
しかし、4-3-3というシステムの構造上、アンカーの両脇に生まれるスペースはどうしても狙われやすい。ここはチーム全体で、ファビーニョ(のみならずアンカーに入った選手)を助けるべきだろう。そもそも、ファビーニョがスピードに乗った快速アタッカーを止めなくてはならない、という状況自体が好ましくないともいえる。
モナコ時代はドイスボランチの一角が定位置であったため、プレースピードの速さも相まって加入当初はアンカーの役割に戸惑っていた。しかし、前述の通り今では替えの効かない戦力になっている。優秀なアンカーの存在が4-3-3のシステムの出来を左右するといっても過言ではなく、改めて素晴らしい選手を手に入れたのではないだろうか。
エピソード・小ネタ
・ブラジル出身だが、フルミネンセの下部組織から直接ポルトガルのリオ・アヴェに引き抜かれているため母国でのプレー歴はない。しかし、結局そのポルトガルでもトップチームでデビューすることなくレアル・マドリードに移籍している。
・FourFourTwoによれば、ファビーニョのリバプール移籍にはやはりロベルト・フィルミーノが一役買っていたようだ。フィルミーノは様々なアドバイスをしたそうで、街も素晴らしいと語っていたとのこと。しかし、そんなリバプールにも欠点はあるらしく、それは「毎日寒いこと」だそう。
・リバプールと交渉中、ファビーニョはいつ正式に決まるのかとみんなに聞きまくるほど不安だったそう。曰く「リバプールのような歴史あるクラブに欲しいと思われているのを知ったら、すぐに飛んで行きたくなってしまう」。彼ほどの選手であれば、リバプール以外のメガクラブからも声が掛かっていただろう。特にマンチェスター・ユナイテッドは熱心だったと噂されており、そのような選手にこう言ってもらえるとはサポーター冥利に尽きるというものだ。
・ファビーニョに負けず劣らず奥さんのレベッカさんもKOPから高い人気を集めている。さてはKOPなのでは!?と思ったりもしたのだが、ファビーニョがマンチェスター・ユナイテッド移籍秒読みとされていたとき、そのチームのSNSアカウントをフォローしたりしているので、純粋に夫が大好きなのだろう。しかし、どう考えてもレベッカさんのポストはリバプール愛に満ちているので、先ほどのエピソードは泣く泣くフォローしたのだし、リバプール行きも彼女の意向があったと当方は結論付けている。
・モナコでチームメイトだったキリアン・エムバペ(PSG)とは非常に良い関係性で、今でも連絡を取り合う中だそう。ファビーニョのリバプール移籍が決まった際は祝いのメッセージも届いたそうだ。そんなエムバペをリバプールに勧誘しているらしく、実現の可能性は限りなく低いがなんとも夢のある話だ。
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