ドミニク・ソボスライのプレースタイル/プロフィール解説|リバプール選手名鑑

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基本プロフィール

画像出典:liverpoolfc.com

  • 選手名:ドミニク・ソボスライ(ソボスライ・ドミニク)
  • 生年月日:2000年10月25日
  • 国籍:ハンガリー
  • 身長:186cm
  • ポジション:CMF, AMF, LWG, RWG
  • 背番号:8
  • クラブキャリア:RBザルツブルク(AUT/17-18~), リーフェリング(AUT/lona:17-18), RBライプツィヒ(GER/20-21~), リバプール(ENG/23-24~)
  • 市場価格:€50.00Mill.
  • 契約終了年:2028年6月30日

プレースタイル

 

画像出典:LFC公式Twitter

リバプールが7000万ユーロという高額のリリース条項を発動しライプツィヒから獲得したハンガリーの至宝だ。フィジカル/テクニカル共にハイレベルでまだ22歳ながらメンタル的な強さも卓越しており、総合的に見てソボスライは極めて優れたタレントであるといえる。

ストロングポイント

ソボスライはキャリアを通じて多くのポジションでプレーしてきた。プロキャリアのスタートとなった17-18のリーフェリングと、その後に復帰した18-19のザルツブルクは中盤をダイヤモンドにした4-4-2が基本システムであり、ソボスライは主にトップ下や左インサイドハーフでプレー。基本的にはMFとして過ごしている。

続く19-20と20-21はジェシー・マーシュに監督が代わり、メインがダイヤモンドからボランチを2枚置くクラシカルな4-4-2となったことで主戦場がサイドとなり、主に左サイドハーフでプレーした(余談だが、このとき右サイドを主に務めていたのは南野拓実である)。このシーズンはリバプールとCLのグループステージで対戦しているが、2戦とも左SHでプレーしている。

活躍の場をライプツィヒに移した21-22ではメインとなるシステムが3-4-2-1で、ここでは2シャドーの一角で多くプレー。そのほか、4-4-2(4-2-3-1)の左右のSHでもプレーしている。そして直近となる22-23は前年と同じく3-4-2-1のシャドーや、4-4-2(4-2-3-1)の右SHとして多くプレーしている。

このようにソボスライはダイヤモンドのトップ下やIH、4-4-2の両SH、3-4-2-1のシャドーとキャリアを通じて実に様々なポジションで起用されてきた。CF以外の前目のポジションは一通り全てプレー経験があると言って差し支えないだろう。

プレーエリア的にはMFというよりもFWのそれに近いが、これは彼の持っている資質とプレーしたクラブが採用していたシステムを嚙み合わせた結果である。要するに4-4-2というシステムであればボランチではなくSH、3-4-2-1であればこちらもボランチではなくシャドーの方が適している、ということだ。

では、4-3-3が基本システムとなるリバプールで考えた場合どうなるだろうか?結論から言えば、IH(特に右)での起用がメインとなるだろう。4-3-3のIHは前述の2つのシステムのボランチよりプレーエリアが高く、一口に中盤と言っても性質が異なる。IHであればほぼ未経験とはいえ持ち前のフレキシビリティを発揮して適合することができるだろう。とりわけリバプールの右IHに入る選手は周囲の選手との兼ね合いから大外でプレーするシーンも多く、その際にはむしろ豊富なサイドでのプレー経験が生きるのではないか。

もちろん、過去の実績を考えれば両ウイングに対応可能という点も魅力的であることは間違いない。特に右WGのポジションはモハメド・サラーという絶対的な選手が存在している点、そもそも左に比べると世界的に人材が希少な点などによりリバプールの前線で唯一デプスに不満が残るポジションだった。ソボスライは基本IHでプレーしつつ、サラー不在時には右WGに入ることができるのでスカッドに奥行きをもたらしてくれるだろう。

フィジカル的な観点から見ると、やはり目を引くのが186cmという優れたボディフレーム。このポジションでは水準以上のサイズに加え、パワーやスピードといったフィジカル的な資質もほぼ文句がない。アジリティやクイックネスといった部分はより小柄で軽量な選手と比べると見劣りするものの、オープンスペースで輝くトップスピードはMFとしては驚異的なレベルにある。

身体のコーディネーションも優れており、大柄ながら身のこなしは比較的スムーズでエレガント。ただフィジカル的な資質と後述する技術的な部分から、狭いスペースではなく広いスペースでより力を発揮するタイプ。コンタクトプレーに関してはこれからプレーするのがイングランドということもあってやや不安が残るが、恵まれた体格を考えればこちらも十分適応できると考えていいだろう。

技術的な観点から見ると、最大の武器はキックの能力。とりわけミドルシュートは圧巻で、威力・精度共に傑出しており幾度となく叩き込んでいる。リバプールは低く引いて守ってくる相手をかなり苦手としており、それを崩すクリエイティビティやアイディアに欠ける嫌いがあった。そういったブロックの前から放つミドルシュートは有効なカードであり、ここはかなり期待できる部分だ。

パスに焦点を当てると、プレーエリアの高さからビルドアップに積極的に絡むタイプではないがその分ファイナルサードでの貢献度が高く、ラストパスから多くのゴールを演出している。ゴールとアシストの比率はキャリアを通じてほぼ1:1であり、自ら決めることも誰かに決めさせることもできる選手、と考えていいだろう。さらに自慢の爆発的かつ正確無比なキックはFKやCK、PKといったセットピースでも存分に生かされており、こちらも必見。

また、強靭なメンタリティも彼の特徴だろう。10番を背負うハンガリー代表ではすでにキャプテンを務めており、エースと主将という二つの重責を担っている。精神的に完成されているというわけではないだろうが、若くして多くの経験を積んでいることには違いなく、生来の勝気なパーソナリティも相まってメガクラブ初挑戦となるがあまり不安は覚えなくてよさそうだ。

 

ウィークポイント

画像出典:liverpoolfc.com

技術的にもハイレベルなソボスライだが、センシビリティという点では限界があるようにも感じられる。元来フィジカル的な資質に恵まれ、そこに爆発的なキックの能力を備えた選手といった趣であるため、繊細なタッチやトリッキーなボールスキルで巨大な違いをコンスタントに作り出すタイプではない。

それがソボスライは狭いスペース以上に広いスペースでのプレーが得意、と評した要因だ。IHではSHやシャドー以上に密集地帯でプレーするシーンが増えるので、この部分は少し注意して見ておきたい部分ではある。ただ、オフ・ザ・ボールの動きや空間把握能力といった部分もしっかり備えている選手なので、かなり苦戦する、というわけでもなさそうなところは好材料。

186cmというサイズを誇りながら、空中戦が強くない点も少し気になるところ。昨季は25回の空中戦のうち勝利数はわずか7回。実に勝率28%とかなり改善の余地を残している。プレミアリーグはボールが宙を行き交うことでお馴染みなので、身体的なポテンシャルは十分なソボスライにはぜひ空中戦でも頼りになる選手になってもらいたいところだ(22-23のリーグ戦、Opta)。

また、リバプールのファンからは守備面を不安視する声も少なくない。たしかに基本的に多くの時間をアタッカーとして過ごしてきた選手であるため、そう感じる気持ちもわからなくもない。ただ、与えられたタスクは積極的にこなすタイプであり、それは守備の局面でも変わらない。

数字で見ても、例えばインターセプトの数は右IHのポジションを争うであろうジョーダン・ヘンダーソンとハーヴェイ・エリオットがそれぞれ21回と15回を記録しているが、ソボスライは17回とそこまで大差ない。クリア数に至ってはヘンダーソンとエリオットが12回と6回なのに対し、ソボスライは23回だ(対象は22-23シーズンのリーグ戦、Optaのデータを参照)。

そもそもヘンダーソンは寄る年波によって身体能力の衰えが著しく、守備の局面で以前よりも頼りになる存在ではなくなっている。エリオットはもともと身体能力が低く、守備が技術的に上手いわけでもないので常に不安が付きまとっていた。ソボスライの守備が上手いとは言わないが、相対的に見れば彼がヘンダーソンやエリオットに比べて劣るとは言えないだろう。

そして、これから担うであろう新しいIHという役割をスムーズに適応できるかも注目ポイント。最終的には問題なくプレーできると筆者は考えているが、それがどれだけ早く来るかはやや未知数。

例えばモナコでドイスボランチとしてプレーしていたファビーニョはリバプール加入当初、新しいアンカーというポジションに適応するために新シーズンが開幕してから2ヶ月半ほどはベンチで過ごしている。ソボスライも最初のうちはそうなる可能性もゼロとは言い切れない。とはいえ、彼の持つクオリティを考えればそれも杞憂に終わるのではないか、という期待感も同時に大きい。

同じく新加入のアレクシス・マクアリスターと共に、リバプールのIHを新しく担っていくに相応しいだけの実力とポテンシャルを備えたソボスライ。彼らがどれだけリバプールの中盤をアップデートしてくれるのか、今から楽しみが尽きない。

 

エピソード

画像出典:dailynewshungary

◆出身地はハンガリーのセーケシュフェヘールヴァール(ドイツ語ではシュトゥールヴァイセンブルク)。かつてはハンガリーの歴代国王が戴冠や埋葬をされた由緒ある都市であり、特に中世ではハンガリーの政治・交易の中心を担っていた。

◆「Dominik」という名前の起源はラテン語の「Dominus」にあり、「主の」、「主に属する」、「神に属する」といった意味を持つ。支配者や多くの奴隷の主などが名乗っていた名前であり、伝統的に日曜日に生まれた子供に付けられることが多かったとか。この名を持つ最も有名な人物はカトリック教徒でありドミニコ会の創設者、聖ドミニコである。ちなみに、この人物が名前の由来となった国がドミニカ共和国だ。

◆「Szoboszlai」という名前は発音が非常に難解。基本的にハンガリー語では「sz」を「s」として発音するため、ショボスライやソボスライと呼ばれることが多い。

◆ハンガリーでは欧米ではめずらしく、日本と同じように姓・名の順番で表記される(つまり、ハンガリーではソボスライ・ドミニク)。ただ前述の通り欧米ではめずらしいため、ハンガリー人は他国で活動する場合はその慣例に倣って名・姓で表記することも少なくない。

◆プロデビューとなった試合でソボスライの代わりに下がったのはエノック・ムウェプである。

◆腕にはスティーブン・ジェラードの言葉を引用したものがタトゥーで刻まれている。ハンガリー語で彫られたその言葉は「才能は神の祝福だが、信じられないほどの意志と謙虚さがなければ何の価値もない」。

◆ユルゲン・クロップのことを深く尊敬しており、自身にとって世界最高の監督だと語っている。

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