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基本プロフィール
- 選手名:マルコ・グルイッチ
- 生年月日:1996年4月13日
- 国籍:セルビア
- 身長:191cm
- ポジション:MF
- 背番号:16
- チームキャリア:レッドスター・ベオグラード(12/13~)、FKコルバラ・ラザレヴァツ(Loan)、リバプール(16/17~)
- 市場価格:5,00 Mill. €
- 契約終了年:2020年6月30日
プレースタイル
ストロングポイント
191cmの強靭な身体を持つMF。2015年のU-20FIFAワールドカップで母国セルビアの優勝に貢献し、スティーブン・ジェラードにも例えられるボックス・トゥ・ボックス型のMFとしてその将来を嘱望されている。恵まれた体格を生かして守備的な役割を担うこともできるが、グルイッチが真の価値を発揮するのはより攻撃的なポジションでのプレー。フィニッシュのパターンが豊富で、打点の高いヘディングやミドルシュートなどはたしかにジェラードを彷彿とさせるものがある。さらに懐の深いキープを生かしたドリブルテクニックや、精度の高いラストパスも魅力で、高いポテンシャルを感じさせる。
ウィークポイント
ただ、無双していたのはあくまでセルビアという環境だったから。イングランドではやはりプレミアの激しさやスピードへの適応に苦戦しているようだ。しかし、「環境に合っていない」というわけではなく、例えばラザル・マルコヴィッチはリバプール入団時のインタビューを英語ではなくセルビア語かなにかで答えていたが、グルイッチは英語で答えていた。やはり英国で生活する以上は、英語が話せるに越したことはない。さらに彼のプレースタイルもプレミアに合ったもので、足りていないのは純粋な経験値だけ。しっかりと研鑽を積めば貴重な戦力になれるだろう。
前述の通りグルイッチのウィークポイントは経験値の少なさだが、詳細に例を挙げるとプレーテンポ、守備への貢献度、スタミナや当たり負けしないフィジカル能力などがある。グルイッチ自身が明かすところによれば、クロップが彼に求めているのは守備的な部分。そのためにジムでフィジカルを重点的に強化しているという。生まれ持った頑強な身体をプレミア仕様に仕上げれば、プレミアの中盤でもたしかな存在感を発揮できるはず。また、リバプールの戦術的欠陥の一つに空中戦の弱さ(リバプールのようなスタイルだと、どうしても身長の低い選手が集まりやすい)があるが、グルイッチが自慢の高さをエアバトルでも発揮できるようになれば、相手に簡単に制空権を握られるシーンも減らすことができるため一刻も早い成長が望まれる。
エピソード・小ネタ
・少年時代に最も尊敬していた選手は、主にインテルなどで活躍したセルビアの英雄的存在であるデヤン・スタンコビッチ(彼の現役引退試合は2013年の日本代表戦!)。彼もまたグルイッチと同じく、レッドスターでプロキャリアをスタートさせている。
・クロップがドルトムントを率いていた時代に、憧れの監督としてSNSにクロップの写真を投稿していたことを明かしている。ネベン・スボディッチやロベルト・レヴァンドフスキをワールドクラスの選手にしたのが理由で、いつか彼の下でプレーしてみたいと思っていたとのこと。あの頃はクロップも僕もリバプールとは縁がなかったのに不思議なものだね、と話している。
・父のゴラン・グルイッチは、リバプール移籍に強く反対していた。彼曰く、息子のプレミア挑戦はまだ早すぎる。実際に適応するのにてこずっているのは確かであり、子を思う気持ちから反対する親心も頷ける。彼の思いを台無しにしないためにも大切に育てたいところである。
・リバプール加入前、ジェラードの8番をグルイッチに渡すのではないか、という噂があったのは記憶に新しいことだろう。そのことについてグルイッチは母国のメディアに「8番を選ぶことも出来たけど、その重圧に耐えられるとは思わなかった。バルセロナやレアル・マドリーから来た選手だって無理だと思うよ。ゆっくりスタートして、日々前進していきたい。35番をつけるかも。それか88番?いずれにせよ8に関係している数字だね。」と話している。結果的に16番を選んだが、これは8を倍にした数字。本人もいつの日か8番を背負うことに意欲を示しているためそれに見合う選手になってほしいものだ。(なお35は8と関係ないが、この番号はレッドスター時代につけていたものである。)
・重度の閉所恐怖症。リバプールでメディカルチェックを受けた際、MRIスキャナーが怖すぎてパニックになったものの、ドクターに説得されなんとかメディカルチェックをパスし、メルウッドに行き、契約書にサイン、そして写真撮影をしたという。ちなみにMRIとは磁気共鳴画像の略である。以前筆者の別記事で、「CTスキャナーはビートルズによる最も偉大な遺産」と紹介させて頂いたことがあり、そのCTスキャナーとはほぼ同じだが、少し違う。CTがX線で断層を撮影するのに対し、MRIは磁気で断層撮影を行う。
・リバプール移籍が決まった際、同胞で先輩のネマニャ・マティッチ(チェルシー)がいの一番に祝いのメッセージをくれたという。また、アレクサンダル・コラロフ(マンチェスター・シティ)も、困ったことあればいつでもいつでも相談しに来い、と言ってくれたという。いずれもリバプールと順位を争うライバルクラブに所属する選手だが、こういった同郷の先輩後輩の関係はいいものだと改めて実感する良いエピソードである。
・2016年の1月にリバプール移籍は決まったものの、ローンという形でレッドスターに留まっていたのは周知の通り。セルビアにいるのも残り少なくなったグルイッチがベオグラードでのイベントに登場した際、「(リバプール移籍が決まってからというもの)前よりも女の子に誘われることが多くなった。でも、真剣な誘いはないんだ。だから彼女はいないよ」と語った。あと少し経てばイングランドへ行ってしまうスター選手と、とりあえずワンナイトだけでも過ごそうとしていたのだろうか?なんにせよ羨ましい話である。
・A代表のキャップ数が3だったため、FAからの労働許可が下りず審査を受けることになった。最終的にクロップ自らFAの審査に出向き労働許可が下りたが、最後にリバプールが労働許可を得るためにFAの審査を受けたのは、2013年1月のインテルから獲得したフィリペ・コウチーニョである。
・レッドスター時代のチームメイトであるウーゴ・オリヴェイラが横浜・F・マリノスに移籍した際、自身のインスタグラムにてメッセージを送っていた。日本食レストランと思わしき場所で寿司を食べるグルイッチとオリヴェイラの2ショットで、移籍先の日本を意識したものと思われる。残念ながらこの投稿は現在削除されており確認はできないので、気になる人はオリヴェイラの方のインスタグラムをチェック。グルイッチと同じ写真で「兄弟、また会おうぜ!」とグルイッチに対するレスポンス的な投稿をしている(2017年1月10日の投稿。アカウントは「hugovieira10」)。
・同じバルカン半島出身のデヤン・ロヴレンとかなり仲が良い。グルイッチはよく2人で撮った写真をSNSに投稿している。また、LFCTVの企画でロヴレンが挙げた最も面白いチームメイトはグルイッチであった。「理由は色々あるけど、チェルシー戦でジョーダン・ヘンダーソンが決めたゴールのあとに見せたあの顔は最高だったな!」と話している。
参考サイト
transfermarkt:世界のサッカー選手の移籍情報を中心としたデータベースサイトです。
WhoScored:欧州サッカーのスタッツや最新ニュースが掲載されているサイトです。
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