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コーク
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コークです!今回はサッカーサイト「Qoly」にフランス関連の記事を寄稿している亀浦六斗さんに、CLで対戦するパリ・サンジェルマン(PSG)の話を伺いました!フランクなやり取りではありますが、同時に中身の濃いマニアックな対談となっているかと思います!それでは早速どうぞ!
パリ・サンジェルマンのガチ勢亀浦さんへのインタビュー
以下の流れでインタビューの内容をまとめています。
- グループCの厳しさ「リバプールを引いたところが”死の組”確定」
- PSGのフォーメーション・戦術「リバプール相手に3バックは自殺行為」
- PSGからみるリバプールの強み弱み「サラー、マネ以上にフィルミーノへの対応に困る」
- リバプールの選手の評価・移籍動向「ファビーニョは間違いなく大きな期待が持てる」
- ネイマールのリバプールは4位に入れない発言について「多分なにも考えてない」
1.グループCの厳しさ「リバプールを引いたところが”死の組”確定」

画像出典:carloancelotti.it

まずはPSG、ナポリ、リバプール、レッドスター・ベオグラードというグループについて率直な感想を聞かせて。

率直に、一番厳しいグループだと思う。まぁ、リバプールを引いたところが死の組になるのは確定だったから、当然と言えば当然だけどね。

バルセロナ、スパーズ、インテルが同居するグループBや、ユヴェントス、マンチェスター・ユナイテッド、ヴァレンシアが同居するグループHよりも厳しい?

画像出典:@ChampionsLeague

間違いないよ。ただ、厳しいとは言っても勝ち抜けはPSGとリバプールになると思う。純粋な戦力値の差があるし、戦術的な相性から見ても、ナポリがPSGやリバプールと互角に渡り合うのは難しいんじゃないか。

個人的にもリバプールとPSGだと見ている。理由も同じだ。勝ち抜けをノルマとするなら、ナポリにしっかりと勝つことがお互い重要だね。

そうだね。戦術家のサッリ(現チェルシー)から、選手依存の傾向が強いアンチェロッティに代わった影響はやっぱり出てくると思う。サッリとジョルジーニョが揃っていなくなり、彼らによって能力を引き出されていたナポリの選手たちが自由を与えられたとき、どういう結果になるかは読めないけど難しいものになるんじゃないかな。

デ・ラウレンティス(ナポリ会長)が「(昨季のファイナリストである)リバプールがPot3なのはおかしい」とUEFAに文句を言っていたけど、勝ち抜けは厳しいんじゃないか?というネガティブな心情の現れだろう。

でも、そういうルールだから仕方ない(笑)。個人的に元PSG監督のアンチェロッティと戦えるのは楽しみだね。

アンチェロッティのリバプール監督就任が取り沙汰されていた頃が懐かしいよ(笑)。
ま、それはさておきだ。PSGはこの夏に監督が代わり、ウナイ・エメリ(現アーセナル)からトーマス・トゥヘルになったね。トゥヘル就任からまだ間もないけど、なにか変化の現れたところはある?

わかりやすい変化は、怪我人などで中盤の枚数が足りなくなったとき、前から持ってきたエメリに対してトゥヘルは後ろからコンバートする。実際にヴェッラッティが怪我でいない今、ボランチをやっているのは本職がCBのマルキーニョスだ。それに加えて、SBのプレーエリアが昨季と比べてかなりDFらしくなっている。トゥヘルはより攻守のバランスを意識しているんだろう。

なるほどね。ちょっと脱線するけど、そのエメリが監督になったアーセナルはどう見ている?アーセン・ヴェンゲルの後任ということで、どうしたって試行錯誤の連続になりそうな予感はしているけど。

厳しいと思うよ。チーム編成は歪だし、新戦力も地味な印象は拭えない。それにエメリ自身がリーグ・アンに来た当初は戸惑っていたからプレミアでもそうなるかもしれない。ただリーグで4位以内になれずとも、エメリお得意のEL優勝からのCL出場はあるかもだから、それは期待していいかもね(笑)。

グーナーでこれを読んでいる人はいないだろうからエメリの話はこれぐらいにしておこう(笑)。
2.PSGのフォーメーション・戦術「リバプール相手に3バックは自殺行為」

ここからは、PSGの戦術について詳しく聞いていくね。まずは基本システムと、ベストメンバーを教えて。

PSGは今のところ4-2-3-1だけど、これはあくまでヴェッラッティが怪我でいないから。彼が復帰したら、リバプールと同じ4-3-3になると思う。ただ、ヴェッラッティの怪我の回復度合いに関係なく、CLの初戦はサスペンションで出られない。まぁ、その試合がアンフィールドでのリバプール戦なんだけど(笑)。それと、トゥヘルはオプションで3-4-1-2を持っているけど、リバプール相手に3バックは自殺行為だし使うことはないだろう。
だからアンフィールドでは4-2-3-1を使うはずだ。現時点でのベストメンバーは、GKはアレオラで、DFラインは右からムニエ、チアゴ・シウヴァ、キンペンベ、ベルナトorケーラー。ボランチはマルキーニョスとラビオで、二列目は右からエムバペ、ネイマール、ディ・マリアorドラクスラー、そして1トップにカバーニだね。


不安なのが左SBで、本来レギュラーのクルザワは怪我で復帰はしばらく先。だから左SBには今はユース出身のエヌソキって選手がやってるんだけど、リバプール相手にはさすがに使わないと思う。とは言っても、結局のところ左SBに入るのはどちらも新加入のベルナトかケーラーだから、未知数なのは否めない。

ありがとう。ということはつまりパルク・デ・プランスでのリターンマッチではヴェッラッティが復帰していて、4-3-3のミラーゲームになる可能性もあるわけだ。こっちも教えて。

OK。GKとDFラインは変わらないとして、アンカーはマルキーニョスか、怪我が治ればラッサナ・ディアッラ。インサイドハーフはラビオとヴェッラッティ。3トップは右からエムバペ、カバーニ、ネイマールだ。


構築されていればだけど、攻撃や守備のメカニズムを教えてほしい。まずは攻撃から。

監督が代わったばかりだし、システムやメンバーがまだ固定されてないからメカニズムというほどのものはまだ出来上がってないんだ。でも攻撃の形としては、ヴェッラッティがいない前提で話すけど、ビルドアップは基本的にラビオとネイマール。崩しの局面に入ったらそこに二列目とSBが絡んできて、フィニッシュはMCNが決めるって感じかな。

守備の方は?

基本的にCBはキンペンベが当たって、チアゴ・シウヴァがカバーに入る。カウンターを喰らったときは鉄則だけどまずは中央を固めて、攻撃好きなSBの帰陣を待つって感じかな。

なるほどね。じゃあ、PSGはどうしてもゴールが欲しいという状況で、どういうカードを切る?

トゥヘルになってから5戦5勝、苦しんだゲームもあったけど、結局はエムバペが裏抜けのスピードで違いを作ってそのまま決めてしまう。だからゴールが欲しい場面でトゥヘルがどういうカードを切るか、というのもまだわからないんだ。ただ見ていて感じたのは、そういうシチュエーションになったとき一番ゴールが期待できるエムバペが生きるよう、スペースを作るためにあえて引いているように見える。

画像出典:stadiumastro.com

カードを切って流れを変えるというよりかは、よりエムバペが生きる形にシフトするというわけか。では1点差を守り切るために、守備固めしたい、ゲームのテンションを下げたい、というときはどういうカードを切る?

現状のPSGは守備的な選手がほとんど頭から出ているから、守備固め要員がいないんだ。だから展開を落ち着かせるために投入するのはMFが本職のヌクンクで、基本的に前線3枚の誰かと変える。もちろん純粋な守備力も当然だけど上がるよ。

以前と比べてSBのプレーエリアがDFらしくなっている、と言っていた。ともすればカウンターに対する耐性は相対的に上がっている?

そうだね。

加えてパリの攻撃陣は守備をサボりがちと思いきや、その実かなり守備に対して献身的だ。SBの裏のスペースのカバーをネイマールがやっている、なんてシーンもめずらしくない。それは今季も変わっていない?

ネイマールやエムバペは世間が言うほど守備をしていないわけじゃないし、なんなら彼ら以上に守備に走るアタッカーなんていないんじゃないか?世間はイメージで守備をしないって言っているんだろう。あ、カバーニは言わずもがな守備に攻撃にと走り倒すよ(笑)。

PSGはCBが小柄な部類に入るから、高さ勝負やロングボールで殴られ続けると分が悪い。だから対戦相手からすれば空中戦で優位性を得るチャンスなんだけど、残念ながらリバプールは空爆を得意としていない(笑)。

そこはPSGとしてはラッキーな点。空中戦で怖いのはファン・ダイクと、出ればの話だけどロヴレンぐらいかな。まぁ、そうはいってもプレミアのチームだし、他とやるとき以上に警戒心を高めて空中戦に臨まなきゃいけないけどね。

その代わりと言ってはなんだけど、PSGのCBは抜群のスピードがあるね。

画像出典:SkySports

そうなんだよね。だから、他のチームよりはリバプールの3トップに対して苦戦しないで済むと思う。ただ、それでも脅威であることには違いないから、いつもより重心を低くする必要がある。大切なのは、リバプールに「乗らない」こと。撃ち合いとか、カウンター合戦はダメ。面白い試合をしようと思ったらやられる。PSGとしては、いかにつまらない試合展開に持ち込むかが重要だね。
3.PSGからみるリバプールの強み弱み「サラー、マネ以上にフィルミーノへの対応に困る」

リバプールの弱点はどこだと見ている?

今夏の補強の成果か、昨季と比べて明確な弱点はなさそう。強いて挙げれば、まだ中盤が完全にはまりきっていないことと、リバプールの最終ラインに対してPSGのアタッカー陣が個の力で優位に立てることかな。

リバプールの3トップに対して優位に立てる最終ラインなんてなさそうだけど、それはPSGにも言えることだしね(笑)。PSGの弱点も教えて。

誰を使うか分からない左SBが今PSG一番の泣き所。それと、マルキーニョスとラビオのボランチのコンビもちょっと…。実はここの相性ってあんまり良くないんだ。アンフィールドではこのセットが確実だからここも怖い。

左SBに入る可能性があるティロ・ケーラーだけど、実はシャルケでトップデビューしたての頃、「あれは化けるぞ」って話していたんだよね。今夏パリへとやって来たけど、やっぱり期待値は高い?

もちろん!ケーラーはCBと両SB、DMFと、守備的なポジションならどこでもこなせる。どこで大成するかはまだわからないけど、ポテンシャルの高さは最強クラスだと思っている。

画像出典:instagrammernews.com

ジャンルイジ・ブッフォン(ユヴェントスから)、ファン・ベルナト(バイエルンから)、マキシム・チュポ=モティング(ストークから)と他に3人獲っているけど、今夏のPSGのベスト・サインと言っていいかな?

間違いないね!

PSG視点からリバプールの3トップの中で誰が一番怖い?というのも聞いておこう。

さっきも言ったけどPSGはスピードのあるアタッカーに強いから、サラーやマネ以上にフィルミーノへの対応に困ると思う。互いに駆け引きが巧く、賢いチアゴ・シウヴァとのブラジル人対決は個人的にこの試合の見所の一つだと思う。

画像出典:Football365

ブラジル代表同士、特徴も理解し合っているだろうしね。では、リバプールとの試合でキーになりそうなPSGの選手は誰?

攻撃面では間違いなくネイマール。守備面では、サラーと対面する左SBに入った選手の出来。ここが試合結果を左右することになると思う。

画像出典:LFC公式Twitter
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何よりもサッカーが好きな別チームファンと客観的な話ができるのが、羨ましく思いました。
レッズファンだけど、セリエもリーグアンもリーガ、ブンデス、その他各国リーグのサッカーがワクワクできることがサッカーファンの一番の希望です。