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細やかなボールタッチとアジリティの高さから繰り出される魔法のようなパスとドリブル。彼にボールが入ると一瞬試合が止まり、次のワンタッチで試合の展開そのものを変えてしまう。良い時のフィリペ・コウチーニョはこれでも決して言い過ぎではない程にピッチ全体を操る。世界的に見てもこのブラジル人ほど10番が似合う選手も少ないのではないだろうか。筆者はそんなコウチーニョにもはや完全に惚れ込んでいる。
更に、クロップ就任後のコウチーニョがゾーンに入ると子気味良いタッチに時折力強さを加え、密集地帯をワンフェイントで突破する。ルイス・スアレスすらも彷彿とその姿からは思わず「ワールドクラス」という捻りのない単語を頭に浮かべてしまう程だ。
そんな彼のプレースタイルの基盤の一つとなっているのが、幼少期からアカデミーに上がるまでプレーしていたフットサルであることは間違いない。フットサルにおいてドリブラーとして機能するためには、狭いコートの中で常に作られる密集をボディコンタクトなしてで切り裂いていくことが前提となるが、コウチーニョは対戦相手との駆け引きを楽しむかのようにボールを自在に操り、容易くそれをやってのけていたことが以下の動画からもよくわかる。
フットサルが生んだ、コウチーニョのプレースタイルと底知れないポテンシャル。3人兄弟の末っ子ブラジル人は今やイングランドの名門リバプールの核としてチームのプロジェクトを率いている。選手として脂が乗り切る時期までにまだ時間があることを考えると、筆者はコウチーニョの未来が楽しみで仕方がないのである。
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