ハリー・ウィルソン ウォッチ~9月編~

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11歳の頃、画面越しのアンフィールドに惹かれてファンになりました。
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充実の8月、総なめしたチーム内個人賞

 ハリー・ウィルソンにとってプレミア初挑戦であった8月が上々の出来であったという認識は、リバプールファンという贔屓目によるものではなかったようだ。随分と昔の出来事にも感じられるが改めて振り返ると、クラブ内のPlayer of the Month及びGoal of the Month(シティ戦のFK)の受賞、さらにはプレミアリーグの月間ゴール候補にまでノミネートされた。

https://twitter.com/afcbournemouth/status/1169641527745896448?s=20
https://twitter.com/afcbournemouth/status/1172581059164327942?s=20

スタメン定着

 今回レポートするのは8月末に開催されたレスター戦と、9月10月のインターナショナルウィークに挟まれたプレミア4試合の計5試合。これまでボーンマスは4バックと3バックを併用してきたが、レスター戦以降はメンバー・布陣ともに大きな変更なく臨んだ9月のボーンマス(下記画像参照)。ウィルソンは全試合に右SHでスタメン出場し1ゴールを記録。シーズン通算の得点を3に伸ばした。しかし、スターターのポジションこそ確保したものの、後半の比較的早い時間帯でベンチに退くことも多く、プレーの随所に課題も散見される。それでは第4節から8節までの試合結果を確認していこう。

第4節 v Leicester 1:3 (@King Power Stadium)

ウィルソン:スタメン、64分交代

BOU: 15' C. Wilson
LEI: 12' 73' Vardy 41' Tielemans

第5節 v Everton 3:1 (@Vitality Stadium)

ウィルソン:スタメン、57分交代

BOU: 23' 72' C.Wilson 67' Fraser
EVE: 33' Calvert-Lewin

第6節 v Southampton 3:1 (@ St Mary’s Stadium)

ウィルソン:スタメン、63分交代、1ゴール

BOU: 10' Aké 35' H. Wilson 90+5' C. Wilson
SOU: 53' Ward-Prowse (pen.)
https://www.youtube.com/watch?v=6quZHaNSXLo
40秒付近~

第7節 v West Ham 2:2 (@Vitality Stadium)

ウィルソン:スタメン、78分交代

BOU: 17' King 46' C. Wilson
WHU: 10' Yarmolenko 74' Cresswell

第8節 v Arsenal 0:1 (@Emirates Stadiums)

ウィルソン:スタメン、79分交代

BOU: 
ARS: 9' David Luiz
ボーンマス公式Twitterより

課題の残るボール循環、パフォーマンス

 8節終了時点で10位につけ、エディ・ハウ監督も9月を無敗で過ごしManager of Month候補に選出(選出は勿論クロップ)。チームとしてはまずまずのシーズンを過していると言えよう。イングランド代表にも選出されるカラム・ウィルソンの活躍もあり、無得点に終わったアーセナル戦までは全試合で得点を記録。セットプレーやカウンターといった身体的な強さや鋭さを活かした形でコンスタントに得点を挙げることに成功している。一方で今季全試合で失点も喫しており、前回記事でも指摘したネガティブトランジションの甘さや、セットした守備での連動にも課題が残る。第4節レスター戦はその傾向が如実に表れたゲームであった。

 ウィルソン個人に目を向けると、先述のようにレギュラーポジションには定着したがフル出場はなし。ゲームのなかで効果的なプレーを常時みせられているとは言い難く、チームに与える影響力は逆サイドのジョシュア・キングと比較すると明白だ。個人の能力としてハーフスペースやライン間、ディフェンスラインの裏といったスペースを見つける、生み出すことがより求められることは言うまでもない。リバプールで過ごしてプレシーズンでも暫しブレーキとなるような失い方があったことは否めない。
 しかし、フットボールにおいて周囲の選手の能力や特徴によりパフォーマンスが大きく変化することは無視できない。とりわけボーンマスは新ルールを活用したゴールキックによるリスタートも試みており、ディフェンスラインの顔ぶれがボールの循環ルートに直結している。守備陣のなかで保持の起点となるのは言うまでもなくアケ、そしてセットプレーのキッカーも務めるリコ。つまりウィルソンとは逆の左サイドが中心となる。キャプテンのスティーブ・クックはゴール前の局面では頼りになるがモダンなCBとは言い難く、ステイシーも昨季は3部相当のクラブに所属していた”個人昇格”組であり、両者に効果的な配給を求めるのは現状困難に映る。左サイドではアケが最終ラインで相棒よりもやや幅をとることでリコを高い位置まで押し出し、それに連動してキングが内側や裏にアクションを起こすことでボールを前進させることができる。一方で右サイドは全体的に低い位置で停滞し、ウィルソンもボールホルダーに対して垂直にボールを要求するシーンが目立ちノッキングを起こしている状態が目立つ。

ボール循環のイメージ

 下記の表はリーグ戦過去4試合のCBからSH、SBからSHへのパス数をStats Zoneのデータを基に集計し、左右で比較したものだ。ディフェンスラインからボールを受ける回数はウィルソンの31回に対してキングは55回と大きな差があり、ゲームを観た印象とも一致する。それと呼応するようにWhoScoredによるデータでも左サイド42%、右サイド34%と攻撃に偏重がみられる。右サイドの潤滑油としても機能することができれば 自身がクリーンにボールを受ける場面を増やすことができるだろう。先述のようにゴールキックから繋ぐ意思があるにも関わらずボールポゼッション率が17位、パス成功率は19位ともに低水準に沈むチームにおいて、ウィルソンが抱える課題の克服が全体に寄与するものは大きいように思われる。自慢のミドルレンジでの一撃を披露するためにもさらなる成長が待たれる。

9月、10月のウェールズ代表の全4試合にも出場
ウェールズ代表公式Twitterより)

2 件のコメント

    • データは出場時間は考慮しないトータルの回数になっていますが、単純計算で出場時間を加味した回数でもキングへのパス数の方が多くなります。また、記事でも言及した質的な部分がパス数の量的な面、出場時間に影響していると考えております。

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