ヘンリー
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お久しぶりです。ヘンリーです。
今回の記事では、リバプールの財政面から業務執行を統括する、最高執行責任者(COO)を務めるアンディ・ヒューズを紹介したいと思います。
記事の流れとしては、最初に資料が少ないため浅くなってしまいましたがヒューズの略歴を紹介し、次の章からはswissramble.blogspot.jpにおけるリバプールの財政状況に関するブログ記事を参考にしながら、ヒューズのコメント共にリバプールの財政面について紹介していきます。
今回も引用が多めになってしまいましたが、最後までお読みいただけると幸いです。
では、始めます。
1ヒューズの略歴
(リバプールCOO アンディ・ヒューズ)
www.insidermedia.comによると、現リバプールのCOO、アンディ・ヒューズは2016年にデビッド・ギンスバーグから財政面の役職を引き継いでいるそうです。
同じ記事によれば、このギンスバーグという人物は、2002年から2010年までFSG財務委員会を率い、ビジネス、財務、投資銀行等の事柄について、オーナーのヘンリー、トム・ワーナーらに助言と支援を行なっています。2010年にFSGがリバプールを買収した後、2016年までクラブ財務の監視責任を主に担当しました。
アンディ・ヒューズは、ヒルトンホテルとCendant Corporationでシニアポジションを歴任し、最近ではGuomanとThistle Hotelsの最高財務責任者を担っています。
2013年6月にリバプールは世界的な財務業務を統括する最高財務責任者(CFO)にヒューズを任命し、2016年に前述したギンスバーグの役職を引き継ぐ形でリバプールの最高執行責任者(COO)に就任しています。
2 リバプールの財政状態を読み解く
今回の記事では、swissramble.blogspot.jpで考察されていた、リバプールの財政状態に関するブログ記事を基に、ヒューズのコメントを引用しながらリバプールの財政政策について紹介したいと思います。このブログ記事では、2015年までのリバプールの財政状況を挙げているため、データとしては2015年までのデータとさせて頂きます。
この章では、FSGがリバプールを買収した、2011-15年までの財政状況と資金の流れをswissramble.blogspot.jpの記事とデータを引用しながら紹介していきたいと思います。
・2014-15 リバプール損益計算書 (PL)
・Turnover = 収入 ・Expenses = 支出
上に挙げた表が、swissramble.blogspot.jpに載せられている、リバプールの2014と15シーズンの損益計算書です。この表によると、2014年から2015年にかけて総収入が16.5%増加しています。
・2011-15シーズンのリバプールのキャッシュフロー
上に挙げた表が、FSGがリバプールを買収した、2011年-2015年までのキャッシュフロー表です。出典元では以下のように「FSGの下での2015年の資金の流れ」についてまとめています。
「リバプールの営業活動から生み出される資金は、プレーヤーの償却や減価償却のような現金以外の費用を取り戻した上で、2015年には6500万ポンドに達し、増加している。 それにもかかわらず、彼らは引き続きプレイヤー(純額9600万ポンド)に対して5900万ポンド、スタジアム開発で4000万ポンド、銀行ローン返済で900万ポンドを費やしたため、FSGから現金支出をカバーするために4900万ポンドの資金を借り入れた。その結果300万ポンドの利払いが発生した。」
前オーナーのヒックスとジレットの下のリバプールでは、銀行からの借り入れによって選手獲得や新スタジアム計画を進めていましたが、結局それによって利子が増え、前オーナーの晩年には借金の借り入れによる自転車操業のような状態になっていました。
FSGでのリバプールでも同様に銀行からの借り入れを行っていますが、最大の変化は「親会社のFSGからの無利子での借り入れ」という手段を使うことができるという点にあります。
この2011年-2015年までの資金の流れをswissramble.blogspot.jpでは以下のようにまとめています。
「FSGがリバプールを買収してから5年間で、クラブは利用可能な現金を3億2000万ポンド持っていた。 これの半分以下(1億4600万ポンド)は営業活動から生じたものであり、1億1400万ポンドは貸付金の形で所有者から提供され、銀行施設からはさらに4600万ポンドが提供された。」
ここまでの内容をまとめると、現在のリバプールは主に「クラブの営業活動から出た利益」「銀行からの借り入れ」「FSGからの借り入れ」の3つの資金調達源を基にクラブ運営を行なっています。
同じ出典元によると、これらの資金の使い道として選手獲得がこの資金調達のほぼ3分の2にあたる2億1100万ポンドを投じて行なわれ、5500万ポンドはインフラへの投資。3800万ポンドは新スタジアム計画のローンの返済。1600万ポンドが外部銀行ローンに対する利払いとしています。
・リバプールの総負債額の変遷
上に挙げたのは、swissramble.blogspot.jpで取り上げられたリバプールの総負債額の変遷表となります。
出典元によると、2015年における総借入金は、スタジアムの拡張作業に資金を提供するために行なわれたもので5000万ポンドの銀行借入れおよび所有者からの4900万ポンドを含めた、9900万ポンドであるとしています。
この表で注目したいのが、ヒックスとジレットが設立した持ち株会社である、Kop Football Holdings の負債についてです。緑のグラフがクラブ自身の負債となりますが、赤いグラフの持ち株会社の負債が上に乗っかっている形となっているのが見て取れます。
ここの部分に関して、swissramble.blogspot.jpでは以下のように分析しています。
「クラブの負債ポジションは、以前の所有者の下で報告された衝撃的なレベルから改善されていることも価値がある。クラブ本体には1億2300万ポンドの純負債があったが、それに加えて借入金がほぼ4億ポンドに増加した持株会社が存在していた。幸運なことに、この債務は現オーナーへの所有権の変更に伴い大幅に解消された。」
ここまでの内容をまとめると、FSGによる買収以降、クラブの負債はある程度緩和されていることが見て取れます。先ほども述べたように、リバプールは「クラブの営業活動から出た利益」「銀行からの借り入れ」「FSGからの借り入れ」の3つの資金源からクラブ運営を行なっていると書きましたが、次章からはヒューズのコメントとswissramble.blogspot.jpのデータを基に、「クラブの営業活動から出た利益」をどのように増やそうとしているのかを見ていきたいと思います。
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