ヘンリー
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お久しぶりです、ヘンリーです。今回の記事では、リバプールのスカウト体制を支えるデイブ・フォールズとバリー・ハンターの紹介を入り口に、二人が過去に所属していたマンチェスターシティのスカウト革新と現在のリバプールの共通点、リバプールのスカウト陣の紹介といった流れで記事を進めていこうと思います。
スカウト陣の情報はあまり表に出てこないので、一部ファンフォーラムを参考にしたため信憑性に難がある箇所もありますが、ご了承頂ければと思います。では、始めます。
1.デイブ・フォールズとバリー・ハンターの紹介
①デイブ・フォールズ
thisisanfield.comの記事によると、フォールズは、2012年9月にマンチェスターシティからリバプールに入団しています。シティでは、スカウト部門の実質的なNo2としてスカウト選手のデータベースの作成、各国から送られてくるスカウティングレポートのフィルタリングや、スカウトの各国への割り当てなど、スカウト部門を統括する役割を果たしていたそうです。
リバプールでも同様に、スカウト部門の責任者としてバリー・ハンターと連携しながら、世界各国に散らばるスカウトネットワークの統括を行っています。各国に送り込んでいるスカウトからの情報を集めながら、クロップやエドワーズへターゲットとなる選手のレポートを提供しています。
②バリー・ハンター
thisisanfield.comの別の記事によると、ハンターはシティからデイブ・フォールズと一緒のタイミングで移っています。 ハンターは2006年にブラックバーンでスカウトとして抜擢された後、2008年のノリッジを経て、シティへと入団しています。シティでハンターは、イタリア、スイス、ロシアの地域を担当するスカウトとして活躍していました。
リバプールでは、少し役割が出世する形となり、各国スカウトからのレポートに基づいた選手分析の取りまとめや、実際にターゲットとなる選手の視察などを行っています。実際に、thisisfutbol.comではジョー・ゴメス獲得の中心的な役割を担ったのが彼であると紹介されており、近年噂になったフェキルの視察にも訪れるなど、現場にも足を運んでいるようです。
2.フォールズとハンター在籍時のマンチェスターシティのスカウト体制
最初にフォールズとハンターはマンチェスターシティからやってきたことを紹介いたしましたが、businessinsider.comにてシティのスカウト体制に関する記事があり、そこにフォールズとハンターが登場していたため、引用しながら紹介しようと思います。
当時のシティの選手スカウトから獲得までの流れは以下のような7段階のプロセスに分かれていたそうです。
- プレーヤー獲得部門を統合する
- 選手に関するデータベースを構築する
- 監督に一定の補強に関する権利を与える
- 選手のリストを合理化してターゲットを特定する
- 移籍手続きを完了する
- メディカルチェック
- 選手へのアフターケア
この記事によれば、当時のシティにおけるスカウト部門トップのマイク・リグの下でこのような選手獲得の流れになったようですが、①のプレーヤー獲得部門の統合と②の選手に関するデータベースの構築にフォールズとハンターは深く関わっていたようです。
記事内では以下の様にマイク・リグのコメントと共に紹介されています。
マイク・リグは、良いサッカー選手のプロフィールを作成し、最高の才能を特定できるチームの構築を構築し、スカウト部門を「プロフェッショナル化」しました。その組織スキルはシティに利益をもたらしています。
「私は、ブラックバーンで計画した時と同様の部署を築こうとしましたが、マンチェスターシティでは、それをおこなうための資源があったことが素晴らしいことであり、バリー・ハンターとゲイリー・ワシントン、デイブ・フォールズと共にそういった部門を築き上げました」
また、この記事では当時の選手獲得を行なう際の判断材料をおおまかにまとめています。
- 選手のピッチ内での能力
- 移籍金のおおよその額
- 選手が契約にサインする意志があるか。
- 選手の性格
マイク・リグによれば、この選手の性格という点は「選手の人格それ自体を指すものではなく、きまりを守れるかどうかや、平穏を好むこと、そしてアスリートとしての考え方」等の要素を加味していたそうです。
記事においては当時獲得したヤヤ・トゥーレの例を用いながら、スカウトにおける判断材料を紹介しています。その中で彼は以下のようなコメントを残しています。
「私は常に選手がボールを持っていない時の態度や、ボールを失った時の姿勢、ポジティブ・トランジョン、ネガティブ・トランジション中のプレイスタイルに注目していました。」
「我々は選手獲得におけるこれらの特性が何であるかを測定し、記録しなければなりません。そのために選手それぞれのプロファイルを構築しています。例えば、結婚はしているのか、子供達の有無、どのような国や都市に住むのが好みなのかといった要素も含んでいます。」
この選手それぞれのプロファイルは、移籍交渉が終わった後も活用されており、先ほど紹介したスカウトプロセスの⑦「生活面でのアフターケア」にも活かされているようです。
少し長めですが、再度リグのコメントを紹介いたします。
「選手がサインすると、我々はデータベースに戻り、家族の状況を知ることができます。例えば選手に子供がいて、保育園に通っている場合や、選手の妻が英語を話さないため英語レッスンが必要な場合があります。」と彼は言った。
「クラブは100%、選手の子供が通う学校や、生活環境、そして全面的な選手と家族のケアとサポートを行います。」
「これらのことに気を配らなければ、選手にとってストレスが発生する可能性があることは当たり前に聞こえますが、忘れてはいけません。子供達が新しい外国の環境に行かなければならないように、選手の家族全員が国を移動する可能性があるのです。」
「これらのことが大事にされると、プレーヤーはより幸せで、サッカーに集中することが出来るのです。」
少し記事の内容をかい摘んで紹介致しましたが、マイク・リグの下、シティは選手のプライベートを含めた多彩な要素を基に、スカウト体制を構築し、ファローズとハンターはそれを基に動いていたことが伺えると思います。
現在、フォールズとハンターがどのような判断基準で選手を特定しているのかは明らかではありませんが、シティでの判断基準と似たような要素を基に動いていると思われます。
この次の章ではリバプールのスカウト体制を紹介しながら、記事を進めていきます。
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