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基本プロフィール
- 選手名:ダニエル・スターリッジ
- 生年月日:1989年9月1日
- 国籍:イングランド
- 身長:188㎝
- ポジション:CF
- 背番号:15
- チームキャリア:マンチェスター・シティ(06/07~)、チェルシー(08/09~)、ボルトン(ローン:10/11)、リバプール(12/13~)、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(ローン:17/18)
- 市場価格:15,00 Mill. €
- 契約終了年:2019年6月30日
プレースタイル
ストライカーとして卓越した能力を持った選手。傑出したテクニックとスピードを持ち、怪我への耐性の無さと稼働率の低さに目を瞑って能力的な面だけを見れば、世界でも指折りの実力者と評していい。
ストロングポイント
圧巻のゴールセンスを誇り、フィニッシュのパターンやアイディアが豊富。度肝を抜くようなゴールを決めることもこの人に限ってはめずらしいことではない。
ゼロトップを務めるロベルト・フィルミーノは9番と10番のミックスで、モハメド・サラーやサディオ・マネも超一流のスコアラーだが、本質的にはウイングだ。それを踏まえれば、やはりリバプールの中で最も“らしい”ストライカーはこの人だろう。
ストライカーである以上は決めて欲しい場面で決めきれないことがあるのも事実だが、あらゆるシチュエーションでもゴールを生み出せるのもまた事実。誰も予想していないタイミングでのシュートは高確率でネットを揺らす。
細身だが均整の取れた体格で、身体のコーディネーションは極めて高いレベルにある。188cmというCFとしては十分なサイズを有していながら、この体格では例外的な瞬発力の持ち主でもある。
純粋なスピードだけでなく、急停止を掛けるのが抜群に上手い。連続した切り替えしで翻弄し、無理やりスペースを生み出してフィニッシュに持ち込むことができる。両足に桁外れのパワーが秘められており、それがベースとなって鋭いシュートを放つことを可能にしている。
そんなスターリッジだが、彼の全盛期の得意なプレーは前述の通りその爆発的なスピードとアジリティを存分に発揮し、対峙するDFをぶっちぎってそのままゴールを強襲するというものだった。
しかし、度重なる怪我でトップフォームを失って以降は、爆発的なスピードによってファイナルサードで違いを生み出すようなプレーは鳴りを潜めており、プレーエリアはボックス近辺に限定されるようになった。
端的に言えば、プレースタイルは全盛期のそれとは大きく変わっているのだ。常にボールと関わろうとするムービングなスタイルから、供給されるボールを確実にフィニッシュに持ち込むことに全精力を注ぐような、典型的ともいえるストライカーになっている。
ただ、これは本人の意思ではなく、不本意ながら自身の身体を考えたうえでの合理的な判断によるスタイルの変化だと思われる。そのため、積極的にボールに関わろうとする意識そのものは変わっていない。
スターリッジは非常に聡明な選手であり、ストライカーのエゴイズムを時折感じさせながらも(ストライカーにとって、最低限のエゴは必要なものだ)利他的なメンタリティを持ち合わせた選手でもある。
持ち前の大胆不敵なプレーや、駆け引きの巧さ、秀逸なセンシビリティを武器に、スリリング・スリーの強力なバックアッパーとして活躍してもらいたい。
ウィークポイント
スターリッジを語る上で切っても切り離せないのが繰り返される怪我だ。ピッチの上で相手と戦っている時間よりも、明らかにリハビリで自分自身と闘っている時間の方が長い。
今さらここでスターリッジの怪我の多さを憂いだところでなにも変わらないが、前述のプレースタイルの変化によるネガティブなポイントは残念ながら多いと言わざるをえないだろう。
誤解を恐れずに言えば、モダン・フットボールにおいて、アタッカーが独力で生み出せる最大の決定的な違いは「純粋なスピード」だと筆者は考えている。
リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを始めとして、現在世界の頂点を争うようなアタッカーはそのほとんどが圧倒的なスピードを持ち合わせている。次代のバロンドーラーと謳われるキリアン・エムバペも信じられないようなスピードがあればこその活躍だろう。
それはリバプールとて例外ではない。スピードがなければゴールを生み出せないとまでは言わないが、多くの試合で得点を決めるために、まだ誰も知らないスピードは絶対に欠かせないファクターと断言していい。
そして、現在のスターリッジは全盛期と比べてスピードによって違いを生み出せなくなっている。それはつまり、彼が最も輝いた13-14季のようにゴールを量産するだけの力がないことを意味している。
優れた得点感覚は錆ついていなくとも、フィジカル的な衰えは隠すことができていない。元々スターリッジは圧倒的なスピードと引き換えに、持久力が優れている選手ではなかった。
そもそもスピードと持久力は両立が難しい資質であり、その両方を持ち合わせた選手はとても稀有なのだ。
しかし、リバプールは幸運なことにそのどちらも兼ね備えたアタッカーがいる。サラーもマネも連続してスプリントを繰り返せるし、それをフルタイムで続けられるだけの身体的強度がある。スターリッジは、持久力があまり優れていなかった上に、武器であったスピードも失いつつある。
あまりに早すぎるフィジカル能力の衰退は怪我によるものが大きいだろうし、それはまさしく痛恨の極みと言えるのだが、今のスターリッジに全盛期のような活躍を期待できないということをKOPは理解しておくべきかもしれない。
契約は来夏で満了を迎えるが、契約延長の話は今のところ出ていない。ここはひとつストロングポイントで述べた、リバプールの他のアタッカー陣が持っていないスターリッジならではの武器で限られたチャンスで数字を残し、是非とも契約延長を勝ち取ってもらいたいところだ。
エピソード・小ネタ
・出身はバーミンガム。ルーツはジャマイカ。ちなみにジャマイカの公用語は英語であり、それもあってかジャマイカをルーツに持つ選手はイングランドではけっこう多い。有名どころではラヒーム・スターリングやショーン・ライト=フィリップスなどがおり、やはりスピードが武器。さすがは世界最速の男ウサイン・ボルトを生み出した国と言うべきか。
・「スターリッジ」と「スタリッジ」どちらで呼ぶか、リバプールに加入して5年以上が経つが未だに日本のKOPの間では定まっていない。ちなみにグーグルで検索してみると、「スタリッジ」の検索結果が約5万弱なのに対し、「スターリッジ」は350万件近いヒットがある。
・チェルシーがリバプールに移籍した直後、「リバプールは僕が所属した中で最も偉大なクラブ」と発言して話題になった。古巣のシティやチェルシーのサポーターからは顰蹙を買ったが、リバプールのサポーターからしてみればなにもおかしくない発言だと感じる。
・リバプール史上最長のプレミア8試合連続ゴール記録を保持している。
・腕をくねくねさせるお決まりのダンスは結局なんなのか未だに謎である。ちなみにジェイミー・キャラガーやアルベルト・モレノが真似したものの、非常にぎこちない。
・イングランド代表時代、アレックス・オックスレイド=チェンバレンの「一番ダサいチームメイト」に選ばれている。とは言っても、これはチェンボなりのジョークであり、実際にはスターリッジのことを褒めている。曰く「彼が着ればオシャレなんだろうけど、僕が同じものを着たらお爺ちゃんになっちゃうね」。これも彼の才能の現れなのだろうか。
・フランス代表でアトレティコ・マドリーのアントワーヌ・グリーズマンはどうやらスターリッジがお気に入り(ちなみにフィルミーノも?)の選手らしい。2015年の夏にアウディ・カップでリバプールと対戦後、スターリッジとユニフォームを交換し、2ショット写真まで撮っている。それに対してご立腹だったのがマンチェスター・ユナイテッドのファンで、というのもその直前にグリーズマンのユナイテッド移籍が確定とされながら白紙に戻っていたからである。
*このページは _siguredokiさんから引き継いでいます。
参考サイト
transfermarkt:世界のサッカー選手の移籍情報を中心としたデータベースサイトです。
WhoScored:欧州サッカーのスタッツや最新ニュースが掲載されているサイトです。
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