カーティス・ジョーンズのプレースタイル/プロフィール解説|リバプール選手名鑑

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基本プロフィール

画像出典:カーティス・ジョーンズ公式Twitter

  •  選手名:カーティス・ジョーンズ
  •  生年月日:2001年1月30日
  •  国籍:イングランド
  •  身長:185cm
  •  ポジション:CMF, AMF, LWG
  •  背番号:17
  •  クラブキャリア:リバプール(ENG/19-20~)
  •  市場価格:€ 28.00Mill.
  •  契約終了年:2025年6月30日

 プレースタイル

19/20シーズンのプレミアリーグ2において、最優秀選手に輝いたスカウサー。リバプールのアカデミーの中だけでなく、国全体で見ても並外れた才能を持つ選手だ。これからのリバプールを背負っていく選手になるだろう。

ストロングポイント

画像出典:カーティス・ジョーンズ公式Twitter

テクニック・フィジカル共にハイレベル。技術的な観点を見ると、ドリブル・パス・シュートと、どれをとっても高いレベルにある。

特に抜群のキープ力を誇るドリブルは大きな武器で、優れたセンシビリティと目を瞠るような技で相手を翻弄する。ターンの切れ味も鋭く、違いを生み出すだけのクオリティは十分。

テクニックだけでなく、その自慢のキープ力を支えるために一役買っているのが恵まれた体格で、185㎝というサイズはMFとしては水準以上。長い手足で相手をブロックすることができ、技術の高さも相まって彼からボールを奪うことをより困難にさせている。

ただ、絶対的なパワーという点では身体の線がまだ細いため、やや心許ない。同世代のMFと比べればすでに優れたパワーを備えているが、プレミアの舞台で自由を手にするまでとはいかないだろう。とはいえ、まだ19歳という年齢を考えればアスリートとしての身体が完成しきっていないのはこの歳では仕方のないこと。

例えばトレント・アレクサンダー=アーノルドもジム・セッションをこなしていくうちに身体に厚みをつけ、プレミアの舞台で十分に通用するだけのパワーを手に入れていった。ポジション的に爆発的なパワーが求められることはあまりないが、より強靭な身体を手に入れることができれば中盤におけるカーティスの支配力はより高まるだろう。

ワイドでの起用も可能で、その際はカットインからシュートの狙える左サイドで起用されることがほとんど。そのため、組み立てに積極的に関与してリズムを作り、ゲームメイクを担う司令塔タイプというよりかは、よりアタッカー色の強いタイプといえる。

実際に、ファイナルサードで違いを生み出す方法は、自慢の技術を生かしたドリブル突破が多い。ただパスの精度自体は高いものがあり、よりラストパスによってゴールを生み出す感覚を磨けば、高性能のアシスト・マシーンになるポテンシャルはある。

トップチームでも物怖じしないパーソナリティも魅力。負けん気が強く、難易度の高いプレーにも積極的にチャレンジする姿からは、自身がピッチ上の主役になろうとする強い意志を感じさせる。若手主体の試合だけでなく、ワールドクラスの選手に交じってプレーしても臆した様子がないところも◎。

彼の性格に関する危うさは後述するとして、彼を彼たらしめ、持って生まれた才能をここまで発揮させる最大の特徴は、このパーソナリティの強さにあるのだろう。

ウィークポイント

画像出典:カーティス・ジョーンズ公式Twitter

カーティスの持つポテンシャルに疑いの余地はなく、そのクオリティの高さは別格。ただ、それ故にピッチ上で独善的な振る舞いを見せることも少なくない。前述の通り、パーソナリティの強さは彼の魅力だが、裏を返せば自己主張をし過ぎて悪目立ちをする可能性もある。

そして、そういった側面がプレー選択に悪影響を及ぼしているシーンはめずらしくない。チームとして最善のプレーを選択するというよりかは、自分がしたいプレーに走りがち。上手くいけば意外性や創造性があると褒められるが、まだプレーの頻度・精度がその域に達しているかと問われれば微妙なところ。

また、これに関しては生まれ持った資質に左右されてしまうので致し方ないのだが、アジリティこそ(その体格を考慮すれば)及第点といえるものの、純粋なスピードの不足感は否めない。ファイナルサードにおいて絶対的な違いを生み出すほどのスピードはなく、トップチームでは特に爆発的な脚力が求められるため、ワイドでの起用はほぼない。

おそらく、彼自身が最もしたいプレーは、独力で運んでゴールまで奪い切るような自己完結したものだと思うのだが、致命的なスピード不足がそれを阻んでいる。もし彼にスプリンターとしての才能まであれば、期待の若手どころか、すでにトップチームでも主力級の活躍を見せていたかもしれない。

スピードが足りなくても、ボールを持っていないときの動きやスペースを突く感覚に天賦の才があればスコアラーとして開眼する可能性もあったかもしれないが、ここも彼の強みではない。少なくとも、クロップ指揮下のリバプールにおいては、自身でゴールを奪うアタッカーよりも、ゴールを生み出すMFとしての地位を築いた方が良さそうに見える。

恵まれた体格と優れたボールスキルという彼の資質的に、運ぶドリブルとラストパスによってゴールを演出する司令塔/チャンスメイカーとしての役割の方が合っているように思うが、こればかりは本人の意思と周囲次第。

無論これらの役割を担うのであれば、プレーを読む力や視野の広さといった戦術眼を養う必要があるものの、それは今からでも磨ける部分。持って生まれた資質に左右されてしまう純粋なスピードよりかは改善が可能で、本人の努力によって成長が期待できる。

とはいえ、やはり現時点でいまいち役割やポジションを限定できていないという点はマイナス要素だろう。今は若いためあまり問題になってはおらず、無論そうすぐに決めるものでもないのだが、選手としての方向性が定まっていないというのは(成長曲線次第で)彼が周囲に埋もれていく要因になりかねない。

攻守の切り替えも大いに改善の余地を残す。リバプール最大の特徴ともいえるトランジションが彼の特性とマッチしていないのは残念だが、やりたくないからやらない、というのが出足の遅さの理由だろう。もはや守備力以前の課題なのだが、彼のフィジカル的に不可能というわけではない。本人の意識次第で十分に改善できるので、ここも期待したいところだ。

その上で、カーティスがトップチームで地位を築くために最も改善すべき点は、繰り返し述べているように精神的な面。コンスタントに力を発揮するのはもちろんのこと、それ以前に「チームのために働く」という自己犠牲の精神を養った方がいい。傑出したパーソナリティは彼の魅力だが、それを制御し、自身をチームに還元する術を身に付ければ、ワールドクラスの領域に到達できるだろう。

精神的な未熟さ故に殻を破り切れず、才能を秘めたままで終わってしまうにはあまりにももったいない、巨大な才能を持つスカウサー。今はまだプレースタイルが確立されていないが、今後どのような選手になっていくのか、楽しみの尽きない選手だ。

エピソード・小ネタ

画像出典:カーティス・ジョーンズ公式Twitter

◆「カーティス」という名前には、「礼儀正しい」、「行儀のよい」といった意味がある。

◆20-21シーズンより、背番号が48から17に代わる。17はクラブの英雄であるスティーブン・ジェラードもかつて背負った番号だが、カーティスはそのレジェンドからU-18時代に直接指導を受けている。

◆Twitterアカウント(@curtisjr_10)があるのだが、フォローしているのはなんとリバプールFC公式(@LFC)のみ。彼らしいというか、この態度からすでに大物感を漂わせている。ただし、Instagramの方ではしっかりとチームメイトもフォローしており、自分の中で使い分けをしているようだ。

◆若手主体で臨んだFAカップの4thラウンド(リプレイ)、シュルーズベリー戦においてキャプテンマークを託されたが、このとき彼は19歳と5日。トップチームの試合でゲームキャプテンを務めたクラブ史上最年少となった。彼以前の最年少記録は、120年前の1900年にアレックス・レイズベックという選手が記録していた20歳と250日(ただ、この選手はゲームキャプテンというよりもチームキャプテンである)。

画像出典:カーティス公式Twitter

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