ジョーダン・ヘンダーソンがリバプール新時代のキャプテンに相応しい理由

ジョーダン・ヘンダーソンがリバプール新時代のキャプテンに相応しい理由
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タクヤKOP
ビートルズからリバプールFCのサポーターになった珍しいKOPです。戦術的なことはあまり得意でないので、クラブやリバプールという街を色んな角度から掘り下げていきたいと思います。

12年間にわたってリバプールFCのキャプテンを務めたスティーブン・ジェラードから、その座を引き継いだジョーダン・ヘンダーソン

2011年にサンダーランドより移籍してきた当初はチームの不振にあわせて批判の対象になることも多く、一時は事実上の戦力外通告、放出候補にもなっていました。それでも彼は自らの意志で残留を決意、リバプールで生き残りをかけて戦う道を選びます。

そしてその後はご存知の通り急成長を遂げ、見事にジェラードのキャプテンマークを引き継ぐ存在へと駆け上がりました。

 

今やプレー面でもチームの心臓ともいえる役割を担い、戦力的にも欠かせない存在となったヘンダーソン。偉大なジェラードの後任キャプテンを務めるのは相当な重圧があったと思います。しかし、彼のキャプテンとしての振る舞いをみると、リバプールというクラブの伝統はしっかり引き継ぎつつ、新しい時代にあわせてうまく自分の持ち味を出し、見事に新しいキャプテン像を作っているように思います。

リーダー/キャプテンに求められる資質も時代とともに変わります。

この記事では、そんなジョーダン・ヘンダーソンがリバプールの新時代キャプテンに相応しい資質・理由を挙げていきます。

努力で得たチャンス

一時は戦力外扱いもされたヘンダーソン。そこから這い上がってチームの中心になるには、並々ならぬ努力をしてきたはずです。彼のイメージは「天性の才能」というよりは、「努力の人」です。

2012年シーズンオフの放出候補からの残留について、彼は後に以下のように語っています。

「僕はリバプールのようなクラブに来るために頑張ってきたし、そんなクラブからすぐに離れたくはなかったんだ。出来る限り長くこのクラブにいたいし、自分の居場所を求めて戦い続けるとロジャース監督にも伝えたよ。僕はここに残って挑戦し続けるし、自分にはそれが可能だと信じているってね。僕はリバプールでプレーすることに集中し、チームの力になれるようにハードワークするよ。ベンチに座るよりは移籍して試合に出ることを望む人もいるけど、僕は毎日たくさん努力していくし、試合に出れる実力があると信じているよ」

Liverpool’s Jordan Henderson was shocked to be told he could leave Anfield

そのストイックに努力を重ねる姿勢は、チームメイトの良い手本になります。難しい状況に置かれたとしても、自らの力で打開できることを証明したヘンダーソン。戦力外になった選手がひたむきに努力を重ね、チャンスを掴み、そしてそのチャンスをしっかり活かしてキャプテンの座まで上り詰めました。これに勇気付けられた若手もいるでしょう。

天性の才能がズバ抜けていたわけではないからこそ発揮できるリーダーシップ、ロールモデルがあると考えています。

協調性、バランス感覚

サンダーランドからやってきたヘンダーソンは、マージーサイドの出身ではありません。また、上で書いたように「才能より努力の人」です。
こうした背景が、彼の協調性を重んじるキャプテンシーを生んでいると考えています。

いくつかのエピソードを紹介します。

2015年2月のヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦1stレグ、アンフィールドでベジクタシュと対戦した試合。バロテッリがPKを決めて1-0で勝利していますが、この時のPKキッカーはゲームキャプテンを務めていたヘンダーソンでした。しかし、バロテッリも蹴りたがりヘンダーソンからボールを奪い離さず、最終的にはヘンダーソンが同意して譲っています。
おそらくゲームキャプテンである彼の権限でボールを取り返すことも出来たはずですが、その状況の中で冷静に判断し、余計な争いは避けつつ最終的にはチームに勝利という結果をもたらせています。

試合後にヘンダーソンはこう振り返っています。

「僕もPKを蹴りたかったけど、マリオには自信があったみたいだし過去にも重要なPKを決めている。PKは誰もが蹴りたいものだよ。僕は経験のあるマリオが今回も重要なPKを決めると信頼して認めたんだ。」

Mario Balotelli showed disrespect to Henderson – Steven Gerrard

協調性を重視する彼のキャラクターと同時に器の大きさもうかがえますね。(映像で見るとかなり渋々ですが・苦笑)

 

また、2017年2月のスパーズ戦前には、年が明けてスランプに陥ったチームの流れを変えるべく、選手たちを集めた緊急ミーティングを行っています。これについてはララーナがコメントをしていました。

「ぼくらは追い詰められていた。1月になってから勝ちがなかったからね。そんなときに、みんなが言いたいことを言える場を作ってくれたジョーダンに感謝したい。彼は、みんながオープンに話せるような雰囲気が必要だと感じていたんだ。ミーティングで意見を言ったのは、ジョーダンだけじゃなかった。ベテラン選手も若手選手も、全員が言いたいことを言ったんだ。そうしたら、みんななんだかすっきりしだんたよ」

Liverpool FC公式Facebookページより

ヘンダーソンのチーム統率スタイルがみえてくるエピソードです。背中でチームを引っ張るのではなく、みんなが主役と言わんばかりにチームでしっかり対話して物事を解決していく。そしてその場を作る役目がキャプテン。そんな姿勢が伝わってきますね。

自身の努力と実力でのし上がったストイックな姿と、協調性を重視するチーム統率スタイルこそが、ジョーダン・ヘンダーソンが新時代のリバプールFCでキャプテンを務めるに相応しいと考える理由です。

 

 

加えて、ヘンダーソンには闘争心や忠誠心/献身性、そして周囲からの厚い人望といったキャプテンに求められる資質も兼ね備えています。

戦う姿勢、闘争心

ヘンダーソンは協調性を重んじつつも、ハードな闘争心を持っています。
チームメイトに対しても試合中、よく喝を入れている姿は目にしますね。

 

そして、かつてのジェラードがそうだったように、試合中に相手選手と争いがあれば先頭に立って戦える男です。

忠誠心、献身性

ヘンダーソンは自身のステップアップのためにリバプールへ移籍してきましたが、基本的な志向としてはワン・クラブ・マンだと思っています。シーズン中は酒を控えて健康管理を徹底するなど、プロフェッショナルの鏡のような男です。

また、2015年4月には第二子の出産に立ち会い、産まれた直後に試合に駆けつけ、決勝ゴールをアシストしたエピソードもあります。当時のブレンダン・ロジャース監督はそのクラブへの忠誠心を「真のキャプテン」だと評しています。

また、キャプテンでありながら、誰よりも走り回る献身性も素晴らしいです。

厚い人望

偉大なるレジェンドであるスティーブン・ジェラードは、ヘンダーソンのことを「選手としてだけでなく男として尊敬に値する」と公言しています。これに勝る賞賛の言葉はありません。

また、チームメイトや監督など、様々な人からもヘンダーソンを人間としてリスペクトする言葉が多くのインタビューで語られていて、厚い人望を得ていることが伺えますね。

 

スティーブン・ジェラードというリバプール出身、地元クラブ一筋でワールドクラスの実力という絵に描いたようなレジェンドは既に去り、ユルゲン・クロップという新たなカリスマ性を持った監督が、クラブの新しい時代を作ろうとしています。

そんな転換期にあってジョーダン・ヘンダーソンこそがリバプールFCのキャプテンに相応しい、改めてそう確信しています。

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5 件のコメント

  • 2位になったシーズンのようなプレーがもう一度見たかった
    ピッチの色んなところに顔を出してスペースを活かし、作り出し
    守備では平気で2~3人に食らい付いてボールを奪うみたいなプレー
    ポジションを下げてやっても見事に適応してきたあたり流石だけど、少し寂しい気持ちもある

    • あのシーズンの彼は間違いなく、スアレスと並んで、チームのエンジン的存在でした。
      シーズン最後半にモーゼス(現チェルシー)の自陣での無理なドリブル突破失敗からの相手カウンターを阻止するカタチでベンドがレッドカードを受けてしまいます。彼の数試合の出場停止と同時にチームの勢いも無くなったと記憶してます。モーゼスのあのプレーが無ければ‥優勝してた? タラレバ男

      • >マサックスさん
        そうですね、あのシティ戦はよく覚えてます。最後3試合の失速はヘンド不在が大きかったですよね。
        同時にそれほどチームに欠かせない選手になったんだなーと感慨深かったです。

    • あのシーズンの彼は間違いなく、スアレスと並んで、チームのエンジン的存在でした。
      シーズン最後半にモーゼス(現チェルシー)の自陣での無理なドリブル突破失敗からの相手カウンターを阻止するカタチでベンドがモーゼスの尻拭いレッドカードを受けてしまいます。数試合の出場停止と同時にチームの勢いも無くなったと記憶してます。モーゼスのあのプレーが無ければ‥優勝してた? タラレバ男

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