アリソン・ベッカー|リバプール選手名鑑

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コーク

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ライター名は大好きなコカ・コーラから。戦術・選手分析といった普通の記事から一風変わったものまで書きます。

基本プロフィール

画像出典:アリソン公式Twitter

  •  選手名:アリソン・ベッカー
  •  生年月日:1992年10月2日
  •  国籍:ブラジル
  •  身長:191cm
  •  ポジション:GK
  •  背番号:13
  •  チームキャリア:インテルナシオナル(13/14~)、ASローマ(16/17~)、リバプール(18/19~)
  •  市場価格:65,00Mill.€
  •  契約終了年:2024年6月30日

 プレースタイル

マンチェスター・シティの守護神エデルソンを差し置き、セレソンの正守護神を務める完全無欠のGK。リバプールがASローマから獲得した時点での移籍金は、GKとしてはワールドレコードの額だった。

ストロングポイント

画像出典:LFC公式Twitter

GKに必要とされるありとあらゆる全ての能力を兼ね備えた、世界最高のGKの1人だ。シュートストップ、ポジショニング、飛び出し、足元の技術、フィードなど、どれを取っても一級品。

191㎝と十分なサイズを持ちながら、180㎝台のGKに優るとも劣らない爆発的な反射神経を誇る。キャッチするのか弾くのか、という判断が抜群で、無駄のないモーションと優れたポジショニングで“生ける要塞”と化す。

陳腐な意見で申し訳ないのだが、特にアリソンは他のGKと比べても常に冷静で、脳を高速で回転させているように見える(無論、実際にそうなのだろうが)。

どのタイミングにおいても判断が完璧で、シチュエーションに対する処理能力が尋常ではない。仮に対応が後手に回ったり、想定外のプレーを繰り出されても、判断そのものに間違いがほぼなく、加えて傑出したフィジカル能力があるので、最終的には水際で防ぐ、なんてことも彼に限ってはめずらしいことではない。

17-18シーズンのセリエAの試合において、アリソンは28失点している(OGを除く)。しかし、Optaのデータによれば、ローマが受けたオン・ターゲットのゴール期待値に基づくと、平均的なGKであれば36失点している計算になる。この8ゴールという差は、セリエAでプレーする全てのGKの中で最も大きい数字だという。

さらに他のデータに目を向けると、セーブ数109回が目を引く。これは、過去5年のセリエAで最高の成績。“守備の国”と謳われるイタリアにおいて、アリソンは間違いなく最も優秀なGKだったといえる。そして驚くべきは、ヨーロッパのクラブで正守護神としてプレーしたのは昨季が初めてということだ。

GKは、その特性上最も経験がものを言うポジションである。そのうえ、プレッシャーが厳しいイタリアのビッグクラブという点も踏まえれば、欧州への適応期間が1年あったといえども、文句なしで素晴らしい成績である。

このように、「ゴールを守る」という、GKに最も必要な能力で世界最高峰のクオリティを持つアリソンだが、オフェンシブな面での貢献度も抜群なのだから半端ない。

ここに関しては流石にエデルソンと比べると多少見劣りするが、長短問わずキックの質が素晴らしく、ビルドアップに参加することを苦にしない。相手FWにプレッシャーをかけられても、フェイントを織り交ぜながら涼しい顔でかわすだけの肝っ玉もある。

優れたプレービジョンと技術的なクオリティの高さは言うまでもなく、苦しい局面でも積極的にボールを要求し、難易度の高いプレーに挑む、という卓越したパーソナリティが彼のビルドアップ能力の高さの下地となっているのだろう。

GKが非常に冷静で、難易度の高いプレーをいとも簡単にやってのけると、味方からすればとてつもなく安心でき、勇気が出る。逆に相手からすれば、せっかくプレスに奔走して奪えそうだ、というときにGKに「そんなパスできるのかよ…」というようなプレーをされては心を折られてもおかしくない。

セットプレーや被カウンターなどのピンチを脱した後のリスタートの判断が素早く正確で、基本的にはSBにスローイングで素早くボールを配球するシーンが多いが、機を見て放たれるモハメド・サラーを筆頭とするアタッカー陣に向けた矢のようなパントキックは息を飲むほど美しい。

素早く切り替えてSBにボールを配球、或いは一気に前線へパントキック、そしてそこから得点に繋がるシーンはこれからも多く見られるだろう。絶体絶命のピンチをチャンスに変えてしまうアリソンの存在は、守備の改善どころか攻撃面でのクオリティUPにも貢献している。

求められるのは絶対的な守護神という立場だが、加入後、瞬く間にその要求に完璧な答えを示してくれた。フィルジル・ファン・ダイクと同じように、今では彼の移籍金に対する懐疑的な声など一切聞こえない。

イタリア時代からその能力の高さは折り紙付きだったが、イングランドでも一貫したパフォーマンス見せたことで、今では世界最高のGKという評価もされるようになってきている。リバプールにとって、まさに画竜点睛といえる偉大な存在だ。

ウィークポイント

画像出典:GiveMeSport

ピッチ上での自信に満ちた振る舞いを見る限り、パーソナリティの面でも不安要素は皆無で、失点後の切り替えも問題はない。総合的な能力は世界最高と評してもいいレベルにあり、明確なウィークポイントを探すのは難しい。

ラグビーのタックルパッドを使用したお馴染みのトレーニングによって、プレミアの醍醐味であるボックス内における激しい空中戦にはほぼ適応済み。プレミア初挑戦のGKにとって鬼門ともいえるものだったが、杞憂に終わって何より。

プレミアのプレースピードにも適応済みだが、コンタクトに対するジャッジの基準には苦労したようだ。実際に、失点したレスター戦やバーンリー戦の相手選手のアリソンに対するプレーは、他国のリーグであればファールになっていたかもしれない。

しかし、レスター戦のミス以降、危ないと思ったらシンプルに繋ぐようになっている。これは学習能力の高さの現れだろう。その分、彼のビルドアップ能力を最大限に生かせてはいないが、そもそもリバプールが極限までパスを繋ぐフットボールを志向しているわけではないので、ここは致し方無いないか。

それでも、彼のボールキープによって失点する確率と、そのチャレンジによって得点が生まれる確率を天秤にかけたとき、後者に傾くのは間違いないのでアグレッシブなプレーをこれからも期待したい。

 

エピソード・小ネタ

画像出典:アリソン公式Twitter

・FIFAワールドカップ2018のブラジルvsスイスの試合中、ピッチに謎の巨大な赤い風船が入り込むという珍事件が起きた。アリソンはすぐさまその風船に近づくと、勢いよく踏み破裂させて処理。余談だが、赤い謎の球体繋がりで、ペペ・レイナが直面したあの“ビーチボール事件”を思い出したのは筆者だけではないはず。

・昨季のアリソンのセーブ率は79%で、これは欧州3位の成績。1位はアトレティコ・マドリードのヤン・オブラクで83%。2位にマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアで80%と、世界最高と称されるGKに引けを取らない素晴らしい成績である。同データにおけるロリス・カリウスとシモン・ミニョレの成績は、それぞれ69%と59%。

・実は、正式発表前にアリソン・ベッカーはリバプール移籍を喜ぶツイートをしていた。と言っても、ポストをしたのは同姓同名のアメリカで女優として活動しているアリソン・ベッカー氏。ちなみに同じアリソンでも、GKのアリソンは「ALISSON」でSが一つ多い。

・リバプールがアリソン獲得のためにローマに支払った移籍金は6250万+アドオン1000万ユーロ。前述の通りこれはGKとしては史上最高額。リバプールは史上最高額のDFファン・ダイクに続いて、GKのワールドレコードまで更新することになった。

・ローマのレジェンドで、現在は同クラブのフロントで活躍しているフランチェスコ・トッティ氏は、今回のアリソンの移籍について「我々は世界最高のGKを失った。しかし、移籍市場は大きく変化している。GKにこれだけの額のオファーが届くのは初めてのことであり、リバプールに断りを入れることは出来なかった。」と話している。

画像出典:アリソン公式Twitter

・同じく“永遠の都” でプレーしていたサラーだが、アリソンに「さっさとリバプールとサインしろ」と急かしていたそう。同胞のロベルト・フィルミーノにファビーニョ、そしてサラーと来れば、ピッチ外での適応も不安なしか。

・ジャンルイジ・ブッフォンが選ぶ、世界最高のGKの1人。ブッフォンは3人を挙げており、あとの2人は、マヌエル・ノイアーとオブラクだった。

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