クロップ「これがフィルからマティプへの交代の裏にあったプランだ」/ボーンマス戦後のコメント

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ボーンマス戦後のクロップ監督のコメントです。

「立ち上がりがよくなかった。早々に失点したからというだけじゃない。相手へのパスになってしまったパスは、3本目か4本目のバスだったと思うが、みなほんの少しずつ判断が遅かったせいでああなってしまった。完全に集中できていなかったよ。シモンがちょっとドリブルして、ラグナルのパス、そしてジニのあのパス…。失点するまでに、3回か4回の自信のないプレーがあった。これじゃあダメだろう」

 

「こんな立ち上がりじゃ、ゲーム運びを難しくしてしまうだけだ。こんなプレーを見せられちゃ、スタンドのファンの反応もナーバスなものになってしまう。バックパスをするたびに、スタジアムはざわついていた。だが、こういうときは、辛抱強くプレーしなくちゃいけない。落ち着いて、自分たちのフットボールをしなくちゃいけないんだ。まだプレーに堅さがあった時間帯だったが、同点に追いつけたのはよかった。ファンタスティックな瞬間だった。いい雰囲気のままハーフタイムに入ることができて、後半は気持ちを切り替えてスタートすることができた」

「後半は前半よりずっといいプレーができるようになった。サイド攻撃ができるようになったし、シンプルにプレーできるようになった。後ろから明確なプレーができるようになった。サイドバックが攻め上がったりね。2点目の起点となったのは、ラグナルからミリーへのいいパスだった。ミリーはシンプルにフィルへとパス、フィルはボックス内のジニにナイスパス、ジニは素晴らしい動きからクロス、そしてゴールだ」

「3点目も取れそうだったんだがね。カウンターを仕掛けたり、チャンスはあったからね。だが、フィルを下げなければならなかった。ハーフタイムに体調不良を訴えて、吐いたんだよ。いまはもう気分はよくなったと言っているからよかったけどね。だが、あのときはプレーを続けるのが難しいと合図を送ってきたから、下げざるを得なかった。フィルはいいプレーをしていたから、あの状況で、チームのベストプレイヤーを下げざるを得ないのはイタかった」

「フィルを下げることになり、少し組織を変えようと決めた。それで3バックの前にルーカスとエムレの2人を置いたんだ。サイドバックの2人には、変わらずサイドのスペースを使わせたかった。相手が4-4-2ならうまくいくシステムだ。あのような素晴らしいゴールで逆転すれば、普通はそのまま試合を終わらせることができるものだ。だが、今日の我々にはそれができなかった。セットプレーからセカンドボールを拾われてやられた。この場面を見て、吐きそうになったよ。気分が悪くなった。だが、受け入れないといけない。私の責任だ。こういう状況からの失点に対する対策を考えなければいけない」

「失点した後もチャンスはあった。今日はセットプレーから点を取れそうな場面があったね。前半、デヤンとディヴォックにチャンスがあったし、ディヴォックには後半にもチャンスがあった。終了間際には、ラグナルに最大のビッグチャンスがあった」

「今日のような立ち上がりの試合が、終わる頃にはパーフェクト・ゲームになるなんてことはあまりない。もちろん、勝っていればいまの気分は全く違ったものになっただろうが、試合内容自体はあまり変わらなかっただろう。そこのところを忘れちゃいけない。次のストーク戦では、今日プレーしなかった選手を使うことになるだろうし、疲労を回復させないとね」

「この記者会見の前に、すでにいくつかのインタビューに答えたんだが、試合終了直後よりは、今のほうがショックはやわらいでいるよ。さらに、明日になれば『1ポイント獲れた!』と前向きに考えられるだろう。もちろん、勝ち点1は望んだ結果ではないが、ゼロになる可能性もあったことを考えればよかったよ。これまでは、こういう試合を落としてきたからね。だが、今日は落とさなかった。このことをポジティブに捉えたい。次はストークへ行って、もっといいプレーをしよう」

「まだまだ学ぶべきことがある。今日は無意味なパスが何度かあった。そんなパスを出しても何も起こらないのにね。サイドチェンジするために何度かロングボールを使っていたが、意味のあるパスとは言えなかった。ボールが落ちてくるまでに5分ぐらいあったんじゃないか?というようなパスだった。もちろん、サイドチェンジが有効な場面もある。だが、そうじゃない場面でサイドチェンジしても、相手に陣形を整える時間を与えるだけだ」

「たとえばチェルシーなら、試合が終わるまでの20分ぐらいの間に、相手が3度しかボールを持てないというような状況を経験しているかもしれない。だが、我々にはそういう経験が足りない。今日の結果は望んだものじゃなかったが、我々がこれまでに経験していないようなことを経験できる機会にはなったかもしれない。ウチはいまもリーグで最多得点しているチームのはずだ。点がとれるチーム作りをしてきたからね。だが、もっと多くのことを経験をして、学ぶ必要がある」

 

「フィルに代えてマティプを入れたことについてだが、このシステムを選んだのは、我々にはオプションが20もあるわけじゃないからだ。フィルを60数分に下げたとき、ダニエルはまだこんなインテンシティの高い試合に入る準備ができていなかった。それに、ディヴがセンターフォワードとしていいプレーをしていたから、フィルの代わりにストライカーをもうひとり入れるのは理にかなっていなかった」

「こういう状況になったとき、我々はいつだって勇気を持って勝ちにいこうとしてきたし、今日もそうだった。もちろん勝ちにいったよ。中央にもう1枚ディフェンダーを加えることは、理にかなっていたと思う。同時に、クラインとミリーには、ウィンガーとしてサイドのスペースを使う自由を与えたかった。4-4-2の相手と戦うときには、こうすることでサイドの選手が攻め上がれるようになり、サイドの選手が攻め上がれば中央のスペースを使えるようになるからね。実際、2点目はそうやって取った点だよ。これがフィルからマティプへの交代の裏にあったプランだ」

「『すべて私の責任だ』と言うのは、実際そうだからだよ。自分の息子が間違ったことをしたら、その責任の多くは親である自分にある。もちろん、選手たちは私の息子たちじゃないが、監督と選手の関係は、親と子供の関係とそんなに変わらない。だから私の責任だ。もちろん、選手たちには伝えるべきことは伝える。だが、それは『おまえらの責任だ!』と言うことじゃない。これまで何度も言ってきた通り、悪いことはすべて私の責任で、良いことはすべて選手たちの手柄だ。当然だろう? こちらは責任を取る覚悟もあるし、歳もとってるし、彼らよりずっと多くのことを経験してきているんだから。とはいえ、自分の責任だとすぐに受け入れられたわけでもないんだがね。正直、受け入れがたいよ。だが、私の責任だ」

「マティプを先発させることはできたのかもしれないが、正直、わからない。腰を少し痛めていたんだ。今朝、ほんの少しだけ練習したんだが、そのときは問題なさそうだった。だが、その後、スパイクの調整が必要だと言うんだ。スパイクが合わなくて調整が必要なことなんて、試合中にだってよくあることだが、それは100パーセント万全じゃないということだ。だが、今日の試合でプレーするためには、100パーセント万全である必要があった。途中から出したのは、ウォームアップをしていたマティプに『大丈夫か?』と聞いたら、『だいぶよくなりました』と言う返事だったからだ。90分間プレーできたのかもしれないが、まあ、わからないよ。」

※本記事はLFC公式Facebook(日本語版)より許可を頂いて引用しています。

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