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・貼っている物
グラフィックシートまたはカッティングシート等と呼ばれるものでしょう。
裏に粘着材が付いているシートのことで、壁やガラス等平らな面に直接貼り付けて施工することができます。特にこれは内装工事に限らず車のデザイン等にも使われる技法なので、車のデザインを自分好みにカスタマイズした経験がある方は触ったことがあるかもしれません。
木目や石目という指定のデザイン柄シートであればメーカーが販売している物がありますが、自分好みのものを印刷して貼りたい場合はそうもいきません。特注で印刷出力したい画像データ等をメーカーに渡し、大きい粘着シートに印刷してもらって手配する必要があります。こちらもサイン工事を請け負っている会社が一緒に対応してくれるパターンが主です。
施工会社の一例 → アクト企画
・貼り付け
動画を見ていると、既存のシート上から貼っているのが見受けられます。
このシート施工の特徴の1つとして、下地が同じシートであれば既存のものを剥がさなくても上から貼ってしまえるという利便性があります。一般的なご家庭の壁に施されているような壁紙(通称クロス)は、貼り替えたい場合に既存のものを剥がさなければいけません。そういった面で考えると貼り替えに於いてはシート施工の方が手軽かもしれません。
また、シート施工を初めてする壁面に対してはその壁の条件にあった下地処理をする必要があります。今回の話からは大きく逸れてしまうため、興味がある方は是非ご自身で調べてみてください。
そしてシートを貼った後は壁とシートの間に残っている空気を抜く作業をし、壁にピッタリと貼り付けば完成となります。
デメリットとして、シートの壁面は傷付けてしまうと部分的な補修が厳しいという点があります。
先ほどあげた壁紙や塗装の壁は仮に傷つけてしまっても部分的な補修が基本的に可能ですが、シート面はそうもいきません。傷が気になるようなら大々的にその面そのものを貼り替える必要が出てきてしまいます。そのため、今後リバプールに加入する可能性がある方は廊下を歩いた際に傷を付けないよう注意してください。
また、施工に使うシート自体の幅という物は決まっています。そのため、どうしてもシート1つの幅以上のサイズになるデザインシートを御所望の場合はシートとシートの継ぎ目が入ってしまうことを承知しなければいけません。
そういった条件を踏まえてどのようなサイズと縦横比にするのか、継ぎ目を入れざるを得ないならばデザインのどの辺りに入るよう調整するのか。そういったことを考慮する必要性があります(と言っても皆さんが依頼する際は勿論施工会社がそこも含めてプロデュースしてくれるため、依頼主自身であまり深く考える必要はなさそうです)。
おわりに
何気なく見えていたかもしれないあの1分足らずの動画1つ取ってもそれなりの手間がかけられているということが皆さんに少しでも伝わっていれば何よりです。
ただ、残念ながらリバプールがタイトルを獲得しないとこの作業が実施されることはありません。今季こそはタイトル奪取を果たし、何かしらのサイン工事が行われていることを祈りたいですね。
個人的雑感
ここからは筆者の自分語りも兼ねた個人的雑感となります。記事の本題自体は既に終わっているため、特に読まなくても大丈夫な文章です。それでも宜しければもう少しお付き合いください。
思えば今回の記事で扱った2つの動画ですが、1つはUEFAスーパーカップ獲得に伴うサイン工事だったため2019年の夏、もう1つはプレミアリーグ獲得に伴うサイン工事だったため2020年の夏に投稿されたものでした。
2019年の夏と言えば筆者は就職先が決まらず苦しむ大学4年生、そして2020年の夏は右も左も分からない社会人1年目でした。
筆者が最初に就職した会社はサイン工事に絡むような仕事をしているところだっため(ちなみに記事内にリンクが貼られていた会社ではありません。というかもっと言うとサイン工事の会社ではありません)、今回の記事はその職場で吸収したことを元に執筆している形です。
さて、UEFAチャンピオンズリーグ獲得によって挑戦権を得たスーパーカップ、そして翌年のプレミアリーグ。
リバプールがトロフィーを獲得して上記の動画を投稿した際には何の作業をしているのか全く分からなかった筆者も、この3年間でその動画内でやっている作業について少しばかり分かるようになってしまいました。
これは、単純にビッグタイトルの獲得からそれだけの時間が経ってしまったということに他なりません。
当時のリバプール戦士もこの数年で続々とチームを去っていき、昨季終了後にはロベルト・フィルミーノ、ジェームズ・ミルナー、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ナビ・ケイタと思い入れのある4人が退団しました。
そして筆者自身も例の動画で知見をそれなりに語れるようになったキッカケとなったその職場を退き、違う会社に転職しました。
リバプール戦士が続々とアンフィールドを去っていること、主要タイトル獲得が無かったこの期間に動画内の作業について理解できるほどになってしまったこと、そして筆者自身が違う世界に目を向けつつあること…。
どうしてもこの時代が進んでいることを実感せざるを得ません。
今、リバプールが世代交代を進めようとしているのは誰の目から見ても明らかです。
きっとこの先自分自身の立場が変わり、状況が変わり、あの動画の内容のように理解できることもどんどん増えていくのかもしれません。
日に日に引き出しを増やそうと生き続ける中でリバプールがいつかまた、プレミアリーグやチャンピオンズリーグを獲得する吉報が届くことを願って止みません。
そしてその吉報が届いた時。かつてあの動画の内容も理解していなかった若者の1人に過ぎなかった自分としてではなく、その頃よりは何かを得ている自分としてリバプールを応援できていれば幸せかなと思います。
リバプールが新しい時代に足跡をつけることを共に祈り、今後も極東の地から声をあげ続けましょう。
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