FSGの社長、マイク・ゴードンの紹介ーリバプールを影で支える目立ちたがらぬ黒子ー

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ヘンリー

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ヘンリーです。FSGやオーナーであるジョン・ヘンリー関連の記事を書いていこうと思っています。基本まったりとやっていきます。

皆さん、お久し振りです、ヘンリーです。

またしてもお時間を頂いてしまい、申し訳ありません。

今回はリバプールFCの事実上のトップであり、2014年よりFSGの社長を務める、マイク・ゴードンについて紹介させて頂きます。

記事の中でも出てきますが、ゴードンは個人的なインタビューを受けないので、情報を集めるのに時間がかかってしまいました。

現在FSGの株の40パーセントを筆頭株主のヘンリーが所有しており、その次の12パーセントを保有しているのが、今回紹介する、マイク・ゴードン。3番目の10パーセントをトム・ワーナーがそれぞれ所有しています。

今回の記事では、ボストン・グローブ紙でのゴードンに関する記事を基に、ゴードンと繋がりのある人物のコメントを紹介する形で、ゴードンについて掘り下げられればと思います。

では、始めます。

1略歴

 左の人物がFSG3番目の株主 トム・ワーナー 右がゴードン

 

ゴードンの経歴において、強い影響を与えたのがメジャーリーグのミルウォーキー・ブルワーズのオーナーを務め、1998年から2005年にMLBコミュッショナーを歴任した、バド・セリグとの結びつきです。(WBCを創設したのが、彼ですね)

セリグはゴードンの母親と親しい友人で、ゴードンはセリグの娘さんと繋がりがあるようです。

ゴードンは当時、セリグがオーナーを務めていた、地元ミルウォーキーの野球チームである、ブルワーズでポップコーンを売るアルバイトからスポーツ業界との関わりを始めました。

“I’ve known Mike just about since he’s been born,” said Selig, the former baseball commissioner who owned the Brewers from 1970-98. “I was his first baseball employer. He sold popcorn and a lot of other things.”

「まさに彼が生まれた時から、私はマイクを知っていました」と、セリグ(1970-98年からブリューワーズを所有したコミュッショナー)は言いました。

「私は彼の初の野球での雇い主でした。彼はポップコーンと多くの他のものを売ったのです。」

その後、ゴードンはボストンの大学へ移ったのちにヘンリーと同じく、投資業界で名を馳せていきます。

彼は証券会社のフィデリティに入社し、ミューチュアル・ファンドの運営を任されます。フィデリティの主力商品である「マゼランファンド」の運用を、当時の責任者であった、ジェフリー・ヴィニックの下で行っています。

・ジェフリー・ヴィニック

現在、アメリカのホッケーリーグ、NHLのタンパベイ・ライトニングスのオーナー。レッドソックスの株主の少数を保有し、リバプールFCの取締役会の一員でもあるなど、FSGと繋がりを持っています。

ヴィニックの下、ゴードンは1992年から1996年にわたり、「マゼランファンド」の運用を行い、利益を出しています。その後、ヴィニックと共にフィデリティから独立し、「ヴィニック・アセット・マネジメント」を設立し、そこでも手腕をふるいました。

2ヘンリーとの出会いとFSG加入

 

ヘンリーは、ボストン・レッドソックスを買収するにあたり、ボストンにゆかりのある、投資家を探していました。そこで白羽の矢を立てたのが、ボストンを拠点に投資活動をしていた、ヴィニックとゴードンでした。

ここでヘンリーとゴードンの架け橋となったのが、前述したセリグでした。セリグは以下のようにコメントしています。

“He’s just an outstanding young man,” said Selig. “He’s the kind of owner that commissioners want in their sport. When the opportunity came, I merely introduced him, and they took it from there. I think it’s turned out great on all sides.”

「『彼は傑出した若者だ』とセリグ氏は語りました。 「彼はヘンリーたちのようなスポーツチーム運営をする者にとって、欲しいものを持った人材だ。 機会が来たとき、私はただ彼を紹介し、彼らは一員にしただけなのさ。 私はそれがすべての面で素晴らしいと思うよ」

FSGでの最初の10年間はFSGの経営には関与せず、FSGの株主の一人という立場で、「ヴィニーク・アセット・マネジメント」での仕事をメインに行っていたようですが、2012年、ヴィニークがNHLチームの運営に専念するために、「ヴィニック・アセット・マネジメント」を畳むことを決意すると、それに伴って、ゴードンもFSGの運営の中核へと入っていきます。

2012年の同じタイミングで、FSGの株を保有していた、「ニューヨークタイムズ」が株の売却を発表すると、筆頭株主のヘンリーが保有する40%に次ぐ、12%の株を保有することとなり、持ち株においてはFSGのナンバー2となります。

3リバプールとゴードン

 

真ん中がゴードン、右がリバプール前CEO イアン・エアー

 

2010年にFSGがリバプールを買収すると、ゴードンはリバプールの取締役会に名を連ねることになります。

2012年にはFSGにおける、実質的なリバプールの責任者となります。その中でゴードンは、リバプールの当時のCEOのイアン・エアーと密に連携しながら、クラブの財政面の改善へ乗り出します。イアン・エアーは、ゴードンについて以下のように語っています。

“Mike’s input has played a significant part in our success and competitiveness in recent years,” Ayre said in an e-mail. “He has valuable experience and intelligence in the financial and strategic management components of business development and has been able to bring that wealth of experience to myself and my team through an extremely turbulent period following the previous ownership of the club.”

「マイクの知識は、近年の我々の成功と競争力においてかなりの役割を果たしました」と、エアーは電子メールで言いました。

「彼にはビジネス開発において財政的で戦略的な価値ある経験と知性があって、クラブの前オーナーがクラブを手放した後のとても荒れ狂う期間の中でも私自身とチームにその豊富な経験を生かしてくれました。」

リバプールがプレミアリーグを2位で終わった、2013-14シーズンの後、クラブの収支報告を行い、7年ぶりの黒字報告を行っています。クラブのレポートでは、その1年前に5000万ポンドの赤字だったのを100万ポンドの黒字へと好転させました。

ただ、ゴードンには疑惑を向けられたこともありました。

それはリバプールの前監督、ブレンダン・ロジャースが批判した移籍委員会の一員であることです。詳しいことは明らかになっていませんが、ロジャースが在籍した当時、移籍検討委員会のメンバーには、ゴードンと当時のCEOだった、エアー、監督のロジャース、スカウト部門のマイク・エドワーズ(現在、SDとしてエアーの仕事を引き継いでいます。)がおり、意思決定を行っていたそうです。

当時の移籍市場で、高額の移籍金を払った選手が活躍できないということがあり、アメリカ出身で、フットボールの知識がないとされたゴードンの意見がロジャースの希望に沿わない選手の獲得を促しているのではと批判されています。

4まとめ

 

今回は、FSGの社長のマイク・ゴードンについてまとめましたが、ゴードンはあまりインタビューに答えないため、他の方のコメントからゴードンについて探っていく記事となりました。

移籍委員会での件など、ゴードンは批判を受ける点もありますが、フィデリティやヴィンク・アセット・マネジメントで結果を残しているなど、財政面での手腕は確かなようです。

現在、アンフィールドの拡張計画もゴードンが中心となって進めているとされるなど、クラブの主要な意思決定を影から支える黒子のような役割を担っています。

最後に長年に渡り、パートナーを務めてきたヴィニックのコメントを紹介し、今回の記事を締めようと思います。

Mike, as is well-established, is a pretty private guy, a low-key guy, and a humble guy,” said Vinik, now the owner of the Tampa Bay Lightning. “I knew he would definitely be the perfect person to go into business with from an investment point of view and a personal point of view. He was very happy to be in the role of not getting much attention.”

「認められているように、マイクはかなり控えめで、謙虚な人なのです」と、ヴィニック(現在タンパベイ・ライトニングの所有者)は言いました。「私は彼が確かに投資の観点と個人の見解から事業を行う完璧な人であるということを知っていました。彼にとって目立たないながらも活躍しているのは大変幸せだったのです。」

 

以上を持って、リバプールを影から支える、FSGの社長、マイク・ゴードンの記事を終わります。翻訳や引用が多いため、読みづらい構成となってしまいましたが、最後までお読み頂き、ありがとうございます。

次回の記事ですが、ヘンリー、ゴードンに次ぐ、3番目の株主で、長年ジョン・ヘンリーのパートナーを務める、トム・ワーナーについて書こうと思っています。

また時間をおかけしてしまいそうですが、気長にお待ち頂けると幸いです。

参考

1 マイク・ゴードンについてのボストン・グローブ紙の記事
https://www.bostonglobe.com/sports/2015/03/06/michael-gordon-plays-private-but-powerful-role-with-red-sox/LTyWgAifZdBWdqvLjLFt7H/story.html

2 マイク・ゴードンの紹介記事2
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2014/10/06/Leagues-and-Governing-Bodies/Michael-Gordon.aspx

3 ミラー紙による、紹介記事
http://www.mirror.co.uk/sport/football/news/mike-gordon-liverpool-brendan-rodgers-5770251

4 少し前の記事ですが、レッズおばさんもブログで少し触れています。さらっと、知りたい方に是非。
http://sp.plus-blog.sportsnavi.com/antreds/article/526?article_page=2

5 ジェフリー・ヴィニック wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Jeffrey_Vinik

6 バド・セリグ wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Bud_Selig

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