リバプールFC公式WEBサイトの変遷と各時代におけるクラブの狙い

リバプールFC公式WEBサイトの変遷と各時代におけるクラブの狙い
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タクヤKOP
ビートルズからリバプールFCのサポーターになった珍しいKOPです。戦術的なことはあまり得意でないので、クラブやリバプールという街を色んな角度から掘り下げていきたいと思います。

2004年

そして、2004年6月にリバプールFC公式サイト(LIVERPOOLFC.TV)は、再度リニューアルします。ちょうどジェラール・ウリエが去り、ラファエル・ベニテスが監督に就任するタイミングです。

(Wayback Machineより取得)

※ロゴ部分に「CHAMPIONS’ LEAGUE WINNERS 2005」とありますがこれは後から画像が上書きされて切り替わっているものと思われます。

それまでの背景ベタ塗りの個人サイトのような見た目から、クリーンな印象のデザインへと変更されています。これは2004年当時のオフィシャルサイトのスタンダードであったと記憶しています。

コンテンツの量もかなり膨大になっていて、ますます公式WEBサイトがクラブにとって力をかけるべき欠かせない存在になっていることが分かります。

またこのリニューアルのタイミングにてこんなリリースも出ていました。

(Wayback Machineより取得)

“Liverpoolfc.tv has reconfirmed its position as the most visited football site on the internet with news that we shattered our record for page impressions on the website last month.”

ソースはよく分かりませんが「the most visited football site on the internet」と書いています。また、この声明では掲示板コンテンツの重要性にも触れていて、「Web 2.0」という言葉のニオイがしてきます。

リバプールFCの公式サイトは、しばらくこの型で続きます。イスタンブールの奇跡でチャンピオンズリーズ優勝後のサイトトップはこんな感じでした。

(Wayback Machineより取得)

 

そしてそのままコンテンツ拡充を進めながら、WEB2.0なんて言われた時代もLIVERPOOLFC.TVは駆け抜けていきます。

 

2009年

2009年12月にはデザインをリニューアルします。

(Wayback Machineより取得)

※メインの画像部分がFlashコンテンツで取得できませんでした

この頃になるともうかなり見慣れた感じです。フッターにあるサイトマップからも分かるとおり、コンテンツ量ももう膨大すぎて追いきれないボリュームになっています。「LFC TV Online」などの映像コンテンツも充実していきます。

 

2010年

2010年10月にオーナーがFSGに変わり、WEBサイトにおいても細やかな改修が続いていきます。12月にはさっそく重要な変化がみられます。

(Wayback Machineより取得)

右側の目立つ部分に「Find Us On」ということでFacebookとTwitterのアカウントへのリンクがあります。LFCのTwitterアカウント(@lfc)は2009年1月に登録されていますが、これまで少なくともTOPページでは大きくフィーチャーされることはありませんでした。この辺り、ソーシャルメディアの運用やWEBサイトとの連携や役割分担等、色々模索する時代の始まりです。

↓2011年3月のLFCから日本へのメッセージ。

(Wayback Machineより取得)

 

liverpoolfc.com(2012年~)

2012年

そして、FSG改革の大きな成果が「.com」ドメインへの変更です。

(Wayback Machineより取得)

2012年6月にリバプールFC公式サイトは、URLをそれまでの「liverpoolfc.tv」から「liverpoolfc.com」へと変更します。もうこの頃になると「.tv」へ変更した2001年と時代も大きく変わり、わざわざ「WEB TV」と言わなくてもWEBサイトとはそういうものだし、よりグローバルに認知されている「.com」へ変更したわけです。クラブのグローバル展開、全世界的なマーケティング活動への舵取りが伺えます。確かこのタイミングでサーバーや会員システムのバックグラウンドも強化されているはずです。

 

2013年

そして、2012年終わりには既に時代遅れになっていたFlashを排除、2013年に入るとTOPページ上部に各種SNSアカウントへのリンクや「Global LFC」ということで各国サイトへのリンク導線も置かれます。

(Wayback Machineより取得)

 

2015年

その後、2015年後半にはデザインを大きく変更します。

(Wayback Machineより取得)

見てのとおり、現行サイトとほぼ同じ形です。そしてこれは以前の記事でも触れたミニマル化というデザイントレンドの影響(ここで顕著なのが余計なシャドウの排除)を大きく受けたものであると同時に、このタイミングでスマートフォンサイトが用意されています。

そして、2018年現在まで大きな変更なく続いています。

 

まとめ

2000年からリバプールFCの公式WEBサイトの変遷を要所要所、駆け足で振り返ってみました。インターネット環境の変化や各時代でのWEBサイトに求める役割の変化に応じて、方向転換を繰り返してきたことが分かります。

2000年の「.net」の時代は、ネットの活用活用方法を模索しカタログ的に情報を置いておくサイトでした。それが2001年に「liverpoolfc.tv」へと進化し、幅広いコンテンツ提供を始めていきます。「e-Season Ticket」という有料会員制を開始し、これは今の「LFCTV GO」へと引き継がれています。その後ソーシャルメディアとの連携も取り入れつつ、2012年にはよりグローバルな展開を意識し「.com」へのドメイン変更をおこない、リバプールFCの公式サイトは進化していきました。

現サイトを見ると、やはり膨大な情報量をどうナビゲーションつけて配置するか、この辺りが課題になっていると思います。圧倒的にスマートフォンからのアクセスが多い今の時代において、スマホアプリやソーシャルメディアとの棲み分けも含めて「WEBサイトの役割」も再定義が必要になってきているタイミングなのではと考えています。

今後もこの公式WEBサイトがどのように進化していくか注目していきたいと思います。

 

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