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20世紀後半にインターネットが登場して以来、フットボールクラブとファンの距離感は大きく変わりました。それぞれのクラブが公式WEBサイトを持ち情報発信をおこない、独自の会員システムも築きファンが求めるコンテンツを提供していきます。公式WEBサイトは、21世紀におけるクラブのマーケティング活動の基盤となる存在です。
この記事では、リバプールFCの公式WEBサイトの変遷を2000年から振り返っていきます。
その18年間を振り返って見えてきたものは、インタートネット環境の移り変わりとそれに対応して変化し続けてきたクラブの歴史です。
※この記事では、世界中のWEBサイトをアーカイブ保存している「Wayback Machine」を参照して作成しています。
ドメインの移り変わり
リバプールFC公式WEBサイトの歴史を語る上で、最も重要なポイントはドメイン(URL)の移り変わりです。クラブは過去2回にわたってドメイン変更をおこなっています。
1)liverpoolfc.net(~2001年)
2)liverpoolfc.tv(2001年~2012年)
3)liverpoolfc.com(2012年~)
トップレベルドメインが「.net」「.tv」「.com」と変わっています。リバプールFCのように大きい存在になればなるほど、WEBサイトのURLを変更することの影響範囲は計り知れないものです。しかし、それでも2回それを実行しているところに、その時代ごとにクラブとその公式サイトがどう在りたいと思っていたかを示していると筆者は考えています。
以下、各時代のリバプールFC公式WEBサイトを、取得したキャプチャ画像とともに見ていきましょう。
liverpoolfc.net(~2001年)
2000年
まず初代の「.net」ですが、時代はいわゆるインターネット黎明期。まだブロードバンド(既にこの言葉が死語)が普及する前です。
時代背景をより理解するために、インターネット普及率を見てみましょう。
2000年のイギリスのインターネット普及率はたったの26%。この時代において、「クラブもインターネットを活用していくぞ」という意志が反映されたのが「liverpoolfc.net」というドメインなのではと推測します。
2000年当時のリバプールFC公式WEBサイトは、こんな感じです。
一部画像が表示されてないのが残念ですが、とてもノスタルジーを感じますね。。当時は今のように大容量通信が当たり前ではないので、なるべく画像は使わず読み込み速度を上げることが求められていました。このようなデザインしかやりようが無かったわけですね。
しかし、LFCはどんどん普及していくインターネットを追い風に、早い段階で自らのWEBサイトを方向転換させていきます。
liverpoolfc.tv(2001年~2012年)
2001年
2001年4月。LFCは新しいWEBサイト「LIVERPOOLFC .TV」を作成中であることを明らかにします。
ここでは「web TV」という表現がされているのが特徴的です。リニューアル後のサイト内に「Why .TV?」というコーナーがあり、その意図が語られています。
“Liverpoolfc.tv brings fans closer than ever before to their club and with daily-updated multimedia features (news, interviews and footage presented as streaming audio/video), the experience is becoming more and more TV-like. But then, that’s just what you’d expect from a site called Liverpoolfc.tv.”
「このWEBサイトがますますファンに近いものとなり、ここで得られる体験がTVのようになっていく」と言っています。単純にテキスト情報を受け取るだけでなく、ニュースやインタビュー、その他幅広くコンテンツを届けていくということがこの「.tv」というドメインに表れています。
余談ですが、「.tv」というドメインは元々は南太平洋の小国ツバルの国別ドメイン(日本でいう「.jp」)ですが、この使用権を売却し国際連合に加入したというのは有名な話です。テレビ関連を中心に今でも多く使用されていますね。
この2001年に「LIVERPOOLFC .TV」と生まれ変わったサイトがこちらです。
本当はFlash版のページもあるのですがそれは取得できず、これはFlashを使わないHTML版のページです。(Flashでサイトを作るのも、この時代の大きな特徴ですね)
TOPページの中心を速報性のあるコンテンツにして、リピーターへの情報発信の比重を増やしているのが伺えます。そして、ログインさせる会員登録の仕組みがここから登場しています。
↓が初期のTVコンテンツです。
Real Playerとか懐かしいですね・・・。この時はまだ試合のハイライトや記者会見等のリアルタイム性の高いコンテンツを配信しているわけではなさそうです。また、無料で全て観れていたようです。
2002年
そして、2002年(もしかしたら2001年後半)にはまたリニューアルしてサイトがパワーアップします。
特筆すべきは、「e-Season Ticket」の登場です。
これまでの無料会員とは別に有料会員として「e-Season Ticket」が登場しています(この名称は2010年まで続いた)。月£3,99もしくは年間£39.99でプレミアムコンテンツが観放題です。観れるのは、試合ハイライトや記者会見、試合時のスタジアム内部の様子などなど、熱心なファンが観たいと思うものを用意している印象です。
また、限定的なビッグゲームに関しては、フルマッチも時間差で配信していたようです。しかも有料会員になっていなくても、£2.99で1試合単位でも購入可能となっています。
上記の画面は2002年1月のものです。2002年といえば日韓ワールドカップがあった年ですから、その時代にしてこの取り組みはかなり先行しているのではと思います。クラブが持つ映像資産をコンテンツ化し、WEB上での有料会員へと囲い込み収益化へつなげる活動はここから始まっています。現在の「LFCTV GO」の原型がここにありますね。
その後、細かなマイナーチェンジを繰り返していきます。
より「e-Season Ticket」が強調されているのが分かります。
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