経営にみるプレミアリーグとブンデスリーガの違い

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サッカーのことを1日1回は考えている、サッカーオタクの皆さんこんにちは、とまとまです。ただいま21歳の大学3回生。最近、風呂上がりに伸びをしたら明らかに身体が固くなっている。早くも老いを感じた。ささ、私事ではあるが、まもなく本格的に就活が始まろうとしている。インターンシップやセミナーなど、就活の準備に追われる日々である。そして、ようやくスーツに慣れ始めたころだ。

 

そんな個人的な紹介はさておき、今回私が述べていくのは、「プレミアリーグの経営」である。収入源や運営方法など様々な要点を抑えながら紹介していきたい。また、これに先立ち、「ブンデスリーガの経営」も参考程度に比較しながら進めていく。何故ブンデスなのか。先に言うが、収入源において1位プレミアリーグ、2位ブンデスリーガであり、このトップ2で何が違うのかにも目を向けていきたいと思ったからである。サッカー経営において収入(お金)が全てではないが、やはり大きなウエイトを占めてくる。関わるものすべてに”お金”が絡んでいるからだ。なお今回リバプールの話題は無い上に、少々小難しい内容かもしれない。ご容赦いただきたい。

プレミアリーグの経営


(図.1 Deloitte Annual Review of Football Finance 2016より参照、筆者作成)
(ポンドを円換算にして表示。2017年2月21日現在のレート)

では見ていこう。まずプレミアリーグ(以下、プレミア)の紹介だ。
プレミアは、1992年に創設された、世界で最も多くの視聴者を有し放映権料で高い収益(図.1)をあげているのが大きな特徴だ。プレミアは各クラブが”株式会社”として運営しており、各々のクラブは契約やルールの改定に関する投票権を持つ。つまり、株式を市場に公開し、誰でもその株を購入することができるメリットがあるが故に、外国人投資家に買収しやすい環境が作られ、実際多くのクラブは買収されている。(チェルシー、リバプール等々)

先ほども述べた「放映権収入」に加え「広告料収入」、「入場料収入」が大きな割合を占める。他にも、スポンサーや移籍金、グッズ販売による収入が挙げられる。

プレミアは世界各国200以上の地域で放送されており、週1600時間程の観戦量であること、1シーズンの視聴者は約30億人、プレミアのトップ92クラブのスタジアム投資は30億ポンド(2006年当時)である。他リーグを見ても圧倒的な数字であることが分かる。

しかし、プレミアの企業統治は決して高くはなく、1992年以降、約50%のクラブが広い意味で破産に追い込まれている。プレミアの特徴として降格(チャンピオンシップへ)すると、降格救済金が与えられるが、これは降格による経営状況の悪化を阻止するものだ。

中でもプレミアが力を入れているのが、”スタジアム作り”である。日頃からプレミアを見ていれば分かると思うが、「距離近すぎ。雰囲気ヤヴァい。」なんて感じたことある方は100%(とまとま調べ)だろう。

ほとんどのクラブが”株式会社”の形式を取っていることから、スタジアムを貸与することはできない。スタジアムは原則としてクラブが私有する形だ。距離感に、独特の雰囲気、選手の息遣いや声、競った時の音。ゴールした瞬間に湧き上がる歓声。何が言いたいか。自前のスタジアムを持つことの重要性である。選手を後押しするのは”12人目の選手”と称されるサポーターなのだ。また、観客動員数は優に90%を超える。

これも「ヒルズボロの悲劇」から始まったスタジアム改革で、老朽化したスタジアムを改修する動きが活発になったのが一番の大きな要因である。

ブンデスリーガの経営


次にブンデスリーガ(以下、ブンデス)の紹介と、プレミアとの比較。
収入源は、放映権、入場料、広告料収入が7割近くを占める。残りは移籍金やグッズ収入など。
ブンデスの特徴は、まずチケットが非常に安いこと。プレミアの半分の価格で買える。なお、試合日にチケットを所有していれば、公共交通機関は無料で使用できる。サポーターにとっては大きく、手厚いサービスである。これは身近なJリーグもするべきだと個人的に思う。

ブンデスもプレミア同様に、スタジアム強化に取り組んでいる。2006年、ドイツでW杯が開催されるに伴い、多くのスタジアムが建設・改修され、収容人数も増加した。リーグ全体で最適化を行ってきた。

プレミアでは見られない運営をしており、それが“クラブライセンス制度”“ワンオーナー制禁止”という特徴的な運営方法である。
⑴クラブライセンス制度
これは、各クラブの黒字化を目指したもので、毎年3月、DFL(ドイツサッカーリーグ機構)に収入に関する資料を提出し、そこでリーグに参加するためのライセンスを交付されなければいけない。この審査に合格しないと3部へ降格が命じられる可能性もある。

⑵ワンオーナー制
ブンデスには資本の最低51%はクラブが持たなくてはいけないというものだ。DFB(ドイツサッカー連盟)は2000年に”プロサッカー部門”を母体から切り離して、独立した事業にすることによって”有限会社”になることを認められた。個人や企業が投資の対象としてクラブの売買に乗り出すことを防ぐルールを制定した。これはプレミアで見られるような”クラブの買収”が禁止され、一人のオーナーの私財によって、高額な選手をむやみに獲得するといった経営はできないような仕組みになっている。
この利点としてクラブのオーナーの資産状況により、クラブの経営が困難になるというリスクは無く、経営に安定をもたらしている。

その他にも、ドイツ育成改革は欧州随一。2000年からの大規模な育成改革によってクラブのユースアカデミーの義務化、全国390ヵ所に設置するといった育成拠点を設けた。
06/07シーズンよりドイツ人枠を設けることで、一定数のドイツ人選手が在籍できる仕組み作りを行った。「育成センターの設置・ユースアカデミーの義務化・外国人枠の撤廃・ドイツ人枠」により、ここ最近のドイツW杯優勝や若手の押し上げに見られるように、サッカーを熟知した皆さんならよく分かると思う。ドイツの選手の個々の能力は凄まじい。

この2つの制度はブンデス特有で、他には見られない点として挙げさせていただいた。

まとめ


プレミアとブンデスの違いとして細かい箇所を挙げていくときりがない。ただ、クラブの経営面で大きな違いが見受けられた。どちらが悪いというわけではなく、両者とも世界を代表するリーグであることに変わりはない。ただ個人的にはブンデスの方針は魅力的だと感じる。プレミアも良い点・悪い点を見極め、更に育成に力を入れていけるかが今後の成長に繋がる大きな課題だろう。

様々な文献を読んではきたが、この題目に対して物足りない面もあったかもしれないと同時に、量が多くなってしまった。調査していく中で新しいことが知れたのは御の字だ。皆さんも表面的な部分でなく、こういったサッカーを支える側面を見ていくのも面白いのかもしれない。

次回はここで取り上げたスタジアムに関連した記事を書こうと思う。もちろんリバプールについて。では。

参考文献


・Deloitte
「Commercial breaks Football Money League 2015」
「Annual Review of Football Finance 2016」
「英国のトップ92クラブの収益総額は、史上初めて40億ポンドを上回り、設備投資は市場最高額を記録」

・日経BP
「香川代理人が語るドイツの強み」
(日経ビジネス, 2014/04/14号, 104ページ掲載)

・HPを参考
「プロ・スポーツにおけるスタジアム戦略~英国プロ・サッカークラブのスタジアムマネジメント」
(東海大学 西崎信男 P145~P151)
「英国プレミアリーグクラブの所有形態とクラブ成績および経営との関係に関する研究」
(早稲田大学 大学院スポーツ科学研究科 2013年度修士論文)
「欧州4大プロサッカーリーグと比較した際の日本サッカー界の経営課題」
(KMPG Insight Vol.15 2015)
「フットボールリーグのマネジメントに関する:ドイツブンデスリーガに着目して」
(生涯スポーツ学研究 Vol.11 No.2 2015)

4 件のコメント

    • コメントありがとうございます。
      仰られた通りですね。
      紹介だけで終わって、個人で考察する部分が少なかったのは正しくその通りです。
      そういった点は今後、より良い記事を書くための改善点になります。
      ご指摘ありがとうございます。

    • コメントありがとうございます。
      その通りです。収益は年々増加しています。ただ、支出も物凄く多いです笑

      その事をもう少し書くことができたら良かったなと思います。

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