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プレミア名物の年末年始連戦、今シーズンもなかなかに辛いものがありますね。
日程が相変わらず過密な上に、CLグループステージ突破をかけたナポリ戦やアーセナル戦、シティ戦などビッグマッチが連続しています。
その中でも、我らがリバプールとしては最も熱くなるゲーム、それが「ナショナル・ダービー」こと、マンチェスター・ユナイテッド戦でしょう。
現状の戦績にはそれなりの差があるものの(もちろん我が軍が勝ち点16リード!)、順位関係なく燃え上がるのがダービーってもんです。
と、いうわけで、お久しぶりのプレビューにとって不足なし!マンチェスター・ユナイテッドを分析していきましょう。
ただし、今回は都合上、昨シーズンほど詳細な分析になっていないことをご了承ください(もしかしたら昨シーズンのものよりも読みやすいかも?笑)。
今回分析の対象としたのは、
- PL第15節マンU2-2アーセナル
- 同第16節マンU4-1フラム
の2試合です。各々のスタメンは以下の通り。
この2試合通じて注目すべきなのは、右WB,SBとして起用されているディオゴ・ダロト、そしてマーカス・ラッシュフォードです。ダロトは今夏ポルトから獲得したポルトガル人の19歳。右SBを基本ポジションとしているようで、ユナイテッドの怪我人事情で出場機会を得たらしいですが、モウリーニョはずいぶんお気に入りの模様。フラム戦の後には「新たなギャリー・ネヴィル」と激賞したようです。
一方のラッシュフォード、「結局彼はWGなのかCFなのか問題」でユナイテッドOBや他の論客も巻き込んで喧々諤々の議論が続く選手ですが(なんかイングランドってそんな選手ばっかりですね、ウォルコットとかウォルコットとか)、ここ数戦は好調を維持。重要なアーセナル戦ではルカクをベンチに追いやって最前線のポジションを確保しました。
ユナイテッドの攻撃
作る右サイド、仕掛ける左サイド。異なる性格のサイド攻撃は危険
この2試合でフォーメーションは異なりますが、基本的な攻撃のメカニズムはあまり変わりません。恐らくリバプール戦では4バックを採用してくるでしょうから、フラム戦のフォーメーションを元に分析していきましょう。
多くの場合はCBから右サイドへの展開がスタートになっています。相手SBを狙って裏のスペースヘ蹴り込み、ルカクと競らせるか、大外のレーンに開いたSBへ展開という形です。
ルカクが落とした場合は大外のダロトを経由してハーフスペースに入り込んだエレーラorマティッチorマタあたりが受けます。
そのままダロトに渡した場合には、ダロトからのアーリークロスというパターンもあります。なかなか精度の高いボールをバックラインとGKの間に放り込んでいました。
裏を狙って押し込んだことで相手バックラインの前にスペースが生まれます。エレーラは余裕を持って逆サイドへ振ります。ここまで展開すればほぼ2パターン、ヤングが縦に仕掛けてクロス、あるいはラッシュフォードに渡してそこからの仕掛けのどちらかです。
印象としては、昨シーズンよりもちゃんと攻撃を構築しているように見えます。
右サイドで作り、左サイドで仕掛けるという形がこの2試合では機能していました。
ラッシュフォードの好調もあって、左サイドからのドリブルでの仕掛けはなかなかに脅威ですし、フラム戦の1点目は縦に仕掛けたヤングがクロスと見せかけてそのまま逆サイドネットへ叩き込んでいます。
ただし、過去のリバプール戦において、ユナイテッドはしっかり引き込んでからルカクへロングボールという形を多用しています。特に昨シーズンのオールド・トラッフォードの対決では、空中戦に優れるファンダイクではなく、ポジショニングにポカの出やすいロヴレン、そして明らかにルカクより空中戦の弱いTAAを狙い撃ちにしていましたね。
そういった、いわゆる「アンチ・フットボール」対策は必要です。
ユナイテッドの守備
帰陣が速く、ペナルティエリア前での激しい当たりが特長。展開が速くなると集中力が怪しくなる面も……?
この2試合ではどちらもガッツリ引いての守備という感じではなかったため、リバプールとの試合の参考になるかは微妙ですが、この2試合では共通した守備の形が見られました。
CF+2列目3人の4人(あるいはCF+シャドー2人の3人)は前から相手のビルドアップにプレスを掛けます。それをかわされて縦パスが入った場合には、対応するCBが出て行ってプレッシャーをかけ、その間にバックライン+ダブルボランチが戻って守備ブロックを形成するという形です。それ以降は相手選手にパスが入る度に対応するDFが出てきて押し返すというパターンでやっていました。
が、イマイチDFラインに統率がないのがユナイテッドの守備の弱点。前向きにプレスするのは良いのですが、守備の選手達がボールウォッチャーになる場面が多く、トライに対してカバーが効いていないシーンが散見されました。見ておきたいのはフラム戦19分23秒から。
エレーラからの縦パスをセリがカットした後の場面。ボールを受けるはずだったリンガードと、パスを出したエレーラがプレスに行っています。
フラムはワンタッチパスでプレスを回避。下りてきた選手が上手くフリックしてサイドへ展開します。
サイドからもう一回縦パスを(恐らくミトロビッチに)入れるシーンで、対応していたスモーリングが前に出てプレス。中盤の底にいたマティッチもプレッシャーを掛けています。ミトロビッチはワンタッチで落とします。
フラムのワンタッチパスが連続して通り、プレスがかかり切りませんでしたが、そうだと見るとスモーリングは即座にバックラインへ帰陣。マティッチも含まれながら、ラインとして下がっていきます。
ラインを下げる基準は恐らくペナルティエリア。この付近まで到達すると、それ以上の侵入を防ぐべく、今度は恐らくフィルジョーンズがトライ。この瞬間注目して欲しいのは、ユナイテッドの守備陣ほぼ全選手がボールを持ったケアニーに注目してしまっており、裏にいる選手が完全にフリーになってしまっています。
受けた選手はカットインからシュート。デヘアの真正面に飛んだため事なきを得ましたが、アーセナル戦でも中外を激しく出し入れされた後に下がりながら対応している時には、ユナイテッド守備陣がボールウォッチャーになるシーンが見られました。
勝負のポイント・キープレーヤー
1.ボールを保持して崩しきれるか
恐らく、これまでの試合展開から考えても、アンフィールドでの試合であることを考えても、ユナイテッドは昨シーズンの通り引いて構えてくるのではないでしょうか。リバプールとしては、ボールを持って崩していけるかどうかが大きな鍵になります。今シーズンから取り組んでいるフットボールの完成度が試される試合になるでしょう。
キープレーヤー:ナビ・ケイタ
CLナポリ戦では10分程度の出場だったケイタ、ユナイテッド戦はスタメンが濃厚だと考えます。運べて叩けて(とりあえず撃てて)守備も出来る万能型のMFですが、中でも重要なのが運べる能力。引いてくる相手に対して持って仕掛けることで、守備を引きつける動きを見せたいものです。ケイタが引きつけておいてからワンタッチパスのコンビネーションでサイドを突破、低いクロスボールに中で合わせる……と、シティの試合の解説してるみたいですが笑、形は見えてきました。
2.ユナイテッドのロングカウンターを抑えきれるか
前回対戦でもロングカウンターから悪夢のような2失点。今回もロングカウンター狙いで来るならしっかりと対策は必要です。
キープレーヤー:デヤン・ロヴレン
ユナイテッドも怪我人続出らしいですが、リバプールの守備陣も負けずに怪我人続出中。CBはゴメス、マティプが揃って長期離脱を強いられており、ダイクのパートナーは恐らくロヴレンになるでしょう。前回対戦ではルカクに競り負け敗戦の一因を担ってしまったロヴレンですが、元々空中戦は弱い選手ではなく、特に落下点にしっかりと入れた場合にはかなりの強さを誇ります。相手の攻撃陣はカットアウトしてサイドに流れながらロングボールを受けるという形が増えてくるでしょうが、それでもしっかり対応出来るかどうか、ロヴレンの真価というか進化が問われます。
予想スターティングメンバー
リバプールはボール保持時間が長くなると予想し、4-2-3-1としました。バックラインの予想は困難ですが、TAAは間に合わなそうな感じです。だとすると右SBミルナーが濃厚ですが、クラインが全体練習に復帰したという話もあります。中盤以前の構成はほぼこうなるでしょうが、中盤センターはやや予想が難しいです。ミッドウィークではヘンド、ジニ、ミリ—の3センター形だったため彼らは(ミリ—を除き)外していますが、ヘンドはキャプテンという点含め十分あり得ると思います。個人的には、ボール保持する展開の試合ではヘンドよりもファビーニョの方がタイプとして合っていると感じているので、試してみても面白いと思うのですが……。
ユナイテッドに関してですが、ミッドウィークのバレンシア戦はグループステージ突破を決めていたこともあってローテーションを採用していたため、週末はほぼ完全なフルメンバーで来るでしょう。ただし、バレンシア戦にフル出場しているマタだけはマルシャルと代わる可能性があります。その場合はマルシャルが左でラッシュフォードかリンガードが右に回るでしょう。
屈辱的なことに、PLでのユナイテッドとの対戦、クロップの下でリバプールは勝利したことがありません。
何度も何度もバスを止められ、ロングカウンター1発で沈められ、「こんなクソみたいなサッカーに負けるのか……」と画面の前で涙を流してきたことでしょう。僕はそうでした。
しかし、恐れるものは何もありません。
我々は無敗で首位。向こうはこっちから勝ち点16も離されているチームです。
油断するわけではありませんが、我々の方が強いのです。
見せつけてやりましょう。
新たなリバプール。強いリバプール。
プレミアリーグの栄冠に輝くリバプールを!
そのために越えなければならない壁なら、ぶち破っていこうじゃありませんか。
それでは皆様、YNWA!!!
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