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えーと。皆様。結局お久しぶりになってしまいました、トリコレッズです。
ですが、ナショナルダービーとなっては話は別。全てを振り捨ててでも盛り上げなければなりませんね。
で、どうしようかなぁと思ったんですが、強豪相手の試合ということで、今節のクリスタルパレス戦ではなく、
1節前のチェルシー戦をレビューしようと思います。
また、チェルシーは3バックでリバプールとやり方が異なるところがあるので、CL前節のセビージャ戦も軽く触れていきたい……と思っていたんですが、すみません、これ書いてるのが3/10の午前9時なので、ちょっと無理です……。
スタメン・フォーメーション図
ユナイテッドのフォーメーションについては様々な書かれ方をしていましたが、試合中にはほとんどこのような4-2-2-2の形になっていたと思います。恐らくこれは対チェルシーシフトです。詳しいことは後述します。
チェルシーは一時期3-5-2を導入していましたが、最近ではまた昨シーズンと同じ3-4-2-1になっているようです。
試合展開
試合開始前にはモウリーニョ対コンテの激しい舌戦が注目されていましたが、試合が始まるとなんとなく予想通りの堅い展開に。
主にはチェルシーがボールを保持しますが、ユナイテッドは堅く守ってカウンターを狙っていきます。
中でも活躍していたのが、試合後にはモウリーニョやマティッチのコメント、また各種メディアでも話題になったユナイテッド下部組織出身のマクトミネイ。詳しい働きについては後述しますが、アザールに対してスッポンマークに近いマンツーマンを披露し、相手のキープレーヤーを抑えきることに成功します。
それでも31分、ユナイテッドのCKをウィリアンが拾うとそこから高速カウンター発動し、最後にはアザールからのリターンを再度受けたウィリアンがデヘアのニアをぶち抜いてゴール。チェルシーが先制に成功します。
ユナイテッドにはそれらしいチャンスがないまま前半が終了するかと思われましたが、40分、直前の接触プレーでクリステンセンが倒れていたスペースをマルシャルが突き、ルカクとのワンツーからルカクがゴール。同点に追いつきます。
後半さらに堅い展開になりますが、迎えた75分。サイドに流れたルカクがクロスボールを供給すると、途中出場のリンガードがクロスに飛び込んでヘディングでゴール。ユナイテッドがそのまま押し切って2-1で逆転勝利を飾りました。
試合スタッツ
攻撃的スタッツに関してはほぼ全てチェルシーがリードしていますが、比較的拮抗した印象。良く言えばヒリヒリする、悪く言えば特に何も起こらないやや地味な試合展開でした。
マンチェスター・Uの攻撃
ユナイテッドの攻撃のやり方は主に2つ。
1つはとりあえずポグバに渡して何かしてもらう方法。
キープ力、展開力に優れるポグバがボールを運び、サイドをコンビネーションで崩したり、キラーパスを狙ったりという形です。
私見ですが、ポグバはユナイテッドにいるよりもしかしてリバプールにいる方がいいのでは…?という気がしています。
ユナイテッドではマティッチ、マクトミネイの3列目がどうしても深くなるため、ポグバの主な仕事はアタッキングサードにボールを運ぶことになります。これだと、前述のようにキープ力、展開力は活きるのですが、ペナルティエリア内に迫力を持って入っていく様なプレーはどうしても発揮しづらくなるので、リバプールのインサイドハーフのようにピッチを広く使える方がいいのかなと思うのですが…ま、それはいいです。
もう1つの方法も単純なプレーですが、これを見ていきましょう。時間は6分20秒付近、また49分30秒付近です。
バックライン+マティッチで単純にパスを回しています。これ自体にそれほど目的があるようには思えませんが、とりあえず相手が引き出されてきてくれると良いなという感じです。
そこから右サイドのバレンシアへ展開すると、バレンシアはそのまま右サイドの縦へロングパス。
受けたルカクはポストプレーと見せかけて後ろへフリック。走り合いになりましたが、このシーンではボールを奪われてしまいました。
49分30秒のプレーでも同じように、バックラインで回してからサイドバックへ展開し、サイドに開いたFWにロングボールというパターンです。
同じように、マティッチからCBへバックパスし、相手を引きつけようとします。
そこからサイドバックのヤングへ展開。今度はダイレクトでマティッチへ返し、マティッチがロングボールを送ります。
走り合いになりましたが、今回はアスピリクエタのカバーリング勝ちです。
このように、各所で語られていることではありますが、モウリーニョ・ユナイテッドはそれほど攻撃戦術を緻密に構築しているわけではありません。
ただし選手の個人的なレベルが高いため、それだけでもどうにか攻撃になってしまうところがユナイテッドの怖いところでもあります。
マンチェスター・Uの守備
この試合は前述のように試合中4-2-2-2のように見えたユナイテッド。
ここで特に目立ったのはマティッチ、マクトミネイのダブルボランチのボール奪取能力でした。
特に、この試合でマクトミネイはアザールをマンツーマンに近いような形でチェックし、試合から追い出すことに成功していました。
そんな4-2-2-2の狙いが見られたシーンを見てみましょう。時間は12分30秒付近です。
マルコス・アロンソから下がっていたドリンクウォーターへのバックパスに対し、サンチェスがプレスをかけます。
ドリンクウォーターはサンチェスのプレスを交わして前へ進みますが、サンチェスは諦めずに追いかけます。
アロンソが絞りながら右SBのバレンシアを引き連れて左サイドにスペースを空けます。
すると、今は映っていませんがアザールが左サイドへ開き、ドリンクウォーターからのパスを引き出します。
アザールが左サイドに大きく開いているにも関わらず、守備的センターハーフとして中央にいるはずのマクトミネイはアザールにしっかりとついてきます。その引き替えとして中央が空いているはずですが…
中央ではスモーリングが前に出てモラタを牽制。もともとスモーリングは下がっていく相手に対して前に飛び出してプレッシャーをかけるプレーが得意な選手なので、ここを任せる選手としては適任でしょう。
モラタは右サイドに大きく展開しますが、その間にユナイテッドの選手は一気にラインを下げます。
結局クロスをブロックし、チェルシーの攻撃を止めることに成功しました。
これが恐らく4-2-2-2の狙いで、アザールに対してマクトミネイがピッチ上大体の場所でマークにつくことで中央が空くことに対し、中央の人員を増やして各々カバーリングが可能であるようにすること、またチェルシーは3バックで純粋なサイドがウィングバックしかいないため、そこにはサイドバックが対応すればよい(今回ではアロンソとの入れ替わりで大外にアザールが出ていましたが、アロンソにはやはりサイドバックのバレンシアが対応していました)ということなのでしょう。
しかし、この守備陣形が裏目に出たのが7分30秒付近のプレー。
3バックの中央、クリステンセンがドリブルで持ち上がります。ルカクは後追いしますが、プレッシャーをかけるだけで追いつく感じではありません。
あれ?
あれあれ?と持ち上がったところで、
ボールが長くなりマティッチにカットされましたが、意外にあっさりと中央を突破されたシーンでした。
マンチェスター・U総括
ユナイテッドサポーターが「アタック!アタック!アタック!」と叫ぶのも理解が出来ます。
守備はディフェンシブサードに入った時点で前時代的なマンツーマンに移行し、攻撃はロングボールで行ってこい作戦。
いろいろ気になることはありますが、皆さんも恐らくお読みになった下記の記事が全てを物語っている気がするので、とりあえずリンクを貼っておきます。
【NEW】ディストピアのフットボールを奉ずる暗黒の預言者モウリーニョhttps://t.co/Cdy3TNYjbh
――ショッキングなまでに保守的なマンチェスター・ユナイテッド。誰が今、モウリーニョを必要としているのか?いかにして地味で保守的なチームを築くに至ったのか? #MUFC #モウリーニョ #ユナイテッド— footballista (@footballista_jp) February 19, 2018
結局のところ、必ずバスは来ます。ユナイテッド2位、リバプール3位、リバプールが勝てば順位逆転というタイミングで迎えたこの試合において、モウリーニョがわざわざ攻めてくる理由が見当たりません(その裏を掻いて……ということも一応あり得なくはないですが、リバプールのような高速カウンターを持っているチームに対してそれはリスキーでしょう)。そこに対して我々はイケイケで行くのもいいのですが、バスを止めたモウリーニョのチームに対してイケイケで行くというシチュエーション、何か嫌なものを思い出す気がしてなりません。十分なリスク管理が必要でしょう。
勝負のポイント・キープレーヤー
1.ユナイテッドのカウンターを止められるか
まずは守備的な面から。ユナイテッドが守備でボールを奪い返したときに、単純にサイドめがけてロングボールを蹴ることが出来るのは、
スピード、パワー、テクニック、全てに優れたルカクの存在が大きいでしょう。
そこで起点を作られてしまうと、個人技や決定力のあるサンチェス、マルシャル、ポグバあたりが襲いかかってくることになります。そのため、出来ればルカクの時点で潰しておきたいでしょう。
キープレーヤー:ファン・ダイク
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ルカクがスピード・パワー・テクニックに優れているといいましたが、我々にもそういう選手はいます。それがフィルジル・ファン・ダイク。色々あって加入は半年遅れましたが、最近はその値段に見合った十分なプレーを見せてくれていると感じています。
その身体能力の高さ、守備の読み、冷静さ、ルカクと張り合うには十分でしょう。
2.マクトミネイの若さを引き出せるか
次は攻撃面。先ほど紹介したユナイテッドの新鋭、スコット・マクトミネイですが、見れば見るほど良い選手です。
若いながらも粘りと落ち着きがあり、詳しく解説する時間がないのが惜しいぐらいですが、アザールに対する守備時のスタンス(立ち位置、体勢等々)も正しいものだったように思えます。
ですが、彼はまだ21歳。試合中の瞬間的な判断や集中力に対してほんの少しだけ隙があったことも事実です。
この試合での失点シーンや、他にもサンチェスにポジショニングの修正を指示されることもあり、流石に完璧とはいかないようです。
我々が狙うとすればそこでしょう。
キープレーヤー:ロベルト・フィルミーノ
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もう、僕はここで何回キープレーヤーに挙げたのでしょうか?笑
それほどまでに、相手のギャップを突いたり、嫌らしいポジションに入り込んだり、巧みなプレーが出来る選手です。もちろんそれだけではありませんが。
本当のところ、ここには(恐らく試合中マクトミネイとマッチアップする)インサイドハーフの選手を書きたいのですが、オフザボールが一番上手いララーナは今日も恐らく先発を外れるので、ボビーにしておきました。
ここでは両ウィングとのコンビネーションが非常に重要で、ウィングが相手を引きつけ、サイドバックのサポートにセンターハーフが引きつけられたところのギャップをボビーが使うような形が見られるとチャンスが広がると見ています。考えられるのはそこにスモーリングが突いてくる形なので、そうすればさらに逆サイドのウィング、さらにジャン辺りが入ってくれば……一気に得点のチャンスになるでしょう。
左サイドでマネがつっかけることで、バレンシア&マクトミネイをつり出します。そのスペースにボビーが入り込んで……
空いたスペースに他の選手が入り込む。理想型としてはこういった形です。
3.モウリーニョのペースにいかに巻き込まれないか
忘れもしないでしょう。モウリーニョが作ったチームの停めたバスに真っ正面から突っ込んでいって、悲しき玉砕を喫したあの試合を。
対戦相手こそ違えど、監督は同じモウリーニョ。今シーズンのアンフィールドでの試合も見事に守りきられていますし、もうああいうことになるわけにはいきません。
キーマン:ユルゲン・クロップ
プレミアを逃した後、スアレスを失い、スティーヴィーを失い、再度路頭に迷いかけた1シーズン半。
アンフィールドに、もう一度地鳴りのような轟音を取り戻したのは、このヘヴィーメタル・ジャーマンでした。
(ジャーマンメタルっていうとhelloweenとかですね。どうでもいいですか。興味ない人すみません。)
サイドラインを走り回って喜び、長身を振り回して檄を飛ばし、真っ赤な顔で叫びまくる。
彼のような男がピッチの選手を、そしてスタンドを鼓舞するからこそ、リバプールは今、また燃え上がっているのです。
ユナイテッドは宿敵です。僕としては正直鼻っ面にぶちかましてやりたい。
シティを粉砕した、あの火の出るようなフットボールを期待しましょう。
それではこの辺で。C’mon you REDS! YNWA!!!
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