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- 選手名:アンドリュー・ロバートソン
- 生年月日:1994年3月11日
- 国籍:スコットランド
- 身長:178cm
- ポジション:LSB
- 背番号:26
- クラブキャリア:クイーンズ・パーク(SCO/13-14~), ダンディー・ユナイテッド(SCO/14-15~), ハル・シティ(ENG/14-15~), リバプール(ENG/17-18~)
- 市場価格:65.00Mill.€
- 契約満了年:2026年6月30日
プレースタイル
ストロングポイント
豊富な運動量を武器に活発な上下動を繰り返し、攻守に渡って活躍する世界でもトップクラスの現代型左サイドバック。
攻撃面で挙げられるのはやはり精度の高い左足のキックだ。果敢な攻撃参加から繰り出す高精度のクロスでSBというポジションでありながら中盤、前線の選手顔負けのアシスト数を叩き出す。局面によって速いグラウンダー、ふわりとした軌道、強烈なアーリークロスなど様々なクロスを使い分けるプレーからは、キック精度のみならず高い状況判断能力も垣間見ることができる。彼の左足はクロスのみならず、アシスト数を競い合う右SBのトレント=アレクサンダー・アーノルドとのコンビネーションにも力を発揮する。通常であれば中の選手を経由して交わされるような大外への大きなサイドチェンジも左足一閃で通してみせる。プライベートでも仲の良い二人の息の合ったパス交換はリバプールを支えていると言って差し支えないだろう。
持ち運んだ方が良いと判断すれば、急加速しながら単騎で果敢にドリブル突破を仕掛ける。良い意味でSBらしくなく、縦だけでなく中央にも思い切り良く侵入し独力で起点を作ることができ、先述した高精度のキックとの相乗効果で守備者にとって大変対応しづらい選手であることは間違いない。
さらにボール保持時に加え、オフザボールの動きも優れている。左ウイングのサディオ・マネやディオゴ・ジョタ、左インサイドハーフの動きを確認しながら、インナーラップ、オーバーラップを効果的に使い分けたフリーランは、高精度のクロスといった彼の武器をより効果的に生かすだけでなく、周りの選手にフリーでプレーするチャンスを与える。
SBとしての知見を活かし、これらの守備対応がしづらい、相手にとって嫌なプレー選択で数的優位な局面を作りだす姿からは高いインテリジェンスも感じることが出来る。
積極的な攻撃参加をするSBは、特に彼のように絶対的なフィジカル能力を持ち合わせていない場合に守備面が懸念されがちだが、彼の高い守備能力は強みに数えられる。
これは全てのプレーに生かされる彼の良さだが、守備時にもその粘り強さを遺憾なく発揮する。一対一の局面で不用意に突っ込む事やスピードで千切られてしまうような事はほとんどなく、適切な間合いを保ちながらぐっと堪えて対峙し、タイミングよく相手の隙を見つけボールを奪取する。仮に攻撃参加やプレッシングから裏を取られてしまっても、猛然とスプリントして相手を追いかけ、決して諦めてしまう事はない。クロスやシュートに対し、身を投げ出してブロックするシーンも印象的で、リバプールの選手らしい気持ちの篭った熱いプレーで観客を魅了する。どんな状況でも粘り強く対応し、最後には体を張ったプレーで決定機を阻止する姿からは、彼の並外れた献身性が見てとれる。
ネガティブ・トランジションの速さにも目を見張るものがある。自身がボールを失った際にはすぐに切り替えてプレスをかけ、執拗に追いかけ回し、攻撃を遅らせてピンチの芽を摘み取る。時にはこのチェイシングからボールを奪い取り、一転決定機を演出することさえある。また、被カウンター時にセンターバックの二人が孤立しがちなリバプールにおいて、彼の素早いカバーは幾度となくピンチを救ってきた。難しい局面でも判断を誤らず全力で適切な対応を行うことができる。
守備時のポジショニングでも違いを見せる。他の選手の立ち位置を確認しながら小刻みに動き直し、容易に最終ラインを突破させない。また優れたポジショニングから守備時のこぼれ球にいち早く反応し、適切な状況判断により効果的なパスを供給。時には猛然とスプリントして駆け上がり、ペナルティエリア近くまで侵入してあっという間に決定機を創出する。
守備を疎かにすることなく、かつ相手に脅威を与え続ける彼はリバプールにとって大きな存在であると言えるだろう。
プレーにも如実に現れている所だが、そういったタイプの選手が多いリバプールの中でも一際情熱的な性格である。試合中は常に全力で献身的にプレーし、怠慢という言葉から最も遠い姿を見せる。スコットランド代表でキャプテンを務めているだけあってキャプテンシーも持ち合わせており、試合中に仲間に対して檄を飛ばすこともしばしば。このようにピッチ内では真面目で熱い彼だが、ピッチ外では喜んではしゃぐお調子者タイプで、チームメイトと陽気に騒ぐ姿がSNSなどで確認できる。
ウィークポイント
フィジカル不足でデュエルに決定的な問題を抱えているわけではないものの、やはり身長178cmと小柄であることから空中戦の弱さは否めない。左CBのフィルジル・ファン・ダイクとの連携や、ポジショニング、その後の対応で補ってはいるものの、時折空中戦で後手に回るケースが見られる。
また、年々改善され回数は少なくなっているものの、積極的な攻撃参加やプレッシングによって空いたスペースを活かされピンチを招くことがある。攻撃参加とピンチを招かない守備は少なからずトレードオフの関係にあることを考えると、ウィークポイントとしてしまうのは少々酷かもしれない。しかし彼だからこそ最高のバランスでのプレーを期待してしまう。
攻撃参加ではその高精度の左足を遺憾無く活かす彼だが、逆足には課題を抱えている。右足を使う選択をすることが非常に少なく、また精度も高いとは言い難い。中央に切り込んでいくプレーは右足の課題が改善すればさらに脅威を増すだろう。比較されがちなアーノルドに近頃逆足の改善が見られることも相まって、課題克服が求められる。
熱い性格の彼だが、それ故にヒートアップしすぎて不必要なカードを貰ってしまうことがある。最近では、2021-22シーズンのトッテナム戦で得点シーンでの接触の報復とも取られるようなプレーで退場を招いてしまった。不用意な警告、退場は単にチームにとって不利なだけではなく、試合の流れを変えてしまうこともある。人一倍献身的な彼にはチーム全体を考えた冷静なプレーを期待したい。
エピソード・小ネタ
◆身長が低いことを理由に15歳でセルティックのユースを追われた過去を持つ。その後アマチュアクラブでサッカーをしながら生活のためにスーパーのレジ打ちをしていたことも。当時の苦しい生活と心の内が伺えるツイートも残されている。挫折をバネに辛い時期を乗り越え、今や世界最高のSBの一人となったと考えて彼を見ると感慨深いものがある。
life at this age is rubbish with no money #needajob
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) August 18, 2012
◆愛称はロボ。前述の通りの波瀾万丈の人生を綴った自伝のタイトルも「Robbo」である。
◆サッカー協会のアルバイトとしてスコットランド対ベルギーの親善試合で負傷していたヴァンサン・コンパニを案内したことがある。そんな彼も今やスコットランド代表でキャプテンを務め、あと一歩で母国をW杯へ導こうとしている。国際情勢により予選が遅れてしまっているが、ナショナルチームで奮闘する彼の勇姿を見届けたい。
◆セルティックを追われた彼だが、現在はクラブに恨みを持っているような事はなく、試合結果もチェックしているようだ。スティーブン・ジェラードがレンジャーズを率いてスコテッシュ・プレミアリーグ首位を独走していた際には、リバプールのレジェンドとしてジェラードの成功を祈りつつ、熱心なセルティックファンとして育ったのでレンジャーズの躍進を手放しで喜ぶことはできないという趣旨のコメントを残している。彼のセルティック愛が感じられるエピソードでだ。
◆先日、オールドファームで現セルティック所属の旗手怜央が活躍した際には彼を褒め称えるツイートをしていた。
Hatate a serious player 🔥🔝
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) February 2, 2022
◆ジェームズ・ミルナーから多くのことを学んでいるようで、「彼の本に挟んである栞から学ぶことができる」とのコメントを残している。ツイートからも彼をいかに慕っているかが垣間見える。
That feeling when Milly is back in training 🥰 pic.twitter.com/2Qb7MRDwD0
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) December 23, 2020
‘Bring your dad to work’ day pic.twitter.com/oXEGKsV46j
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) August 15, 2020
◆リバプールでできるだけ長くプレーしたい旨の発言をしている。前述のミルナーとの関係性から、鉄人タイプの選手として末長くリバプールを支えてほしいものである。
◆アーノルドとかなり仲が良く、よく通話をするそう。リーグ優勝を果たした際にはアーノルドからの複数の不在着信をツーショットの待ち受けと共にTwitterに投稿し、話題になった。
Wonder what he wants 😏 Looks like I’ll need to update my background!! CHAMPIONS!!!!🏆 pic.twitter.com/UNIfcQoB7q
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) June 25, 2020
◆お小遣いを使って寄付をした少年に自分のユニフォームではなくロベルト・フィルミーノのサイン入りユニフォームをプレゼント。理由は左サイドバックのユニフォームなんて誰も欲しがらないから、とのことだ。なお、その少年は次のシーズンにロバートソンのユニフォームを購入。
◆前述のユニフォームをプレゼントする話から伺えるように、ピッチ外では心優しい謙虚な青年。バッテン病という難病を患う子供の支援に力を注いでいるようで、メルウッドに招待した際の写真とその際のツイートを固定している。
It was a privilege to welcome Ollie and Amelia to melwood today! Two wonderful kids who deserve every bit of support we can give them ❤️ https://t.co/g8zU3stq5P
— Andy Robertson (@andrewrobertso5) March 6, 2019
*このページはマジスタ(@Magista7ynwa)さんから引き継いでいます。
ロボ、レジ打ち出身だったんですね…頑張って欲しい!
あと、少ない、は誤植ですかね!少なくない、ではないかと!
ロボがレジ打ちしてる姿…見てみたいですよね笑応援したくなります^^
ご指摘ありがとうございます!訂正させて頂きました( .. )