コーディ・ガクポのプレースタイル/プロフィール|選手名鑑

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お気に入りの選手はロバートソン。正統派SBが好き。 スコットランド代表も追ってます。

出典:LFC公式Twitter

  • 選手名:Cody Gakpo
  • 生年月日:1999年5月7日
  • 国籍:オランダ
  • 身長:189cm
  • ポジション:LWG, RWG, CF, AMF
  • 背番号:18
  • クラブキャリア:PSV(NED/18-19~), リバプール(ENG/22-23~)
  • 市場価格:60.00Mill.€
  • 契約満了年:2028年6月30日

プレースタイル

恵まれた体格と類い稀なボールスキルで将来を嘱望されたオランダ人ウインガー。得点、アシストどちらもこなすマルチなプレースタイル。カタール・ワールドカップで株を上げたこのタイミングでリバプールに電撃移籍となった。

ストロングポイント

出典:PSV公式Twitter

189cmと身長に恵まれており、フィジカル的素質は申し分ない。ドリブル時などに垣間見えるようにボディバランスも悪くなく、自分の身体を上手くコーディネートする力も高い。この点に関してはダルウィン・ヌニェスに通ずるものがあり、世界最高峰のフィジカルが必要とされるプレミアリーグであっても少なくとも体格がネックになることはないと予想される。

フィニッシュに優れており左右どちらでもシュート可能。パワーに振り切ったショットと言うよりも狙い澄ましたものやグラウンダー性のものが多い。結果的にオフサイドにはなったものの、ヨーロッパリーグのアーセナル戦ではアーロン・ラムズデールとの一対一でふわりと浮かせた頭上を撃ち抜くショットを披露した。プレミアリーグでも高水準のキーパーに対してこのようなプレーを見せられるのは期待が持てるポイントだ。また、両足に加え身長を活かしたヘディングでのゴールもある程度見られ、多彩なフィニッシュの選択肢を持つことも長所と言えるだろう。

両足のクロス精度も目を見張るものがあり、ピンポイントの完璧なセンタリングを披露する。クロスやフィニッシュの正確性に見て取れるようにキックが非常に得意であり、PSVではプレースキッカーを担当していた。リバプールにはトレント・アレクサンダー=アーノルドやアンディ・ロバートソンといったセットプレーの名手が多く在籍することからこの長所自体がすぐに武器になることは少ないと考えられるが、キッカーを任されるほどのキック精度を持つことは確実に長所と言える。さらに言えば蹴り手側の視点を持ってプレーできることは多少なりともプラスに働くことだろう。将来的にキッカーを務めるようになる可能性も十分にある。

このようにアタッキングサードのタスクは大抵そつなくこなすガクポだが、特筆すべきはそれらのキック能力とドリブルの巧みさを兼ね備えるからこそ成り立つ高い得点関与能力だ。ペナルティエリア周辺でボールを受け取ると持ち前のドリブル技術を発揮し、ディフェンス陣の待ちを外して決定的な場面を演出する。カットインを好む傾向にあり、サディオ・マネやルイス・ディアスを彷彿とさせるようなゴールを披露することも。さらに縦に切り込んでのクロスという選択肢も持ち合わせている。両足どちらでもある程度のセンタリングを放り込むことが出来るのも素晴らしい。カットインからのフィニッシュと縦突破からのクロスの二択を突きつけられると、守備者はより難しい対応を迫られることとなる。特にマッチアップするRSBの選手にとって、ガクポは間違いなく厄介な存在になるだろう。

彼はエールディヒジで昨季12G13A、今季9G12Aを記録している。ファイナルサードでゴール、アシストどちらのタスクも高水準でこなすことが出来るのは、フィニッシュがクローズアップされがちではあるが、その実、高精度のクロスによる高いアシスト能力も兼ね備え、それらの選択肢に持ち込むためのドリブル技術にも長けていることによる相乗効果の産物だろう。

カウンターを狙う局面では裏抜けを積極的に仕掛ける。抜け出して決定的なフィニッシュワークに持ち込むことは勿論、彼の動きによってDFの注意を集め周囲の選手にスペースを与えることも可能。裏を取らずに前線の受け手となっても彼のドリブル能力が遺憾なく発揮される。自陣深くやハーフウェーライン付近から一気に駆け上がる場面では、相手を抜き切る技術とフィジカル的資質に裏打ちされた縦への推進力が輝く。長距離のドリブルはポール・ポグバを想起させるような長い手足を活かしたダイナミックなものである。さらに後ろ向きに受けてレイオフの動きをこなし、恵まれた体格を生かして起点となることもできる。

ルーク・デ・ヨングの次点でキャプテンを務めていたことからも分かるようにキャプテンシーも持ち合わせており、試合中に周囲の選手に主体的に声をかける姿も見られる。また、真面目な性格で怠慢プレーを見せることはほとんどない。これらの点はリバプールがスカウティングの段階でおそらく重視しているポイントでもあり、ユルゲン・クロップのチームに適応する上でプラスになってくるだろう。

ポリバレント能力にも長けており、前線のポジションならどこも高い水準でこなす。右利きではあるものの、何度も述べているように両足を使いこなすことができる点はSTやCFといった中央のタスクをこなす場合に特にポジティブに作用。非常に少ない回数ではあるものの、過去にRWGをこなした経歴もある。

ウィークポイント

出典:PSV公式Twitter

明確に弱点と言えるのは守備力だろう。真面目な性格故に守備を怠るということはないが、プレスのタイミングや連動性といった巧みさの部分で問題がある。リトリートというよりもむしろ前線から激しくプレスに行くことが多いリバプールでは攻撃陣の守備力が大変重要になってくる。ハイプレスハイラインが諸刃の剣と言われる所以であるが、連携ミスによって一列突破されると即決定機を演出されてしまうからである。この点に関しては練習によって時間をかけて徐々にフィットしていく選手も多いが、チーム状況を鑑みるといち早く修正に取り組んでもらいたい。

また、カウンターやショートカウンターによる攻撃を仕掛ける際のポジショニングも課題だ。裏抜けを積極的に狙っているとはいえオフサイドとなる場面は少なくなく、もっと言えば明らかにオフサイドポジションをとっていることが自覚できる場面も多数ある。持ち前のシュート能力で沈めた得点を不意にしてしまう姿も見られ、これではいくら得点能力に優れていてもオフサイドになってしまっては意味がない。カウンター気味の縦に早い攻撃が多く見られるリバプールにおいて改善が必須の課題だ。

上記二つに共通する課題とも言えるが、インテリジェンスに優れた選手とは言い難い。ドリブルのコース取りやオフザボールのランニング、ポジショニングの甘さにその弱点が現れていると感じる。攻撃の際、やや単調になりがちな傾向もオンザボールの技術というよりはむしろインテリジェンスの部分に問題の本質があるのではないだろうか。持ち前のボールスキルやフィジカル的資質を活かすためにもサッカーIQの向上が求められる。

最後に、これを彼の短所としてしまうのは少々可哀想ではあるが、リバプールに足りていないRWGのバックアッパーをこなすのは現時点では難しい印象だ。攻撃面では両足使えるとは言え、やはりカットインを自分の武器にしている以上、右利きの選手がRWGに入ってLWGの際と同じような得点能力を披露できるのか、守備者に同程度の負担を押し付けられるのかは疑問が残る。とは言え、現状でも左足でのクロス、シュートともに精度に大きな問題はなく、利き足ほどでは無いにしろ弱点にはなっていない。逆に考えれば、普段とは反対側のサイドに位置取ることで、クロスを利き足でスピーディーにあげられると考えることも出来る。

大きな問題は攻撃面よりも守備面だ。現状、リバプールは右インサイドハーフが守備的に強力な選手が存在しないボトルネックになっていることに加え、RSBのアーノルドは守備に致命的な欠陥を抱えている。モハメド・サラーは攻撃だけでなく守備面でも非常に優れたタレントであり、時にアーノルドのカバーまでこなす驚異的な走力を持つ。その彼がウイングを務めている現状ですら右サイドの守備力はチームの明確な弱点。そこに守備を苦手とするガクポを起用すれば右サイドからの失点数は悲劇的な数字を記録するだろう。このような状況で彼をRWGとして起用することは賢明な判断ではない。

エピソード・小ネタ

出典:LFC公式Twitter

◆オランダで5番目に大きな都市であるアイントホーフェンに生まれ育ち、その町のクラブであるPSVで成長してきた。リバプール移籍がアイントホーフェンから活動の場を移す初めての機会となる。PSV一筋のキャリアだっただけありクラブからもかなり愛されている模様。

◆父親はトーゴ人で母親がオランダ人である。

◆敬虔なキリスト教徒である。

◆2021-22シーズンにはオランダ最優秀選手賞を受賞している。

◆彼の名前をガクポと呼ぶのか、はたまたハクポが正解なのかはさまざまな議論がある。彼の父親はフランス語を用いるトーゴの生まれであり、そこを考えると「ガクポ」が適切かもしれない。個人的にはプレー集などで耳にするオランダ人実況者の呼び方や、W杯でのオランダ代表ファン・ハール監督の発音を聞くに、「ハクポ」が適切なのではないかと思っている。今のところ多数派はガクポだが、今後何かしらの展開を見せるだろうか。

◆オランダ代表で共にプレーするフィルジル・ファン・ダイクとは交友があり、ガクポは今回の移籍にも彼の存在は大きく影響したと語っている。共にプレーする選手に求めるプレー水準が高い印象のあるファン・ダイクが太鼓判を押すなら、ガクポもきっと大丈夫(?)

◆かつてPSVに在籍した日本代表MF堂安律とも交友がある。インスタグラムにて、今回の移籍に際して堂安からお祝いのストーリーが投稿されていた。

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