データ分析から読み解く地元クラブの優勝と育成~10歳前後のファンをリバプールでプロデビューさせる方法!?~

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武田@武憲
@Carra23より1年と1日分だけお兄さんです。@Carra23と違って、温和で謙虚にやっていきたい思っています。ブログ「リバプドリアンの憂鬱」始めました。

皆さん、いよいよプレミアリーグが開幕しましたがシーズンオフはいかがお過ごしでしたか?

私の場合、子供の頃からから高校野球を観るのが好きなもんですから、夏の間は母校の試合結果に一喜一憂するのが常です。いつもの年であれば、母校の敗退のショックが癒えた頃にプレミアリーグが開幕する流れで、スムーズにシーズンインします。しかし、今年は母校がノーシードから地区大会を勝ち上がり甲子園出場したうえに、プレミアリーグの開幕がいつもの年より1週間早い。高校野球を気にしつつ、リバプールの試合も観なければならないという、嬉しい悲鳴をあげております。

今回は、「少年期の経験が地元野球チームを熱狂的に応援するようになることに影響を与えるか」というビックデータ分析専門家が取り上げた話題をもとに、

「少年期の地元チームの優勝が高校生年代の育成にどう影響するか」

を事例を挙げて検証、最後に「リバプールのCL優勝が若手育成にどう影響するか」という話題を取り上げたいと思います。

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ビックデータ分析からみえてくるもの

スティーヴンズ=ダヴィドウィッツというひとが「少年期の経験が地元野球チームを熱狂的に応援するようになることに影響を与えるか」という問題を取り上げています。

  • ニューヨーク在住の男性がメッツファンである比率を生まれ年ごとにプロットすると二山の分布になり1962年と1978年がそれぞれのピークになる。メッツが1969年と1986年にワールドシリーズを制覇していることを考えると、7~8歳の時の経験がひいきチームを持つかどうかに大きく効いているのではないかと推測できる。

 

  • その仮説を検証するためにフェイスブックの「いいね!」を分析すると,1962年生まれの男性にオリオールズ(1970年優勝),1963年生まれの男性にパイレーツ(1971年優勝)のファンが飛び抜けて多いこともわかった。さらに全チームについて調べグラフにプロットすると8~11歳ぐらいの時に地元チームがワールドシリーズで優勝するとファンになりやすいというカーブが得られた。(なお女性について調べると,パターンは遙かに不鮮明だが,ピーク年齢は22歳頃である)

このトピックをもとに高校野球と高校サッカーのチームを例に挙げて、少年期にファンになることと高校進学後の実績に相関関係があるかどうか考えてみたいと思います。

事例1:【野球】宇和島東高校

88年選抜優勝。四国の片田舎の公立高にも関わらず、4年連続でプロ野球選手選手を輩出《94年平井正史(オリックス)95年橋本将(ロッテ)96年宮出隆自(ヤクルト)97年岩村明憲(ヤクルト)》。プロ野球選手になった選手たちは、88年選抜優勝時8歳〜11歳の少年だった。彼らは中学時代に地元の中学を全国大会に導き、宇和島東高に進学後に甲子園出場。宇和島東高を甲子園の常連校に。

事例2:【サッカー】南宇和高校

89年、冬の選手県優勝。宇和島からさらに南の、四国の公共交通機関空白地帯にある公立高。高校生の指導はもちろん、地元の南宇和サッカー協会の協力のもと小中学生の年代から一貫性のある指導で、全国レベルの強豪校に。OBに、實好礼忠(ガンバ大阪)、大森健作(コンサドーレ札幌)など。

考察

両校に共通する点はカリスマ性のある指導者に恵まれたこと、父兄に自営業(柑橘類、もしくは真珠養殖などの水産業)に従事しているひとが多く時間に融通が利く状況で手厚い部活動サポートがあったことがあげられます。こういう恵まれた環境があったとはいえ、それだけで多くのプロ選手を輩出できるでしょうか?

なにせ少年人口の少ない地域(宇和島の人口は7万弱、南宇和のある愛南町は1万弱)にある高校で,近くにプロチームがあるわけでもない。南宇和優勝はJリーグ発足前で、プロサッカー選手の存在が身近にあったわけではない。にもかかわらず90年代のはじめにはプロ選手を輩出するような環境ができあがっていたわけです。これらの事例は、

  1. 少年期(8歳から12歳)に地元のチームの全国優勝でファンになる
  2. 地元のチームに入団する
  3. 地元のチームで全国大会へ
  4. 地元のチームで全国大会を目指して努力してうちに、気がつけばプロ選手という選択が現実的になるほどのレベルにあった

流れを裏づけていると言えないでしょうか?

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CL優勝が地元の少年ファンにもたらすもの

リバプールの場合、CL優勝が地元の少年ファンにどんな影響を与えるでしょうか?

個人的な意見ですがまず8歳から11歳くらいのエバートンファンにはリバプールに改宗してもらいたいと思います。特にグディソンパークで引き分けたあとにクロップ監督をからかっていたそこの君、早くリバプールに改宗しなさい!そして、先輩のファウラーやキャラガーを見習ってリバプールでプロデビューするように!!

冗談はさておき、新シーズンを迎えるにあたりFSGのヘンリーは「我々はリーグ優勝に向けて全力を尽くす」とコメント、クロップ監督は「長期的な視野で若手育成に力を入れる」旨の発言をしています。ふたりのコメントからはリバプール首脳陣の次のような考えが読み取れます。

ひとつには、リーグ優勝をするためには若手育成により尽力する必要があること。

そしてもうひとつは、CL優勝したこのタイミングで長期的な視点でチームを強化する必要があること。

四国のプロチームが身近でない環境でもプロ選手を多数生み出すことが可能だったわけですがら、ビッククラブといえるプロチームが身近にあってサッカー熱も高いリバプールでも同じことができるはずです。

  1. 育成育ちのアレクサンダー・アーノルドを擁してCL優勝
  2. 地元の少年ファンが多数リバプールに改宗
  3. 地元出身者が多数リバプールのアカデミーに
  4. 地元出身者が複数トップチームに定着
  5. 地元出身のキャプテンを擁して悲願のリーグ優勝

という好循環サイクルがリバプールなら可能であると。

勝負事で結果を求めながら同時に若手を育成することは確かに簡単ではありません。ただ、リバプールにはすでにカリスマ的な監督がいてデータ分析に長けたフロント陣がいるわけです。地元の若手育成に力を尽くしながらリーグ優勝を果たす、意外と近い将来に達成するのではないかと。私は楽観的に考えております。

画像出展:Trent Arnold公式Twitter

最後に

次回の企画の募集をして終わりにしたいと思います。

リバプールに関する短歌を募集します。 #リバプール短歌 とハッシュタグをつけてtwitterで投稿していただくか、コメント欄に投稿していただければと思います。

私も一首詠んでみました。

 

忘れ物取りに行きます 

緋色はためく花道を 

走れネコバス

 

果たして、地元で育った若者を乗せたリーグ優勝を目指すチームバスは今シーズンどこまで走っていくのでしょうか。

 

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