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ロンドンに拠点を置く国際法律事務所 Macfarlanesの弁護・仲裁チームリーダーであるGuy Morpuss弁護士が勝ちえた訴訟において来期以降、LFCのサプライヤーは業界の巨人NIKEへと引き継がれることとなった。
Morpuss氏はこの勝訴によってThe Times(ええ、あのタイムズです。)が選ぶ、Lawyer of the weekになった。裁判の経緯はリバプールエコーが詳しい。
Liverpool lawyer wins award for Nike kit case and explains main challenge club faced from New Balance
すでに多くの方の耳に入っていることが多いと思うが、チームの全盛期に合わせてグローバル進出を強めたいLFCにとって販路規模を重視し、NIKEへの切り替えを強行したということである。
今更語ることでもないが、NewBalanceとしては、オーナーの拠点と本社が同じとしてあること、経営も成績も立て直した時期に支えたこと、などから非常に良い関係性と感じていたことは間違いなく訴訟にまで発展した末の関係解消は非常に残念である。
とはいえNikeはNikeである。ファンとしては既存人気商品とのコラボやユニフォーム以外の関連商品の展開を考えると期待感がないわけではもちろんない。 ただ、ここでは独自のデザインでムーブメントを起こしたニューバランスのキットに当時のスローガンを添えて自分のためにまとめておこうと思う。
逆に言うとNikeには少なくともこれを超えるシンパシーや愛着をファンから勝ち得ないと成功とはいえないのではないか。
15-16 “HOLD NOTHING BACK”
直訳は「後ろに何も持っていませんよ」。何も隠すことはない、正々堂々戦う、失うものは何もない、といったところになるだろうか。スアレスがいなくなりCLは惨敗、ジェラード退団直後のシーズン。1から再スタートを期すという気合を込めたフレーズとともにこれまでのごちゃごちゃしたWarrior作品とは異なりスマートなデザインで登場。クロップ就任初年度。
主な成績:プレミアリーグ8位(60pt)、リーグカップ準優勝、ヨーロッパリーグ準優勝
16-17 “MADE FOR LIVERPOOL”
「リバプール謹製」/「リバプールのために生まれてきた」という英語ならではのダブルミーニング。 ユニフォーム腰部分の裏面に過去のリバプールに関する名言が刻まれた。
主な成績:プレミアリーグ4位(76pt)、リーグカップベスト4、国際大会不出場
17-18 “PURE LIVERPOOL FC”
クラブ創設125周年を記念し過去のデザインを踏襲したクラシカルなデザインを採用し、爆発的人気を博した。 年内で在庫切れになるという人気ぶりで、史上最も売れたLFCのキット。今思えば、この在庫を切らしてしまうという状態がクラブとNBの仲たがいの始まりだったのか…。
元ネタとなった1983-84シーズンはローマで4回目の欧州制覇を成し遂げた年。
スローガンは 「純粋なLFC」「純粋にLFC」「単純にLFC」「ただ単にLFC(が好き) 」「とにかくLFC」「これこそLFC」「我こそはLFC」「俺がLFCだ!!」・・・ いろんな読み方ができる。復活を印象付けるシーズンでもあった。
主な成績:プレミアリーグ4位(75pt)、UEFAチャンピオンズリーグ準優勝
18-19 “THIS MEANS MORE”
これもいいスローガン。直訳は「それはより大きい意味がある」つまり、
単なるキットじゃなくて、これは体の一部である。ただのスタジアムじゃなく我々のホームである。・・・などなど、我々サポーターにとっての日常を構成する諸々はフットボールファン以外の人が思う以上に重みがある、と常日頃から感じることを3単語で表現しているわけだ。
ただ、このシーズンのLFC広報はなんでもかんでもこのフレーズにこじつけて煽っていた。メンバーシップ更新のお知らせには「SQUADじゃない、FAMILYだ」、 クリスマスのメルマガは”Christmas means more”、誕生日のメルマガは”Birthday means more” などなどThis Means Moreインフレを起こしており、シーズン終盤は胃もたれ気味であったのは私だけではないはず…。 ちなみになぜMEANSの”e”だけ小文字なのか、こめられた意味が分かった方は教えてほしい。祝CL優勝 祝プレミア全ファーガソン時代よりも多勝ち点
主な成績:プレミアリーグ2位(97pt)、UEFAチャンピオンズリーグ優勝
19-20 “LIVE IT”
「それを生きろ」という力強いフレーズ。This Means Moreをより尖らせたニュアンスに感じる。「ただのサッカークラブではない」というフレーズは他のチームにもあるが、メガクラブでありながら地域の人々に寄りそう草の根的な活動(地域住民向け格安チケット、フードバンク、ショーンコックスさんへの支援etc) も数多い LFCのカルチャーを強く強調するスローガンだろう。ところで、小文字の”e”が継続…こちらは試合中継などで使われるLFCの略称である”LIV”がスローガンの中に入っているうまさをアピールする意味だと分かるが、やはり”THIS MeANS MORE”の意味は不明。ひょっとすると”e”三部作完結編が来年待っていたのかもしれないが、契約は延長されなかったわけで…。
主な成績:プレミアリーグ優勝、UEFAチャンピオンズリーグ連覇となるのを皆望んでいるシーズン。
最後にさらっとNew Balanceというメーカーの変遷をご紹介。
1906年 ボストン マサチューセッツで英国系移民の William J. Riley が"ニューバランスアーチサポート"会社を設立。整形外科の観点で足のアーチ(=土踏まず)をサポートし、顧客により快適で「新しい平衡感覚」をもたらすシューズを提供するためだった。 1927年 Rileyは Arthur Hall というセールスマンを雇う。店舗を持つのではなく各地を飛び回って個別対応するスタイルが他社との差別化につながる。 1936年 Hallは主に衣服販売店員や警察官など立ち仕事が多い人のための足をサポートする商品の開発に特化する。 1938年 Rileyデザインの初めてのランニングシューズを販売。 1941年 テニス、ボクシング、野球などスポーツ競技用の靴を開発。商品はすべて小規模チームによる手作りだった。 1960年 Trackster を発売。世界で初めて横幅のサイズを選ぶことができるランニングシューズ。 1972年 ボストンマラソン開催日にJim Davis によって会社は買収される。当時1日に2,30足の靴を作るほどの生産力しかなかった。Davisは会社の成長に伴い、優れた品質の製品、優れた顧客対応、独自の顧客好みのシューズ環境の提供に専念するという当初のポリシーに焦点を当て続けている。(Davisは現オーナー兼会長) 1976年 特徴的なNマークの初めてのモデルである320が発売。どの商品も公正に取り扱うという意味合いでNBではモデルを番号で呼ぶ。 1980年 モデル620発売。初めてスニーカーとして販売価格$50を突破。 1982年 モデル420発売。初めてスニーカーの販売価格$100を突破。 1985年 モデル1300。販売価格$1,300。 1993年 モデル1500がビル・クリントン大統領が着用した影響で大ヒット。 2001年 モデル991はスティーブ・ジョブズに長年愛用された。 2006年 バンドOffspringとのコラボモデル発売 2009年 「誰の支持者でもない」というポリシーから逸脱し、MLB,NBA選手と個人契約を開始。 2012年 モデル990のバラク・オバマバージョンを制作。選挙戦に伴いアメリカ地元産業の重要性を強調するため。 … ソース:fatbuddhastore なかなか小規模高品質という路線がイメージされる事象が多く、LFCの躍進とマーケットのデカさはNB史上でも類のない出来事だったのかなと感じる。
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