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基本プロフィール

画像出典:リバプール公式X
- 選手名:ロナルド・アラウホ
- 生年月日:1999年3月7日
- 国籍:ウルグアイ
- 身長:191cm
- ポジション:CB, RSB
- 背番号:33
- チームキャリア:レンティスタス(URU/16-17), ボストン・リーベル(URU/17-18), バルセロナ(ESP/18-19~), リバプール(ENG/loan:26-27)
- 市場価格:€ 20.00Mill.
- 契約終了年:2027年6月30日
プレースタイル
バルセロナからローンで獲得したウルグアイ代表DF。近年は評価を落としているが、世界最高峰のCBとして活躍していた時期のことを記憶しているファンも多いはず。買取義務のない単年のローンだが、心機一転リバプールでどのようなプレーを見せてくれるのか興味深いところだ。
ストロングポイント

画像出典:バルセロナ公式X
アラウホの最大の魅力はやはり傑出したフィジカル能力だろう。191cmという現代のCBとして十分なサイズに爆発的なスピードとパワーも兼ね備え、南米出身者(欧州ほどゾーンではなく人に基準を置いた守備が主流)の例に漏れずアラウホも対人戦には自信を持ち、空陸ともに無類の強さを誇る。
CBに最も求められるボールを跳ね返す能力の高さは折り紙付きなので、自陣に引いた際やセットプレー時の守備はもちろんのこと、メガクラブでは避けられないハイラインの後ろに生まれる広大なスペースも自慢の脚力によって独力でカバーできてしまう。簡単な放り込みには滅法強く、仮に背後を取られて裏抜けを許したとしてもそれに追いついて解決してしまうだけの速さと強さの持ち主だ。
つまり、高さ・速さ・強さの三拍子が揃ったアラウホは、ローブロックとハイラインという相反するどちらのシチュエーションにおいても強みを発揮して対応することのできる万能な守備者と言って差し支えないだろう。
爆発的なスピードと対人守備の強さを買われ、相手エース格の左ウイングを封殺するための右SBとして起用されることも。大柄な体躯を持つDFは往々にして俊敏な相手アタッカーの手玉に取られるシーンが少なくないが、アラウホは純粋なトップスピードだけでなくアジリティも優れているため簡単には突破を許さない。
リバプールの右SB事情を考えると、昨季(2025-26)はコナー・ブラッドリーとジェレミー・フリンポンが両者ともに離脱期間が長く、ドミニク・ソボスライやカーティス・ジョーンズなどを回して凌いでいたほどなので、アラウホの起用も守備に重きを置いた際のオプションとして一考の余地があるかもしれない。
そしてアラウホの本職となるCB陣の構成を改めて見てみると、主将のフィルジル・ファン・ダイク(35歳)とジョー・ゴメス(29歳)に、ジェレミー・ジャケ(21歳)とジョヴァンニ・レオーニ(20歳)となっている(年齢は2026-27シーズン中の計算)。一見すると人数は揃っているが、その実リスクの大きい構成と言わざるをえない。
まずジャケとレオーニの2人は20歳そこそこの若さで経験が少なく、両者ともに大怪我明けという嬉しくないオマケ付き。ゴメスはいればラッキーと感じるほどに怪我耐性が低く稼働が期待できない。ファン・ダイクが未だ健在なのは有難い限りだが35歳の選手におんぶに抱っこという状態は好ましくないだろう。
ジャケとレオーニの将来性は言わずもがなであるため彼らに大きな期待をしたいところだが、特にゴメスの負傷癖を考えると層の面で不安が付きまとっていたため、間にアラウホを一旦挟み、いきなり今季から若手2人に過度なプレッシャーを与えないようにするという判断は懸命だったように思える。
アラウホ自体も怪我に強い選手ではないのが残念だが、かといってなにもかもが都合のいい選手を買取義務のない単年ローンで獲れるわけがないので、その部分には目を瞑った形だろう。おそらくペッキングオーダーはジャケやレオーニの方が高く、アラウホはゴメスと共に彼らの負担を軽減する役回りを担うことになるはず。ともすれば自ずとプレータイムは減るため、故障のリスクも減ると(淡いのは承知の上で)期待したい。
ウィークポイント

画像出典:バルセロナ公式X
ここまでアラウホのプレースタイルについて主にフィジカル面をベースに紹介したが、これはあくまで全盛期の話であり、27歳でありながら選手としての峠はもう越えてしまっている。そのため、かつてバルセロナで見せていたような圧倒的な身体能力を前面に押し出し相手を上から捩じ伏せるようなプレーをリバプールで披露できるかと言われるとやや疑問符が付く。リバプール加入時点のフェデリコ・キエーザを思い出してもらえばわかりやすいだろうか。
ここからはアラウホの弱点を書いていくが、やはり判断力や集中力などの欠如は看過できないだろう。彼のようなタイプの選手は対応が後手に回っても傑出したフィジカル能力によってお茶を濁せてしまうことが多いため、危機察知/管理能力が伸びなかったり、集中力を欠いたりするきらいがある。アラウホもまさにこの課題を抱えており、改善される気配もない。このような身体能力に頼ったプレーをしてきた選手に筋肉系のトラブルが多発し故障が増えれば、20代半ばにして全盛期が過ぎてしまうのも然もありなんと言ったところで、今の彼に多くは望めないと思われる。
判断力についてもう少し掘り下げると、対峙する相手と直接向き合えばいい1対1には滅法強くとも数的不利の状況を解決できるだけのインテリジェンスは備えていない。ボールや人に引っ張られがちで、ファン・ダイクのように2人を相手取りながらも常に適切な位置と最善択を取り続けてピンチを脱する、というようなプレーは期待できないだろう。
展開を読みながら先手を打って対応するようなシーンは少なく、チャンレンジに行くタイミング感覚も優れていないので無駄なファールも目立つ。率直に言えばミスが多いので最悪の場合は退場して試合を壊すことも珍しくなく、勝ち点を落としても他の試合で挽回可能なリーグ戦ならまだしも、トーナメント形式のチャンピオンズリーグでは起用を躊躇したくなるタイプだ。
また、南米人らしいパッションや闘志は感じさせるのだが、メンタル的な強さは備えておらずリーダーシップという観点ではこちらも不満が残る。チームが困難な状況に陥ったときにそれを打破するのではなく自身も一緒に飲まれるタイプで、ファン・ダイクの隣でプレーする場合であればいざ知らず、ジャケやレオーニと組んだ際にラインのコントロールを請負いながら彼らに指示や檄を飛ばし、成長を促すような振る舞いを見せてくれそうかと言われると怪しいだろう。そのため彼らがアラウホと組む場合は、アラウホを“使い、動かす”言わば成長の機会でもあるとポジティブに捉えた方が見ているこちら側の精神衛生上もいいかもしれない。
その他、ビルドアップ面を見ると流石はバルセロナで育っただけあって、この手の選手にしては水準程度のテクニックやキックの能力が備わっていると評していい。バルセロナのような特殊ともいえるクラブでは技術的な能力の不足を度々指摘されていたようだが、他のクラブでプレーする場合であれば明確なウィークポイントと位置付けるようなものではなさそうだ。前述の通りアラウホの最大の弱点は判断力やインテリジェンスにあるため、保持時のプレーに関して真の問題はテクニカルな観点以上に、パスやキャリーを選択するタイミングや出し先と言ったところにあるのだろう。
母国語が同じで、生活する上でも最適だったスペインからイングランドへの環境の変化もマイナスに働く可能性は否定できない。同じ南米出身であるアリソン・ベッカーやアレクシス・マクアリスターはもちろん、スペイン人のアンドニ・イラオラやヴィクトル・ムニョスらと多くコミュニケーションを取りながらすぐさま馴染んでもらいたい。
イングランドという生活環境は向いていなくとも、プレースタイルの観点でいえば十中八九ラ・リーガよりもプレミアリーグ、そしてバルセロナよりもリバプールの方がアラウホには向いている。もちろんイングランドはよりインテンシティが高くフィジカルなリーグなので逆に彼の強みが埋没するおそれもあるが、吉と出るか凶と出るか、彼との付き合いはほぼ確実に1年限りであるため楽しみに答えを待ちたいところだ。
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