移籍市場、「デリフトの決断」をトリガーに動き出すか

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デ・リフトのユバントス移籍が確定すると色々と動きはじめるだろう。獲得の噂があったパリ、バルサ、ユナイテッド、リバプールらが確保していたであろうそれ相応の資金が別の選手へ流れ、かつ玉突き人事も行われる。

画像出典:SKY SPORT News HD 公式Twitter

まずはデ・リフト逃して前線に金突っ込むことになるだろうバルサ。しかし前線は人員過多。保有することでインセンティブの支払いが発生しうる高給のコウチーニョをどうしても売りたいだろうが買い手がつくか。同じくデ・リフト逃したパリはネイマールやムバッペを放出する訳にはいかないがネイマールは移籍を熱望。メッシも彼を熱望。もし実現すればバルサは前線過多になるのでコウチーニョを代わりにパリに送り込みたいだろうがそんな虫の良い話をパリが飲むはずもなく、選ぶならグリーズマンだろう。

更にバルサはネイマールを取りに行くことでグリーズマンとの取り決めを不意にすることにもなり得、仮に彼の移籍先が決まらなければ問題に発展するリスクがある。加えてフィットしなかったコウチーニョの穴埋めと、スアレスの後釜を両立するグリーズマン獲得のチャンスを見逃すとは考えずらく、バルサにとってのベストシナリオはネイマールとグリーズマンの両獲りか。このシナリオを達成するには、まずネイマールが問題行動を起こしまくり自身のブランド価値を下げながらパリのフロントをヤケにさせる。その上でバルサが資金を捻出する必要があるが、前者だけが達成されるとカオスな状況が訪れるだろう。資金捻出にはコウチーニョの売却が鍵だが、前述の通りパリと後述するリバプールが彼の獲得を望まない可能性は高い。コウチーニョ売却に失敗した場合、バルサはデンベレ売却に動くだろう。なおネイマール放出ならムバッペのこの夏の移籍の可能性は限りなくゼロに近く。

ユベントスはデ・リフトに金を使うとポグバに大枚をはたけなくなるのでフランス代表MFはジダンの元に向かうだろう。ユナイテッドはその資金でラキティッチ、コウチーニョ、そしてポグバ移籍でレアル行きの夢が潰えるエリクセンを狙う。バルサはコウチーニョを押し込みたいが、本人が古巣リバプールとの関係性を考慮して拒否。となるとユナイテッドは年齢も考慮しエリクセンに全力か。今やスパーズに居た方が良い気もするが「ユナイテッドでもよいから移籍したい」と言っているとかいないとか。ピッチ上での判断力は移籍市場では応用が効かないのかもしれない。

エリクセンをはじめとしたトップレベルのMF獲得が成立しなければユナイテッドは強引にでもポグバを残す。逆に成立すればポグバ放出で、差分の利益でCBとその他補強ポイントを探す。さらにルカク放出でユナイテッドが渦中のグリーズマンを取りに行くパターンも浮上しているが、上述の状況に加えCL権なしでの同シナリオ達成は現実的ではない。いずれの動きにおいても、ユナイテッドはクラブの状態がよくない上にCL権もなく選択肢は限られる。フロントも変わらずなので、これまで通り多少割高、補強ポイントとズレる選手でも獲得に動くだろう。

リバプールはCBの補強が急務ではないのでデ・リフトを逃したことの直接的な影響は小さく、逆にバルサで溢れるコウチーニョとデンベレを獲得する機会を得る。しかし、クロップの優先順位は既存選手の契約延長、LSB、柔軟性のある準レギュラークラスのアタッカーであるため、一連の流れとは関係のない位置で投資を進めることになる。コウチーニョを帰還させることは補強ポイントとは異なる選手に投資を行うことになり、かつ支払われるはずのインセンティブが無くなることを意味する。破格でなければ買い戻しはない。

画像出典:LFC公式Twitter

さらに状況を複雑化するのがチェルシー。アザールがレアルに移籍したため、本来玉突きで誰かアタッカーを獲得する筈だが補強禁止処分により成立しない。故にバーゲンとなり得るのはコウチーニョとデンベレ。リバプールとしては溢れたアタッカー陣が皆でパリに入団し、ムバッペ移籍の可能性が少しでも発生する展開を望むが、パリのフロントがそんな愚行に出るとは思えず「コウチーニョ残留でデンベレが£60mαでユナイテッド移籍」みたいな訳の分からない着地になるかもなどと。

様々なシナリオが考えられるが、オランダの19歳の移籍がトリガーとなり今夏の移籍市場が一気に動き出すかもしれない。

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