【リバプールのフォーメーション考察vol.4】陰りが見えた得点力。新ストライカーは必要か

イングス
The following two tabs change content below.
コーク

コーク

ライター名は大好きなコカ・コーラから。戦術・選手分析といった普通の記事から一風変わったものまで書きます。
コーク

最新記事 by コーク (全て見る)

おかげさまでシリーズも折り返し地点までやってまいりました。第4弾は「ストライカー」について。プレミア最強の攻撃力を誇るとされるリバプールですが、今回はその得点力はホンモノかどうかの検証と、新ストライカーは必要かどうかを考察していきたいと思います。

はじめに、CFとしてプレーできる選手を現時点での序列で並べてみました。

① ロベルト・フィルミーノ
② ディヴォック・オリギ
③ ダニエル・スターリッジ
④ ダニー・イングス

この中で来シーズンも確実にリバプールに残ると言えるのは上の2人。スターリッジとイングスの2人は放出される可能性がありそうです。

ではその理由について考えてみましょう。まずはスターリッジ。怪我続きの彼にとって筆者は、今季が自身の価値を証明する最後のチャンスになると考えていました。今季のファーストチョイスは明らかにフィルミーノであり、スターリッジがナンバーワンの待遇を望むのであれば、出場機会が巡ってきたときにゴールという結果を残す必要がありまし。しかし、今季はリーグ戦出場14(先発は5)試合で2ゴール。マッチフィットネスが整わないため出場機会そのものがなく、クロップが志向するフットボールの適応も十分ではありません。

チーム随一の人気選手であり、万全の状態であれば間違いなくワールドクラスのクオリティを誇るフィニッシャーです。しかし、現状リバプールにとってスターリッジは、宝の持ち腐れ状態であると言えます。筆者はゴールを決めたときにスターリッジのダンスを真似するほど彼が好きなので別れは心苦しいですが、リバプールがさらなる高みを目指すのであれば、この天才的なガラスのエースと袂を分かち、新しいストライカーを獲得すべきと考えます。

 

続いてイングス。彼もスターリッジ同様、度重なる不運によって長期の離脱を余儀なくされています。復帰予定はシーズン終了後とされていますが、筆者はイングスにも移籍の可能性があると考えています。

しかし、スターリッジと決定的に違うのは、プレーするチャンスさえあればまだ結果を残す可能性が高い点です。チームのために自分を犠牲にすることが出来ますし、走れて、戦える選手です。まず間違いなくリバプールが志向するフットボールに適合するでしょう。

ただし、問題はイングスに出場機会がどれだけ巡ってくるかということ。仮にリバプールがCLの出場権を得て、スターリッジを放出して新しいストライカーを獲得したとします。その際、イングスはその新戦力と、フィルミーノ、そしてオリギ(彼もローン含め放出される可能性がありますが)の3人と出場機会を巡って競争しなければなりません。

今季、イングスにはCFだけではなくワイドでのプレーも想定していたと思いますが、仮定通りに進めばフィルミーノがワイドでプレーする機会が増えるはずですし、そもそもWGも補強が既定路線なので、ここでの出場も見込み薄。もし移籍するとなれば、それは本人の意思を尊重したものになるでしょう。

 

なぜストライカーが必要なのか?

まずは上位6チームの得点に関する6つのデータをご覧ください。

総得点 上位6から 下位14から
チェルシー  59 14 45
トッテナム  55  9  46
マンシティ  54  8  46
リバプール  61  16  45
ユナイテッド  42  4  38
アーセナル  56  11  45
無得点試合 対上位6平均得点 対下位14平均得点
チェルシー  2  1.75 2.25
トッテナム  4  1.12  2.30
マンシティ  4  1.14  2.19
リバプール  4  1.60  2.36
ユナイテッド  4  0.66  1.80
アーセナル  2  1.57  2.25

リバプールはリーグ1位の得点数を誇っています。しかし、試合数が他5チームよりも1~2試合ほど多く、1試合平均で見るとずば抜けて得点力に優れているわけではないことがわかります。

また、リバプールは無得点に終わった試合が4つあります。そのうちの3つは下位14チームとの試合によるもの。チェルシーは下位14チームとの試合でゴールを奪えなかったことはなく、他4チームはそれぞれ2試合ずつ。得点力が持ち味のチームであるのにも関わらず、下位から点を取れない試合が最も多いチームでもあるのです。

失点に関するデータもこのようなものがあります。

失点数 上位6から 下位14から
チェルシー  21 11  10
トッテナム  21  10  11
マンシティ  30  11  19
リバプール  36  9  27
ユナイテッド  23  8  15
アーセナル  34  14  20

なんと、守備陣が不安定とされているリバプールは上位6チームとの直接対決で9失点と、ゴール前を固めることに抜群の安定感と絶対の自信を持つ一級バス整備士のジョゼ・モウリーニョ率いるユナイテッドとほぼ同じ、かなり良い成績を残しています。もっと言えば、上位との直接対決数がリバプールは10、ユナイテッドは6であるため、平均すればむしろリバプールの方が優れていると言えます。つまり、上位対決の際のリバプールは守備も安定しているのです。

翻って下位14チームとの試合ではずば抜けて多い27失点。リバプールの前線からのプレスがはまらないことが多い下位との対決では、守備陣のクオリティが試されるシーンが多くなることに原因があります。これは戦術的欠陥と言わざるを得ませんが、だからこそそれを隠すためにストライカーの獲得が必要なのです。

27節アーセナル戦で解説を務めた戸田和幸氏は、次のようなことを語っていました。

「良いときのリバプールはCBとGKが試されないですね。それぐらい前の選手たちがしっかり守備をしていますし、攻撃の際もボールを相手ゴールまで持っていってくれますからカウンターのピンチも少ない。」

ゼロトップにおけるフィルミーノの働きは特筆に値するものです。彼のスペースを作る動き、守備への献身性、周囲との連動性、創造的なテクニックなどは、エリアでの仕事に特化したストライカーのほとんどが持ち合わせていない貴重な能力。しかし、相手の戦術や試合展開によっては、彼を最前線に置く意義がないときもあります。悩ましいところは、だからと言って彼の代わりが務まるストライカーがいないことです。

 

オリギはまだ自身の秘めたる才能を開花するまでには至っておらず、シーズンを通してストライカーの一番手を争うレベルには達していません。ただ、フィジカル的なアドバンテージはイングスではなくオリギにあるので、チャンスはより彼にあると思います。イングスは戦術的なアドバンテージで対抗したいところです。

6 件のコメント

    • 放出はない、とはまさにその通りで、主語はイングスにあると思います。

      リバプールがイングスを手放すかどうかではなく、イングス自身が移籍を考えるかどうかなので。もちろん、昨夏にクロップがルーカスを残したように、イングスが移籍を志願しても残す可能性も大いにあると思いますが

    • ミリクいいですよね〜。ナポリのスタイルはリバプールを感じさせるものがありますし、ナポリ行きの前からリバプール移籍の噂がありましたし、来てくれたら嬉しいですね

  • リバプールの、というかクロップの戦術だとポストプレーと攻守のオフザボールの質が高いレベルで要求されるので、それに加えて得点王クラスの決定力となるともう… 今のリバプールでは手の届かない選手ばかりですね。ラカゼットがギリギリ手が届くかどうかですが、クロップ好みのセンターフォワードかどうか…

    苦手なセットプレーも考えると僕の理想はレバンドフスキなんですが、このレベルの上背のあるオールラウンダーは世界中見渡しても彼しかいないですね…

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。