【リバプールのフォーメーション考察vol.3】悩みの種のGK。このままミニョレ?それともハート?

Joe Hart
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コーク

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ライター名は大好きなコカ・コーラから。戦術・選手分析といった普通の記事から一風変わったものまで書きます。
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突然ですが、質問です。あなたはシモン・ミニョレとジョー・ハートのどちらかを正GKに選ぶとしたら、どちらにしますか?

ロリス・カリウスが候補にないミニョレとハートの二択に違和感を覚える方もいるとは思いますが、もちろん彼についても触れていくのであしからず。あなたは先の質問にどちらと答えるでしょう?ポカは多いがビッグセーブも多いロマン溢れるミニョレか、それともプレミアを2度制覇し、勝利の味を知っているハートか。それとも他の選手だと主張するのか。それはまあ個人の自由ですが、以下で筆者なりに考察していこうと思います。

カリウスの放出はなし、あるとすればミニョレ

筆者は可能であればリバプールは夏に新しいGKを獲得するべきだと考えています。そして、それが実現した場合、リバプールを去るのはカリウスではなく、ミニョレであるべきとも考えています。某サッカー雑誌ではミニョレ残留のカリウス放出を唱えていましたが、とんでもない。

リバプールは昨夏、ミニョレに代わる守護神としてカリウスを獲得しましたが、そうはうまくいかず。しかし、あまり求めすぎるのもよくありません。「ウーゴ・ロリスやデ・ヘアもプレミアに来たばかりのときはこうだった。カリウスもすぐに良くなるさ。」という意見には基本的に同意です。ただ、彼らよりも時間がかかるかもしれないということも念頭に置いておく必要があるでしょう。

ロリスもデ・ヘアも、今のクラブに来る前はそれぞれリヨンとアトレティコ・マドリーという名門クラブに所属しており、すでに世界屈指のGKという評価を確立していました。しかし、マインツというドイツの小クラブ出身のカリウスはリバプールに来た時点ではまだ彼ら2人がドーバー海峡を渡ったときのレベルに辿り着いていません。そのため、プレミアに適応する以前に、もっとGKとしての能力を磨く必要があります。

クロップはカリウスの成長を待つつもりであり、今季で見切りをつけるほど彼への信頼が堕ちているわけでもありません。多くのリバプール・サポーターも同様で、よって夏にカリウスを売るなどという選択肢はないと言い切れるでしょう。

 

カリウスの放出はなく、そのうえで新しいGKを獲得するとなると、必然的に放出されるのはミニョレになります。人間、不思議なものであれだけミニョレに愛想を尽かした反応を見せておきながら、いざ別れの時となると非常に惜しい気分になります。「神ニョレ」はもちろん、「ゴ◯ニョレ」や「ダメニョレ」とツイートするのは今季で最後になりそうなので、たくさん神ニョレに降臨してほしいところ(この「神ニョレ」が本当に良いものか、幻影かは後述します)。ただ、GKがやらかしたときに「みにょった」というのはミニョレが去っても日本のリバプール・サポーターの間で受け継がれていきそうですが。

リバプールはハートを獲るべきである

前置きが長くなってしまいましたが本題に入りたいと思います。新しいGKを獲るべきだと言われ続けているリバプールですが、その新守護神の筆頭候補は現在マンチェスター・シティからローンでトリノに移籍中のジョー・ハートだとされています。そして、このハートを獲るべきなのか否か、KOPの間で意見が二分しています。

結論から述べますと、筆者は基本的にハートの獲得に賛成です。ただ、ハートでなければならないというわけではなく、実際にハートを強く望んでいるわけでもありません。そこで、獲得反対派の意見も考えてみたいと思います。

まず反対派の方が口を揃えて言うのが「足元がない」これです。ハートは足元の技術がないばっかりにシティを追われたと言っても過言ではありません。そのため彼を獲得してもGKからのビルドアップが期待できないのは変わらない、というもの。他には「ハートは過大評価」とういうものもあります。クラウディオ・ブラボが不甲斐無いゆえに、相対的に良く思えてしまうだけ。といったところでしょうか。これらの意見はたしかに納得できるものです。足元の技術は水準程度であり、真のワールドクラスでもない。しかし、ここで一度冒頭の質問を思い出してください。「ミニョレとハートだったら、どっちを使う?」ということです。

「リバプールの野心を満たすのに、ミニョレ(そして今のカリウス)では不十分」というのがOBや記者の意見であり、それもまた非常に同意できるものです。リバプールがその野心を示すのであれば、ミニョレより優れたGKを獲得する必要があるでしょう。なにも、足元の技術が高く、真のワールドクラスでなければいけないということはありません(もちろんそれに越したことはないですが)。

端的に言えば、ハートはミニョレよりワンランク上のGKであり、同時にハートはリバプールが獲れうる範囲では最高レベルのGKです。リバプールがCL出場権を得たとしても、現時点で世界最高峰との評価を受けているGKが来てくれる保証はどこにもなく、最悪を想定すれば、CL出場を逃す可能性もあります。その中にあっても、ハートであればリバプールに来てくれる可能性が高いのです。

ハート自身はプレミアに復帰したいと考えているそうで、そのうえでCLへの出場が現実的なクラブが望ましいとしています。その条件を満たし、なおかつGKを必要としているクラブは現時点ではリバプールのみです(他が守護神を失った場合は置いといて)。また、信憑性は置いといて、ハートが友人にリバプールが自分の獲得を希望してくれるのであれば迷うことなくリバプール移籍を決める、と語ったとミラー紙は報じています。

マンチェスター・イブニングニュース紙は、シティはプレミアの順位を争う直接的なライバルにハートを出すのであれば、移籍金に£2000万ほどを要求すると報じていますが、さすがに高すぎます。そもそもこの額は、バルセロナがテア=シュテーゲンの獲得に動いたリバプールに対して要求してきたものと同額であり、結果的に破断になったことを鑑みれば、シティの要求額を飲む可能性はゼロに等しいでしょう。しかし、事実上の戦力外というクラブ側の選手の扱い、そして選手本人の意思を尊重すれば、実際のところもっと安くなるだろうというのが筆者の見解です。

ハートはイングランド人であるため、適応の問題は皆無と言ってよく、クラブに自国籍の選手が増えることはサポーターによい感情を抱かせ、クラブの人気に繋がります。シュートストップはミニョレと同等かそれ以上、そしてハイボールの処理や、セットピースの際の混戦における信頼度はミニョレよりも優れています(ミニョレが絶望的なだけかもですが)。ハートは、ミニョレよりもチームに安定をもたらし、失点を減らし、勝ち点を増やすことが出来るでしょう。いいところはそのまま、足元の技術以外は克服したミニョレ、それがハートなのです。

 

しかし、ミニョレ⇔ハートというのは短期的な置き換えであり、長期的なものではありません。筆者は19―20シーズンあたりまでに、カリウスに守護神の座を射止めてほしいと考えています。つまり、17―18~18―19シーズンの2年間をハートに頑張ってもらおうという算段です。要はその2年間、ミニョレを使うか?ハートを使うか?ということです。

「GKの仕事はゴールを守る事だけではない。仲間の守備陣を落ち着かせて、自信をもたせる必要もある。」

これはペトル・チェフが、WSDなどでお馴染みのタイムズ紙のオリバー・ケイ記者に語った言葉です。そして、彼は以下のようなことも述べています。

「GKが驚くようなビッグセーブをしたときに注目してほしいのは、その直前の動きだ。ポジショニングが悪い選手ほど(リアクションが大きく派手なため)ビッグセーブをしているように見えてしまう。」

私たちは「神ニョレ!」と称えたあと、なぜ神ニョレが顕現したかを考える必要がありそうです。「今のセーブはミニョレが予めDFに指示を送り、正しい仕事をさせていればシュートを打たせることはなかったのではないか。」といったようにです。

リバプールの未来はカリウスと共にあります。しかし、カリウスが覚醒するまで繋ぎとして起用するのにどちらが望ましいか。現状維持か、多少の痛みは伴うがアップグレードを試みるか。筆者の選択は後者であり、以上のことからミニョレを放出し、ハートを獲得するべきだと考えます。

ウォードは? ボグダンは? マニンガーは?

現在、ダニー・ウォードをハダースフィールド・タウンにローンで出し経験を積ませていますが、筆者はウォードがリバプールに留まり続けるのは少し厳しいと感じています。アダム・ボグダンも同様ですが、彼の場合は今季で契約満了なのでそのまま退団の運びでしょう。ウォードは夏にまたローン移籍か、第2GK以上の待遇を約束されればどこかに完全移籍すると思います。

彼ら2人と少し立場が違うのがアレクサンダー・マニンガーです。マニンガーは第3GKという立場からミニョレとカリウスを支えていますが、個人的に彼には残留してほしいと考えています。控えGKの鏡のような選手ですし、若い選手が多いリバプールにあって彼のような存在は貴重です。第3GKは若い選手よりも、ベテランが務めるべきだという考えであるため、マニンガーとウォードの置き換えについて筆者は否定的なスタンスをとっています。彼との契約も夏で切れるため第3GKをどうするかという問題もありますが、基本的には延長でいいのかなと。延長しないのであれば別のベテランを連れてくるべきだと思います。

 

ありえませんが、フェイエノールトで大車輪の活躍を見せているブラッド・ジョーンズなんかは適任かもしれません!(余談ですが、彼がブラックバーン戦でPKを止めたとき、白血病で亡くなった息子のルカ君に向けて天を指さしたときは泣きそうになりました。カイトと共にオランダでの活躍を嬉しく思います。)

まとめ

GK陣における夏の立ち回りは、ハートを獲得し、ミニョレを放出。ウォードも本人の意思を尊重したうえで、ローンか完全移籍で放出。ボグダンは契約満了で退団。第3GKは引き続きマニンガーにお願いするか、別なベテランを連れてくる。今季いっぱいで見納めになるかもしれない、神ニョレ。たとえ自らが招いたピンチであろうと防いでくれれば特に文句はないので、是非たくさん見せて頂きたいです。

 

2 件のコメント

  • GK問題についての考察興味深く読みました。
    来シーズンのレギュラーGKは気になります。色々な要素を鑑みるとハートはあり得ると思ってます。あとは、サンダーランドのピックフォードも私の中では急上昇中です。ミニョレ先生は色々な意味で目が離せないGKなので好きですが、もうFKやCKの度にドキドキしてしまうのは今シーズン限りでヤメにしたいところ。

    • ピックフォードも素晴らしいGKですよね。ただまだビッグクラブに移籍するのは早いかなという印象です。黒猫が降格したらテーブルの真ん中を狙えるクラブに移籍するのがベストだと思います。
      ハートのようなベテランの実力者をメインで使いつつ、カリウスを使って成長を待つというのがいいのかなと思っています。来シーズンはヨーロッパのカップ戦に参戦すると思うので第2GKの出場機会も増えそうですし!

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