リバプールがジャンの後釜に狙うべき4人のMF〜Who CAN do CAN-role?〜

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コーク

コーク

好きな事を書いていくだけの大学生。戦術的な記事の他に選手名鑑や小ネタなどなど、様々な事を書いていきます。

夏にセリエAの盟主・ユヴェントスへの移籍が噂されているエムレ・ジャン。ほとんどのKOPが残留を願っているものの、この夏の移籍は確実視されており、彼の後釜を考える必要に迫られそうな状況です。

画像出典:‪International Business Times

リバプールは現在、逆三角形型の4-3-3のシステムを採用していて、その心臓部となるいわゆる「6番」、つまりアンカーのポジションは主将のジョーダン・ヘンダーソンと、エムレ・ジャンの2人が主に務めています。

しかし、ヘンダーソンは怪我で欠場する事が多いため、ジャンがインサイドハーフから一列ポジションを下げ、アンカーに入る機会が多い状況です。ヘンド以外にアンカーが務まる選手は今のところジャン以外にいないため、そのジャンが移籍となれば後釜の獲得は必須となります。

アンカーの役割とは?

では、どんな選手がリバプールの新しいアンカーに適格なのでしょうか。それを知るためにここで一度、リバプールにおけるアンカーの役割を確認してみましょう。

まず、守備面ではゲーゲン・プレスのスイッチ役となる3トップと、それに続く二の矢となるインサイドハーフを後方からバックアップするタスクを担っています。ゲーゲン・プレスはかわされると一気にピンチに陥るため、セカンドボールの回収、危険なエリアのカバー、プレッシングのバランサーなどのタスクを一手に担っています。

また、ヘンドとジャンはどちらも標準以上のサイズがあるので、プレスを嫌がって相手がロングボールに逃げた時にそれを中盤で跳ね返すこともできます。

攻撃面では、ビルドアップにおいて重要なタスクを担っています。前5人は組み立てを省略した一撃必殺のカウンターと、そのためのプレッシングにプライオリティを置いているためビルドアップにはあまり関与しません。

そのため、基本的にリバプールのビルドアップは最終ラインとアンカーが担うのですが、その中でアンカーは、守備陣と攻撃陣をリンクさせる重要な役割を担っています。丁寧なショートパスと、サイドチェンジや裏を狙ったロングパスを織り交ぜながら敵味方の選手を動かし、相手を自陣に押し込めます。これによってポゼッションを高め、間接的に防御力もアップさせます。

画像出典:‪Goal.com

ヘンドとジャンはプレースタイルこそ異なりますが、攻守における基本的な役割そのものの違いはさほどありません。

ヘンドはよりビルドアップ能力に優れているため、細かいショートパスやサイドチェンジなどでゴールへの筋書きを作り出す“演出家”として振舞いながらも、相手の攻撃に備えて適宜ポジションを修正し続けます。

一方のジャンは、ヘンドほどビルドアップが上手くないので、よりアグレッシブに広範囲に動いて持ち味の推進力でボールを運び、またプレスにも参加して時にはフィニッシュにまで顔を出します。このダイナミズムが良いアクセントとなっており、苦しい局面でゴールを奪ってくれるときも少なくありません。

インサイドハーフの選手が少し降りてビルドアップに参加するのもジャンがアンカーに入った時の特徴です。一概にどちらが良いというわけではありませんが、戦術により合っているのはヘンドでしょう。

しかし、ジャンの持ち味を生かしたアンカーも悪くはなく、フィジカルを生かした勇敢な守備に何度も助けられました。そのジャンが退団となれば、やはり新しいアンカーは必要でしょう。

「Who CAN do CAN-role?」

そこで今回は、「Who CAN do CAN-role」と銘打ち、そんなジャンの後釜を任せられるであろう4選手をピックアップしました。その候補は、ヴィクター・ワニャマ(トッテナム)、マックス・マイヤー(シャルケ04)、ジョルジーニョ(ナポリ)、アンドレ・ゴメス(バルセロナ)の4名です。順に紹介していくので、是非最後までお付き合いください。

ヴィクター・ワニャマ

画像出典:chatsports.com

  • 生年月日:1991年6月25日
  • 所属クラブ:トッテナム
  • 国籍:ケニア
  • 身長:188㎝
  • 推定市場価格:30,00Mill.€
  • 契約終了年:2021年6月30日

1人目の候補はトッテナムの屈強なクラッシャーです。球際の強さにおいて他の追随を許さず、迅速なネガティヴ・トランジションによるプレスとボール奪取能力はプレミア随一。最終ラインの防波堤になれる頑強なホールディングMFです。

ボールテクニックは水準程度ですが、シンプルにボールを繋ぐことができ、淀みなく攻撃を推進させるだけのビルドアップ能力やパス能力は持ち合わせています。

しかし、獲得の現実味は低いと言わざるをえません。スパーズから引き抜くのは骨の折れる作業ですし、ワニャマ本人がスパーズで満足している節があります。信頼と実績のサウサンプトン産、プレミアでの経験が豊富ということも踏まえても面白い存在で、獲得に成功すれば中盤に守備力とパワーを注入できますが、実現は難しいでしょう。

マックス・マイヤー

画像出典:‪Kicker

  • 生年月日:1995年9月18日
  • 所属クラブ:シャルケ04
  • 国籍:ドイツ
  • 身長:173㎝
  • 推定市場価格:16,00Mill.€
  • 契約終了年:2018年6月30日

2人目の候補は、シャルケでレジスタの才能を開花させたマックス・マイヤーです。マイヤーについては1年前にアダム・ララーナの後継者にどうか、という内容で記事を書いているので是非そちらも見て頂けると嬉しいです。

マックス・マイヤーをララーナの後継者にいかがですか、という話

2017.05.21

元来、非常にユーティリティな選手ではあったものの、今シーズンはポジションを下げ、アンカーの新境地を開拓。コンバートがピッタリとハマり、シャルケ躍進の立役者になっています。

「どこでもこなせるが、どこが最適解なのかわからない」という、有望な若手の5人に1人ぐらいは陥る問題に成長を阻まれていたマイヤーでしたが、今のところアンカーでキャリア最高ともいえる出来を披露しています。

マックス・マイヤーは常にリバプールのターゲットと称されながら、照準が完全に合ったことは一度もなく、おそらく今夏もプライオリティは決して高いとは言えないかもしれません。しかし、とても才能に満ちた選手であり、獲得する価値のある選手だと筆者は考えています。

獲得に成功した場合、彼の体格やフィジカル能力を考えると、プレミアで常時アンカーを務めるだけの能力を備えているかは少々懐疑的にならざるを得ません。あくまでオプションとしての位置づけになるでしょう。例えば、自陣に深くブロックを敷き、積極的にプレスを仕掛けてこない相手に対しては、マイヤーは非常に効果的なアンカーとして機能するでしょう。

獲得の現実味ですが、これについてはどれだけリバプールが熱心に彼にアプローチするかにかかっているかと思います。マイヤーはこの夏にシャルケとの契約が満了し、フリーとなります。シャルケはマイヤーとの契約延長については半ば諦めており、マイヤー自身もステップアップ移籍に前向きとのこと。

彼の代理人はロベルト・フィルミーノとロリス・カリウスと一緒であり、コネクションもバッチリです。リバプールが本気でマイヤーを求めれば獲得のハードルは高くはないでしょう。

ジョルジーニョ

画像出典:‪International Business Times

  • 生年月日:1991年12月20日
  • 所属クラブ:ナポリ
  • 国籍:イタリア
  • 身長:180㎝
  • 推定市場価格:40,00Mill.€
  • 契約終了年:2020年6月30日

3人目は妥当な候補か?現在最もリバプールとリンクされることの多い選手の1人であるジョルジーニョです。現時点ですでに完成度の高いアンカーで、世界でも屈指のレジスタという評価を確立しています。

ジョルジーニョの最大の武器は、傑出したパス能力とテクニックです。パスのレンジと種類、アイディアが多彩なプロトタイプのレジスタであり、現在リバプールが獲得を狙っているとされている名前の挙がるアンカー候補の中で、最も卓越したプレービジョンを持つ選手と言えるでしょう。

間違いなく即戦力であり、リバプールとイングランドのリズムにスムーズに適応できれば、大きなインパクトを与えることは間違いないと思います。本人もこのスタイルへの適応に自信を持っているようです。

ジョルジーニョの弱点は、やはり水準程度にとどまるフィジカルと守備力でしょうか。ナポリは、スペースや時間の余裕を与えてくれない同格/格上の相手と戦う場合、アンカーにはジョルジーニョではなく、よりフィジカル能力が高く、守備に秀でたアマドゥ・ディアワラを起用します。このことからも、彼が守備の局面では憂慮しなければならない選手であることが考えられます。

ただ、非常に興味深い選手であり、フィジカルと守備に多くを求められずとも、パス能力だけで巨額の資金を投じるだけの価値がある選手だと思います。リバプール(イングランド?)はイタリア人と相性の悪いですが、彼の生まれはブラジル。ジンクスには目を瞑っておきましょう。

ジョルジーニョ本人もステップアップ移籍に吝かではなく、プレミア挑戦に興味を示しています。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルも獲得に乗り出しているともされる、世界屈指のレジスタの獲得はあるのでしょうか。

アンドレ・ゴメス

画像出典:‪Sky Sports

  • 生年月日:1992年7月30日
  • 所属クラブ:バルセロナ
  • 国籍:ポルトガル
  • 身長:188㎝
  • 推定市場価格:15,00Mill.€
  • 契約終了年:2021年6月30日

最後に紹介する4人目はバルセロナで苦しむ、ポルトガル・ザ・マン。「feel pressure still」な彼の適正ポジションは実はアンカー。バルセロナではセルヒオ・ブスケッツの壁が厚く、前線から中盤にかけて多くのポジションで起用されています。インサイドハーフでも及第点クラスの出来は見せるのですが、本職のチームメイトに敵うほどではなく、苦しんでいる印象です。

188cmという恵まれた身体を持ち、空中戦や球際の競り合いを苦にしません。ヴァレンシア時代でもインサイドハーフで起用されているように、機動力が特別欠けているというわけではないのですが、体格とプレースタイルの問題もあって高い位置では攻撃にブレーキをかけてしまうことも少なくありません。そもそもファイナルサードで違いを生み出す選手ではないので、個人的にはやはりアンカー起用がベストだと感じます。

技術の高いパスセンスを誇り、長短問わず高精度。相手の守備網を切り裂くようなドリブルは出来なくても、マーカーをはがして危険なエリアやスペースにボールを運ぶドリブルは悪くありません。

オフ・ザ・ボールの動きも秀逸で、ゲームから消える時間帯は少ないです(残念ながらバルセロナでは、試合中に消えずとも影響力を発揮できていませんが…)。

アンカーとして素晴らしい才能を持ちながらも、このポジションでは起用されず苦しんでいます。それゆえ、クラブを代えてリスタートを切り、そこでアンカーとして起用されれば、彼の秘めるポテンシャルを開花させられるのではないかと個人的には考えています。

メガクラブで活躍するには少し成熟度が足りませんでしたが、前所属先のヴァレンシアも比較的に要求水準の高いクラブであり、メンタルが特別弱いという印象はありません。

個人的にはアンドレ・ゴメスがアンカー問題を解決するためのベストなソリューションだと考えており、今回挙げた候補の中で最も総合的なバランスのとれた選手だと思っています。

ファン感情的にはあまりバルセロナとは交渉したくないのですが、彼らは膨大な人件費の削減に躍起になっているらしいので、ある程度足元を見ることはできるでしょう。

まとめ

以上、4人の候補を簡単に表すと

「展開力は水準程度でコストは莫大だが、フィジカルと守備力は抜群で、ライバルの戦力低下も狙えるヴィクター・ワニャマ」

「フィジカルと守備力は並だが、技術とユーティリティ性に優れ最も伸びしろがあるが、移籍金のかからないマックス・マイヤー」

「フィジカルと守備力は並でコストもおそらく莫大だが、すでに完成されている世界屈指のレジスタ傑出した展開力を誇るジョルジーニョ」

「伸び悩んでいてコストはそこそこかかりそうだが、ポテンシャルは随一フィジカルとテクニック両方の観点から見てもハイレベルバランスが優れているアンドレ・ゴメス」

といったところでしょうか。この他にも候補は何人か挙がっていますが、今回はこの4人に絞ってご紹介させて頂きました。

今回挙げた4人以外なら、個人的には、リバプールが好きだと公言しているアドリアン・ラビオが個人的には最高だ!と思いますが流石にPSGが手放さないでしょう。

繰り返すようですが、ジャンが去れば新たなアンカーの獲得は必須。誰が来ることになっても、リバプールで素晴らしい活躍を見せてほしいものです。最後までお読み頂きありがとうございました。

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