[リバプールCL対戦相手分析]マンチェスター・C〜赤き魂は蒼き頭脳を打ち破れるか〜

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トリコレッズ

トリコレッズ

日本ではマリノスファンなので、Redsの虜(トリコロール=マリノス)という意味でトリコレッズという名前にしました 戦術・選手分析などをしていきたいと思います

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こんにちは、トリコレッズです。
リバプールの08/09シーズン以来のCL,Round of 8マンチェスター・シティとの対戦が迫っています。
ここでプレミア勢対決というのも難しいですが、まぁ移動に関しては楽になったのと、対戦経験がある分未知数が少ないということでしょうか。
というわけで、久しぶりのRound of 8を存分に楽しむために、今シーズンのリーグ戦での対戦2試合を分析、最強シティを丸裸にしていきましょう!1試合ずつ分析していきます。

1試合目:PL第4節 シティ5-0リバプール


まずはこの試合。スタメンから確認していきましょう。
シティは最近は4-3-3を採用していますが、シーズン序盤は3-1-4-2を採用していましたね。
現在との一番大きな違いは、両ワイドがサネ&スターリングのウィングタイプではなくメンディ&ウォーカーのWBになっていることでしょうか。

リバプールは「スリリング・スリー」含め今とはそんなに違いませんが、最近めっきり見なくなってしまったクラヴァン、モレノ、ミニョレあたりがこの時期は起用されています。

試合展開

試合序盤はシティの崩しとリバプールのハードプレス&カウンター攻撃が拮抗している状態でした。後で解説するシティの崩しも機能していましたが、リバプールも3バックの脇をサラーが突くパターンがなかなか有効でした。

しかし、シティのロングボールを弾いたこぼれ球を奪われると、2CBの間で動き出すアグエロを捕まえられず。スルーパス一発でCBの間を割られ、冷静にミニョレを交わしたアグエロがゴール、シティが先制に成功します。

すると迎えた37分。ロングボールに飛び出したエデルソンとマネが交錯、マネが足裏を見せてタックルしたとして一発レッドで退場処分に。
こうなると試合はほぼ終わってしまったも同然で、リバプールは4-4-1に変更しますが、いかんせん一人足りないのでマークにつけず、3バックのプレスにも行けず、カウンター攻撃でサラーが3バックの脇を突くのは同様ですが相手の数が大抵足りているので大した攻撃にならず。そのまま失点を重ね、5-0でシティが勝利しました。

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スタッツ

まぁ正直、この試合のスタッツにはそれほど意味がありません。むしろ一人少ないリバプールが健闘している印象ですが、何にせよシティが圧倒的ですね。
さて、ここからはシティの攻守を具体的に分析していきましょう。ただし、この試合に関しては、マネ退場の37分までの分析に留めておきます。

シティの攻撃①

既に各種メディアにおいてかなり徹底的に分析されている今期のシティですが、フォーメーションから見ても分かるようにその具体的なプロセスについてはマイナーチェンジがなされています。ここでは、シーズン序盤の3-1-4-2について分析していきましょう。タイミングは7分14秒付近です。

3バックが横並びになり、シティのビルドアップの局面です。そこにシルバが下りてきてパスを引き出します。

下りていくシルバにはジャンがついていって対応しています。

しかし、ここでシルバがボールをキープし、代わりにオタメンディが上がってきます。その動きに対しジャンはオタメンディにまではついていかず、歩を止めています。この判断は間違ってはいないでしょう。しかし、ジャンがここで縦へのパスコースを切りに行っているため、丸で示したスペースが大きく空いています。ここに、フェルナンジーニョがボールを持てるスペースが生まれているのです。リバプールとしては、全体としてもう一段階スライドしておくべきだったでしょうか。

そのスペースにフェルナンジーニョが入ってきて、パスを受けるとフリーで前を向くことが出来ます。
さらにもう一つ巧妙なのは、画面端にジェズスが下りてきていることです。そしてそこにヘンダーソンが意識を引かれていることが分かります。というか、ヘンダーソンの意識を引きつけ、もう1つのパスコースorフェルナンジーニョへのスペースを確保するためにジェズスが下りてきているのです。

フェルナンジーニョがボールを受けた際、周りにはこれだけのスペースが生まれています。ジニが反応してプレスに行っていますが、フェルナンジーニョほどの選手であれば十分な時間とスペースが生まれています。この時点で、ビルドアップとして成功しています。ビルドアップの分析としてはここで終わりなのですが、この後にもフィニッシュへの局面で更なる巧妙な崩しが見られたので分析していきましょう。


左サイドを中心に崩しを行い、ジェズスがヘンドを引きつけたことで、リバプールは全体として右サイド寄りに。そのため、フェルナンジーニョ→ダニーロと展開した時点でWBのウォーカーの周りにはスペースが出来ています。ここでウォーカーにボールを預けることで、さらにリバプールへ長い距離のスライドを強います。また、ウォーカーには前を向く時間があります。

ウォーカーがボールを受けると、こちらもライン間に下りてきてフリーになっていたアグエロがクラヴァンの前をダイアゴナルに横切りながら外へ出て行きます。クラヴァンはこれに対応していきますが、実はこれは囮。本当の狙いはそこでクラヴァンとマティプの間に出来たスペースをデブライネが利用することでした。
結果的にボールは合わなかったものの、リバプールのディフェンスラインは横方向の間延びを強いられ、実質的には崩されていたシーンでした。

シティの守備①

この試合の前半、割と殴り合いに近い展開で、シティの守備というかリバプールの攻撃が成功したシーンについての解説という形になります。シーンは14分20秒、また29分57秒付近のプレーです。

リバプールのSB、アーノルドがワイドのポジションでボールを持ったときにシティはそれほどプレッシャーをかけてきません(というか、メンディのポジショニングは謎です)。すると、その瞬間にサラーは3バックの構造的弱点である左右のCB(この場合は左CBのオタメンディ)の脇を狙っていきます。


サラーはその快足を飛ばし、3バックの外側に出来た大きなスペースを自由に進撃します。恐らく、今ではこんなにやらせてはもらえないでしょうが、この時点ではリバプールのエースはマネだったこともあり、サラーへの警戒はかなり甘いです。サラーへの対応はオタメンディが行うため、メンディは中を塞ぐため斜めに戻ります。

サイド深くまでボールを運び、サイドに出てきたオタメンディ、カバーに入ったメンディを含むDFラインがかなり深くまで入ったところで、上がってきたTAAにボールを戻します。まっすぐ戻ってきたIHのシルバがTAAへプレッシャーをかけます。すると、ペナルティエリア角のハーフスペースに丸で示した大きなスペースが生まれていることが分かります。


そのスペースに走り込んだヘンダーソンは、彼の最も得意とするプレーの一つであるペナ角からの高速アーリークロスを選択。ファーサイドで2人ほどフリーが生まれていましたが、ここではボールが完全には合わず。しかしかなりチャンスのシーンでした。

次に、29分57秒のシーン。

中盤でのボールの奪い合いをジャンが制し、相手のプレッシャーをかわします。

マネが足を活かして深くへ侵入する……と見せかけて、中盤に出来たスペースへカットイン。ボールを引き出します。


マネが中盤でボールを受けると、再度サラーがオタメンディの脇を使います。そこにマネからの正確なスルーパス。この時期は、確かにマネがリーサルウェポンでありゲームメイカーでもあり、リバプールの攻撃をリードしていることがわかります。

完全に抜け出したサラーがエデルソンと1対1に。ここはエデルソンの好セーブに抑えられますが、完全に1点もののシーンでした。

この様に、試合前半ではリバプールとシティの攻撃は共に成功しており、殴り合いの様相を呈しています。少なくとも、0-5という結果ほど一方的にやられていたシーンばかりではありません。

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4 件のコメント

  • 「勝負のポイント・キープレイヤー」が見事に的中!!しましたね。

    「ロジカルなチームに勝つ」って、ホント気分爽快♪です。

    でも「ペップ・シティを本気で怒らせた!?」エティハドの

    2stレグは・・・やっぱり怖いです。

    • 正直言って、TAAは予想を遙かに上回る活躍ぶりを見せてくれましたね!
      チェンボのスーパーゴールも、ジェラードを彷彿とさせる素晴らしいものでしたし……!!

      ペップがこのまま指をくわえて見ているとは考えにくいので、何か必ず仕掛けてくるはずですね……恐ろしいです。
      時間があれば、この試合の分析をして、その最後の方で次の試合も展望していきます!

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