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基本プロフィール

画像出典:北アイルランド代表公式Twitter
- 選手名:コナー・ブラッドリー
- 生年月日:2003年7月9日
- 国籍:北アイルランド
- 身長:181cm
- ポジション:RSB, RMF
- 背番号:84
- チームキャリア:リバプール(ENG/21-22~), ボルトン(ENG/loan:22-23)
- 市場価格:€ 30.00Mill.
- 契約終了年:2029年6月30日
プレースタイル
サイドバックの選手に求められる能力を高いレベルで満遍なく備えたアカデミー出身のブラッドリー。期待されている成長曲線を描くことができれば、正統派のSBとして世界最高峰の選手になれるだけのポテンシャルを秘めている。
ストロングポイント

画像出典:LFC公式Twitter
フィジカル的な観点から見ていくと、181cmというサイズはSBでプレーする選手としては標準的。やや手足が長く線も細いが、均整の取れた体格で身のこなしはスムーズ。
SBにとって最も重要といえるスピードと持久力をどちらも高いレベルで兼ね備えており、特に長い距離を駆け抜けるトップスピードと加速力、そして無駄走りを厭わない献身的なスプリントはブラッドリーの大きな美点。メガクラブ特有の、高い最終ラインの背後にできる広大なスペースもカバーできるクオリティの持ち主だ。
— Liverpool FC (@LFC) November 28, 2024
コンタクトプレーに関しても避ける傾向はなく、英国人らしい果敢なスライディングタックルは必見。空中戦においてもリバプールの他のSB陣と比べると高い数値を記録しており、その点においても信頼できる(後述のデータ参照)。
いずれにせよ守備の局面で後手に回った際に、それを挽回できるだけの十分なフィジカル能力を備えていると評していい。

上記のデータは、過去2シーズン(2023-24 & 2024-25)のリーグ戦における空中戦の総数と勝利数、そして勝率を表したもの。他の選手と比較してブラッドリーがかなり優れた数字を記録していることがわかる(データの出典元はOpta)。
技術的な観点を見ると、こちらもまたSBに求められる能力を満遍なく備えている。ボールを持った際は自ら持ち運ぶことを好み、身体を巧みに使ったタッチやターンで密集地帯でも抜け出し、シンプルな仕掛けでスペースを上手く攻略していく。ペナルティエリアにも積極的に侵入し、ラストパスはもちろんのこと時には自らのシュートで攻撃を終わらせることも少なくない。
ブラッドリーの仕掛けで秀逸なのは、スピードと推進力を発揮した単独でのダイナミックな駆け上がりを見せることもできれば、周囲の味方と上手く連動したパスワークで局面を推し進めることもできる点だ。これはブラッドリーがフィジカル/テクニカルどちらの側面においても高い能力を備え、かつそれを正しく選択し実行できるだけの卓越したインテリジェンスやプレービジョンの持ち主であることの現れといえる。
SBは攻撃の局面において個人での打開力以上に、オフ・ザ・ボールの際に味方のために時間や空間を提供する走力や献身性、そして知性が求められるが、この点においてもブラッドリーは素晴らしいプレゼンスを発揮している。
ボールを持っていても持っていなくても自陣の低い位置からファイナルサードまで多くのシーンでプラスアルファをもたらせる点が、ブラッドリーの攻撃面における最大の特徴だろう。
The best of Conor Bradley in #LIVCHE 🎬 pic.twitter.com/RIoPjixKIF
— Liverpool FC (@LFC) February 2, 2024
また、傑出したパーソナリティの持ち主である点も見逃せない。SBでプレーする選手として正しいマインドやメンタリティの持ち主で、不遜な態度を取ることはなく、チームのために攻守に渡って奔走することのできる選手だ。
北アイルランド代表ではすでにリーダーの一人として活躍しており、キャプテンを任される試合もある。本人もリーダーとして成長したいと語っており、リバプールでも腕章を巻いてプレーする日が来るかもしれない。
ウィークポイント

画像出典:北アイルランド代表公式Twitter
もっとも気になるのは、やはり怪我耐性の低さ。大きな怪我を負うわけではないものの、軽微な故障による負傷離脱を繰り返しており、戦力としてやや計算しづらい存在になってしまっている。24-25シーズンまでのブラッドリーの立場は右SBの明確な二番手だったが、25-26シーズンからはジェレミー・フリンポンとレギュラーの座を争う立場となる。
フリンポンの超攻撃的なプレースタイルやユーティリティ性を考えると、仮にフリンポンがポジション争いをリードする展開になったとしても棲み分けがしやすく、これまで以上にプレータイムを得られることは確実。そのため、負傷離脱によってその機会を失うことがあれば、それはブラッドリーとクラブの両方にとって大きな損失だ。
ブラッドリーが期待されるレベルに到達できるかは、怪我なくシーズンを通して戦えるかどうか、この一点に限るだろう。ブラッドリーの改善点の多くは経験によってどうにかできるものがほとんどであり、つまりプレータイムさえ得ることができればより良い選手になれることは間違いない。そういう意味でも、今後ブラッドリーがフィットネスを維持していけるか注目していきたい。
ピッチ上での弱点を見ていくと、守備面はさらなる成長が期待できるポイント。重心が比較的高めなので、自身よりもアジリティやクイックネスに優れる軽量級のアタッカーに対して後手に回るシーンが珍しくない。
守備の局面においてはややフィジカル的な資質に頼る嫌いがあるので、今以上に先手を打って対応する術を身につけることができればより堅いDFになれるだろう。これは経験を積むことによって十分に改善できる部分だ。また、若さゆえに必要のないファールを犯してカードを貰うシーンも見られるが、こちらもまた同上である。
ブラッドリーは前述の通り、心技体全ての能力がバランスよくまとまっており、それでいてどの要素も平均を上回るクオリティを備えている。つまり、取り立てて騒ぐほどの明確な欠点や弱点はないと言っても過言ではないだろう。繰り返すが、重要なのは怪我を減らして多くの試合に出場し、さらなる研鑽を積んで一歩ずつレベルアップしていくことだ。
ポテンシャル的にはアンディ・ロバートソンのように正統派のSBとして世界最高峰の選手になれるだけのものを秘めており、その将来はとても明るい。世界最高のSBとして、是非ともバロンドールの受賞という“前人未到の夢の里”に辿り着いてほしいものだ。
エピソード・小ネタ

画像出典:北アイルランド公式Twitter
◆「Bradley」という名字の起源は古英語にあり、「広い森/草原」や「広大な空き地」といった意味を持つ。また、「Conor」という名前はアイルランド語に起源を持ち、複合語の「Conchonhar」を英語化したものだ。意味としては「猟犬の恋人/主人」だそう。
◆サッカーに限らず多くのスポーツに万能だったようで、少年時代はゲーリック・フットボールやハーリング、陸上競技、クロスカントリー・ランニングといった多くのスポーツを楽しんでいたそう。また、彼を指導した小学校は「運動能力も然ることながら、彼の際立っていた点は周囲の人々を巻き込んで遊ぶその気質にある」と述べている。
◆リバプール移籍以前に、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッド、サウサンプトンなどもブラッドリーの獲得に動いていた。実際に後者の2クラブのトライアルにも参加しているが、ブラッドリーはファンであったリバプールへの移籍を決めている。本人曰く「自分が単にリバプールを応援していたからという理由だけでなく、家族のようなクラブだと感じたから」。
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