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アンフィールド・オリンピコでの激闘を制し、念願のキエフへの切符を掴んでからはや3週間。夢見心地なこの時間はついにクライマックスを迎えようとしてます。世界最高峰のスター選手を揃える白い巨人の3連覇阻止というリバプールらしい状況で果たしてビックイヤーを掲げることはできるのか。いよいよ決戦の時です。
対するは2年連続欧州制覇中のレアルマドリーというだけあってクラブ・選手・ファン全てにおいてファイナルに対する経験値はやはり圧倒的。我々KOPとは良くも悪くも見えている景色が違うように感じます。
そんなCLの雄なので他クラブに比べると既知な情報も多いチームですが、どのチームにも年中試合を観戦するファンだからこそ知るチーム事情があるもの。リバプールラボでは対戦相手のサポーターインタビュー企画をファイナルでも実施します。
今回ご協力いただいたのは”レアルマドリーのある生活”を運営するhirorealさん。
毎試合スターティングラインナップから試合展開まで丁寧に紹介している人気ブログの作者にお忙しい中時間を割いていただき、レアルマドリーのチーム事情についてお答えいただきました。
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— hiroreal (@hiroRMCF) 2018年5月19日
hirorealさんインタビュー(以下インタビュー引用)
今シーズンのチーム状況
序盤は4-3-1-2で1にイスコを置く「イスコシステム」とも言うべき形でスタートしました。支配率を高めて崩すことを目指した形でしたが、シーズンの前半ほとんどを費やしても一向にものになりませんでした。というのは、イスコがトップ下で決定的な仕事を得意としていなかったからで、ここぞというところのパス精度は意外に低く、自由を与えられたが故に低い位置に下がって受けることも増えて自分でシュートするような場面も減ってしまいました。
BBCもベイルが負傷がち、新機軸のイスコシステムも手詰まりとなって、その他の負傷者も多く、年明けまではかなり苦しい状況だったといって良いと思います。
CLのトーナメントが再開するくらいのタイミングから、ルーカス・バスケスとアセンシオを両サイドに置く4-4-2が機能することが分かってきて光明が見えてきます。特にバスケスは一時期「ただ走れるだけ」で、技術が低くチャンスを潰すプレーヤーという取り扱いだったのが、役割が整理されて一気に良くなり、ベイルからポジションを取れるくらいの序列になりました。
一時期のリーガでは4-4-2で始め、イスコを交代で入れてポゼッションを高めて試合を締める、という試合運びをしていましたが、CLにおいては逆で、イスコを使った形でポゼッションしながら様子を見て、良い時間帯でスピードのあるバスケスやアセンシオを入れて勝負をかける展開を狙うようになっています。
パリ、ユベントス、バイエルンとのどれでもそうした試合展開を目論んでいたのだろうと思います。
決勝もその延長戦にあるとすれば、まず4-3-1-2、後半途中から4-4-2への変形、もしくはサイドの2対2同数を確保するために、4-4-2で始めて、途中からイスコ投入という逆パターンと両方の予想ができると思います。
攻撃の基本メカニズム
攻撃はサイドが中心です。マルセロとカルバハルが生きる形を作りたい。左サイドは足下の技術が高いので、左で狭い局面を作って突破、ダメならサイドチェンジして右でスピードを生かす、というのがよくあります。
左はマルセロ、モドリッチ、イスコ、アセンシオといった面々ですね。クロースやセルヒオ・ラモスがサイドチェンジ役で、右のカルバハル、バスケスにボールを動かします。時にはベンゼマが中央で受けられる形もありますね。
守備の基本メカニズム
守備は4-4でのブロックが基本です。4-3-1-2だとイスコが攻撃終了時の位置取りによって2列目の守備のどこに入るのかが変わるので、再現性がなく4-4のブロックが弱かったのですが、4-4-2の時は4-4の2列で幅をカバーできています。
ストロングポイント
守備陣も含め精度の高いパスが出せるのが強みでしょうか。モドリッチとクロースは奪われる心配がほとんどないですし、スムーズにサイドに展開できればマドリーの長所が生きると思います。
ウィークポイント
辛いのは、それでも2列目がうまく守備組織を作れないことがしばしばあることと、カゼミロのところにボールが入った時にプレスで狙われることです。カゼミロは以前は低い位置に残ってプレーしていたのですが、どんどん高い位置に出るようになっています。クロースも以前ほど「サイドチェンジの砲台」という感じではなく、自分で持ち運ぶこともあるので、ここが乱れている時に奪われると2列目の枚数が揃わないままカウンターを受けることになってしまいます。
さすがにビッグマッチではカゼミロも自重するでしょうが、フラフラ出て行った時は不安が残ります。
キエフでのキープレイヤー
マドリーのキーは両サイドバックですね。彼らが攻撃面で生きる時間が長ければ、中央でロナウドが仕留められる確率も高まるでしょう。その分彼らの背後をカバーするCBの2人の個人能力も欠かせませんが。
リバプール側のキープレイヤー
リバプールは、3トップの誰かを挙げるのは面白くないので、中盤の3枚ですかね。ここでマドリーが引っ掛けられるようだとカウンターでやられそうです。逆に言うと、中盤のやり合いをかわしきれるようなら、マドリーのペースになるかなと思います。
マドリディスタからみたリバプールのイメージ
リバプールのイメージは、私はクロップですね。ドルトムント時代にやられた印象が強いので。プレスをかけてショートカウンターでレバンドフスキがフィニッシュ、という形で散々やられました。
今のリバプールはフィルミーノが偽9番的振る舞いで、レバンドフスキほどゴールを決める役割に徹さない分、両翼で仕留められるように設計されているイメージです。
気になるのは、ドルトムント時代は中盤の配球も優れていましたが、今のリバプールで言うと誰がそれをやるのかな、というところです。ドルトムントより汗かき役が多いイメージですので。
ファイナルスコア予想
スコアは当たらないと思いますが、3-1でマドリーとしておきます。クリーンシートは互いにちょっと考えづらいのではないでしょうか・・・。
最後に一言
リバプールとの試合では、ベスト16でなす術なく敗退した’08~’09シーズンの対戦が懐かしく思い出されます。当時、マドリーはベスト16の壁を何年も打ち破れずにいました。ちょうど引越しの作業をしながら、ダンボールだらけの部屋で、今シーズンもダメだった、相手の方が強かったと思ったことを懐かしく思い出しました。
グループステージでの対戦はありましたが、10年を経て、こういう舞台であいまみえることを思うと感慨深いものがあります。当時とは多くのことが変わっていますが、良い雰囲気の中で試合ができるよう期待しています。
編集後記
We have to change from doubters to believers. -Jurgen Klopp-
クロップを信じてここまでこれた。あと1つ。僕たちは信じるものにならなけらばなりません。
筆者自身も未だにリバプールがファイナルを戦うという実感が少ないですが、徐々に世界中の注目が集まり、選手たちがCL関係のイベントを楽しんでいる様子を見ると、いよいよリバプールがあの舞台を戦うんだなという誇りと共に、これまでの道のりが思い出され胸に込み上げるものがあります。
この舞台を戦うことのできる幸せを噛み締めながら、素晴らしいキエフの夜を共に楽しみましょう。
We are Liverpool!
You’ll never walk alone!
マジスタ#7
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