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基本プロフィール
- 選手名:デヤン・ロヴレン
- 生年月日:1989年7月5日
- 国籍:クロアチア
- 身長:188㎝
- ポジション:CB
- 背番号:6
- チームキャリア:ディナモ・ザグレブ(06/07~), NKインテル・ザプレシッチ(loan:06/07, 07/08), リヨン(10/11~), サウサンプトン(13/14~), リバプール(14/15~)
- 市場価格:20.00 Mill. €
- 契約終了年:2021年6月30日
プレースタイル
ストロングポイント
毎試合のように「肉を切らせて骨を断つ」スタイルで戦う、闘争心の塊。苦しい状況でも真っ向から勝負するファイターとしての姿勢は、守備者としてはパーフェクトだ。
パワーもスピードもずば抜けているというわけではないが、前述の通り捨て身の戦法で持っているもの以上を発揮することができる。とは言ってもフィジカルの水準は高く、自慢のフィジカル能力を前面に押し出したハードなチャージは必見。
一見ただの脳筋のようにも見えるが、その実そうではない。足元の技術もなかなかどうして優れており、パスも上手いのだ。ゆえにそんじょそこらのフィジカル一辺倒のCBとは一線を画し、総合的な能力は高い。
また、その持ち前の素晴らしいキャラクターも彼を語る上では欠かせない。おそらくリバプールの中で最も影響力のある選手の1人だと思われる。誰とでも仲良くなれるようなナイスガイで、シャイな選手がロヴレンと共に笑顔で写真を撮ることもめずらしくない。
ドレッシングルームやプライベートなど、我々の目につかないところでの彼の貢献度は計り知れないのかもしれない。フィルジル・ファン・ダイクの到来、頭角を現したジョー・ゴメスの存在によってピッチに立つ時間は少なくなるかもしれないが、試合に出られずとも文字通りチームを後方から支えて欲しいものだ。
ウィークポイント
これはストロングポイントでもあるのだが、メンタルがパフォーマンスに直結してしまうタイプ。つまり、心身共に充実していればそれこそ自称する「世界最高」級のパフォーマンスを披露してくれるのだが、精神的に不安定だと即死級のミスを披露する。
「今日は“もってないな”」程度で済むアタッカーであればいざ知らず、これだけパフォーマンスが精神面で左右されてしまっては、CBというポジションを踏まえると(いくらシーズンで何度か鬼神と化したとしても)常時レギュラーとして考えづらい。
また、ただの脳筋ではないとストロングポイントでは述べたが、ちゃんと脳筋でもある。たしかに水準以上の足元の技術は有しているが、それを正しく使う能力は欠けている。端的に言えば、インテリジェンスの欠如だ。
パスを出すタイミングを見極めるのはお世辞にも上手いとは言えず、結局は横パスやバックパスに留まるためビルドアップの貢献度はあまり高くない。ロングフィードも精度を欠くことが多いが、それでもチャレンジすることはやめないので成功することもあり、その精神は買うべきだろう。
無理に繋がなくてもいい場面ではシンプルに蹴り出す、プレスを受けていても慌てずに最適解を見出す、といった戦術眼は間違いなく改善の余地を残す。前述の通りそのベースとなる技術はあるため、このままでは非常にもったいない。
個人的には、世界最高峰のCBと称されるようになるだけの資質は秘めていたと感じていたので、それがインテリジェンスの欠如によって開花しなかったのが残念でならない。
総評
進境著しいゴメスによって、デヤン・ロヴレンはレギュラーから陥落したように思う。しかし、ユルゲン・クロップからは高く評価されているようで、クロップ就任後には契約延長を締結している。彼に対する期待の現れと捉えていいだろう。
KOPから非常に厳しい声を浴びせられながらも耐え抜き、ここまでやって来たことは本当に評価に値すべきことであることは間違いない。是非これからもリバプールで心揺らすハートビートなパフォーマンスをお願いしたい。
エピソード・小ネタ
◆リバプール移籍の話が出たとき、すでに心はサウサンプトンになく、それによってセインツのファンから批判もされた。リバプール行きを夢見るロヴレンはその夏、家族ぐるみの付き合いをしているルカ・モドリッチと共にギリシャでバカンスを過ごしたのだが、そこでモドリッチは「俺もレアル・マドリーからオファーをもらったときはもう移籍することしか頭にはなかった。気持ちはわかる。」とロヴレンにアドバイスをしたそう。
◆初めてアンフィールドを訪れた際に聴いた、生のYou’ll Never Walk Aloneに大いに感動し、「毎週このYNWAを聴きたいと思った」とリバプール加入時に語っている。ちなみにその試合はロヴレンのゴールが決勝点となり、リバプールはサウサンプトンに敗れている。
◆サミ・ヒーピアの誕生日の際、自身のツイッターにて14歳の頃にヒーピアと写真を撮ってもらったことを明かし、その2ショットと共に祝いのメッセージを投稿した。注目すべきはその身長差で、そこに映る2人の身長差はほとんどないように見える。今でこそ188㎝あるロヴレンだが、ヒーピアの身長は195㎝。14歳の時点でも相当大きいことがわかる。おそらく185㎝近くはあっただろう。
◆「Russel Brown」というファッション・ブランドを立ち上げている。
◆なんだかんだ言っても男前である。絵になる男なので彼に関する写真はかっこいいものが多い。
◆なぜかはわからないがワールドサッカーダイジェスト(WSD)からの風当たりが強い。本誌のリバプール評価の際も毎度のごとく放出候補にされ、そこそこ強めに叩かれる。
◆クロップがサン紙の記者の質問に答えず、クラブが公式でサン紙の出禁を発表した当初は、「ヒルズボロの悲劇」を巡るものだとされていたが、実際にはロヴレンの奥さんの不倫という守られるべきプライバシーの家庭問題をサン紙が暴露し、それに対してクロップが激怒したからであった。
◆ロヴレンが生まれ育った旧ユーゴラスヴィアはボスニア戦争真っ只中で、日常的に銃声が飛び交い、いつ命を落としてもおかしくなかった。ロヴレンは祖父がドイツにいたため、難民としてドイツに行くことができたが、戦争終結後、クロアチアに移住した。彼自身が難民であったため、現在難民として苦しむ人に対する理解を求めるメッセージをクラブを通してしている。
◆ジョエル・マティプ曰く、「完璧なドイツ語を話す」とのこと。ロヴレン自身、ドイツでの日々は幸せだったと語っている。
◆マティプはその他、リバプールで最もハードな選手にロヴレンの名前を挙げている。さらに、リバプールで最も面白い選手はという質問にもロヴレンと答えている。ロヴレンが陽気で楽しい人間というイメージはあまりないが、難民への手助けを呼び掛けたりと、実はめちゃくちゃナイスガイである。
◆ロシアW杯のデンマーク戦後、クロアチアのサッカー協会がFIFAに7万スイスフランの罰金を受けたが、その原因がロヴレンの飲んでいたレッドブル。FIFAはスポンサー以外のものが映ることを禁止しており、コカ・コーラと契約しているためレッドブルはNG。それゆえの罰金となってしまった。今回の事件は「歴史上最も高価な翼」などと皮肉られている。
◆ロシアW杯において、クロアチア代表のファイナル進出に大いに貢献したロヴレン。準決勝でイングランドを撃破した後、「自分は世界最高のDFの1人」という発言をしたことで話題をさらった。だが、クロップには「あまりそういうことは自分で言わない方がいい」とツッコまれている。
◆ロシアW杯の決勝vsフランスにおいて、試合中にロシアのバンド集団であるプッシー・ライオットが乱入。そのメンバーの1人に対して、ロヴレンが怒りの鉄槌を下したことも話題になった。曰く「本当に腹が立った」。
◆世界で最も有名なリバプール・サポーターの一人であるNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズが自身のフェイスブックでリバプールに対するメッセージを投稿した際、同時にクラブからプレゼントされた背番号6(当時レブロンはマイアミ・ヒートに所属しており、ヒートでの背番号が6であったため)の写真も載せていた。それに対して現在リバプールで6番を背負うロヴレンは自身のインスタグラムにて「もしも彼がこの番号を望むなら僕は気にしないよ、彼はキングだからね!」と投稿している。名前も似ているので、いつかレブロンとも2ショットを撮ってほしいものだ。
参考サイト
transfermarkt:世界のサッカー選手の移籍情報を中心としたデータベースサイトです。
WhoScored:欧州サッカーのスタッツや最新ニュースが掲載されているサイトです。
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