アルネ・スロット解任:リバプールは他に選択肢はなかった(エコー)

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平野 圭子
LIVERPOOL SUPPORTERS CLUB JAPAN (chairman) My first game at Anfield was November 1989 against Arsenal and have been following the Reds through thick and thin
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以下は、昨日(5/30)のリバプール・エコー紙の記事です。

■アルネ・スロット解任:リバプールは他に選択肢はなかった(エコー)

5月24日のプレミアリーグ最終戦の後で、選手たちが定例のシーズン末のラップ・オブ・アプリシエーション(※チーム一行が家族を連れてスタンドのファンに挨拶をする定例行事)をしている時に、アルネ・スロットが一人でポツンとベンチに座っていた姿が、この結末を象徴していました。

最終戦のブレントフォード戦は、リバプールの失意に満ちたシーズンの象徴というものでした。プレミアリーグ連覇の目標が吹き飛ばされて、ギリギリCL出場権を勝ち取った終わり方でした。

CL出場権はリバプールにとって最小限というものでした。ただ、スロットのクビを救うには足りなかったのでした。その6日後にスロットはクビになりました。スロットの2年間は、初シーズンでリーグ優勝20回目の栄光を達成し、クビになって終わりました。

2024年夏にユルゲン・クロップの後を継ぐという仕事が非常に困難だったことは明らかです。それを、スロットは最初の27試合で23勝でリーグ優勝に導いたのです。

ただ、スロットが後から振り返ったことは、その夏の戦力補強不足がチーム立て直しのタスクを先延ばししたのでした。その結果、チーム再建となった2シーズン目は、誰もが予想すらできなかったような悲惨な成績で終わりました。

実際に、昨季3月のCLラスト16のPSG戦2戦目で線引きをするとしたら、スロットのそれまでの戦績は45戦34勝で勝率76%です。

そして、その後は68戦32勝で勝率僅か47%となっています。うち、最後の14試合では僅か4勝でした。その過程でリバプールはFAカップとCLで敗退しました。プレミアリーグは12ポイント中僅か2ポイントでした。

もっとも、リバプールがカップ戦で敗退した時の対戦相手は、マンチェスターユナイテッドを除きいずれもその大会で優勝しましたが。

ただ、リバプールの不振の原因を繰り返し問われて、それに対するスロットの回答は最後まで説得力がないものでした。

はたから見ても、あの最悪の12戦9敗の時期から立ち直った後でも、それをスタート台に反撃が出来たとは言えなかったことが、人々の不満を高めました。

スロットのクビを求めるメッセージがインターネット上を飛び交ったことはそれはそれですが、アンフィールドのスタンドが何度もスロット批判の声を上げた時に、FSGはファンの声を無視し続けることはできなくなりました。FSGは、チケット代値上げに対するファンの抗議の声を聴きとめることを余儀なくされたのと同じく。

ファンだけでなく、モー・サラーがヘビーメタル・フットボールに戻るべきと主張したことは、世間のスロットに対する厳しい視線を更に強めました。サラーは不振の末に試合のメンバーから外されて、スロットとの対立を露呈しました。そして、最終的にサラーは自分が去る結論に達しました。

スロットは、シーズン終幕に記者会見の場に立った時には落ち着いてリラックスした様子を貫きました。それは、自分の運命を知りながらも一流の俳優のような態度を取ったのか、それとも純粋にその時には自分のクビは安泰だと信じていたのか、どちらなのかは不明です。ただ、リバプールのトップからは一度たりともスロットのクビを検討している様相は見えませんでした。

でもリバプールのシーズン末のレビューの結果はスロットのクビでした。チームが前に進むためには変化が必要で、その変化はヘッドコーチの交代という結論でした。

スロットのクビについては、おそらくは厳しすぎるという批判と、打倒だいう声が混在しているでしょう。

ただ、フットボール面を言うと、クラブが、今のチームが本来やるべきフットボールを展開するにはスロットは不適切だということは、スロット自身も認めているでしょう。

スロットは、クロップの後任として適切な人材だったとして、昨年夏の£450mの新戦力を含む今のチームを発展させるには不適切な人材だったということです。

おそらく、リバプールは11年前のブレンダン・ロジャーズの最後の時期の反省を浮かべたかもしれません。ロジャーズの最後のフル・シーズンは悲惨な成績でしたがFSGはロジャーズ続投を決めました。それに続くシーズンは開幕から悲惨な状態が続行しました。あの時には、クロップという選択肢がありました。

もちろん、今季は誰もが考えも及ばなかった悲劇がありました。ディオゴ・ジョッタの影響については、アンディ・ロバートソンとカーティス・ジョーンズがその奥の深さを明かしたところです。

その悲劇に際して、スロットがこの上なく適切な言動を貫いたことは、誰もが感謝に耐えないことです。

でも、その人間的な業績がFSGにとってスロットのクビを考え直す要素ではなかったということです。

では、リバプールはこの次はどこへ進むのでしょう?

スポーティング・ディレクターのリチャード・ヒューズと、FSGのスポーツ面のチーフのマイクル・エドワーズの2人は責任なしではありません。

その一つは、昨年夏のチーム入れ替えです。ルイス・ディアス放出に関してはクラブの財政的な面では仕方ないことだったかもしれません。でも、その代わりの人材を取らなかったことは罪です。スロットに残された戦力は、調整不足でおそらくは2025-26季は戦力として使えないだろう状態のアレクサンデル・イサクが渡され、必須だったマーク・グエイ獲得に失敗しました。それは、この2人の責任です。

ヒューズとエドワーズの2人は、今はスロット後任を探すことがタスクとなりました。

アンドニ・イラオラが候補者筆頭と見られています。おそらく、明らかな候補者でしょう。

ただ、イラオラは大きなギャンブルです。もちろん、ボーンマスで素晴らしい仕事をして、来季のELを確保しました。その前のラヨバジェカノでもいい仕事をしました。ただ、ヨーロッパの経験がないことと、リバプールのようなビッグクラブの経験がないことです。そして、前職での素晴らしい業績を達成したほどの能力の持ち主でも、リバプールに来ればその一挙一動が厳しい視線で見られ、分析の対象から逃れられません。それはスロットも経験してわかったことです。

スロットは、ファンにとって最高の思い出を残してくれました。昨年のトットナム・ホッツパー戦で、ファンと一緒に達成したリーグ優勝は、永遠に残るものです。

それから1年後の今、去ることになったスロットに対しては、インターネット上では歓喜のメッセージが飛んでいますが、本来は悲しい気持ちで見送るべきことです。

そして、スロットの時期は終わりました。ヒューズとエドワーズは、次のヘッドコーチ選出に際しては間違いは許されません。チームを前進させる人材を確保することが必須です。

*本記事はご本人のご承諾をいただきkeiko hiranoさんのブログ記事を転載しております。

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