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基本プロフィール
- 選手名:ジョー・ゴメス
- 生年月日:1997年5月23日
- 国籍:イングランド
- 身長:188cm
- ポジション:CB, RSB, LSB
- 背番号:12
- クラブキャリア:チャールトン・アスレティック(ENG/14-15~), リバプール(ENG/15-16~)
- 市場価格:€ 18.00Mill.
- 契約終了年:2024年6月30日
プレースタイル
各年代のイングランド代表に選出され続け、A代表デビューでも抜群の出来を披露して英国中の話題をさらった逸材。本職はCBだが、両SBでのプレーを可能にするほどのスピードとテクニックを備えたモダンなDFだ。
ストロングポイント
188cmと十分なサイズを持ち、総合的なフィジカル能力は極めて高い。細身だが均整の取れた体格をしており、アジリティが高く、CBとしては破格のスピードの持ち主。リバプールでのデビュー当時に比べて身体が見違えるほど逞しくなっており、プレミアの猛者ともフィジカルコンタクトで互角に渡り合えるようになっている。
SBでのプレー経験から、自慢のスプリント能力に磨きがかかっている。具体的にはSBに求められるアップダウンによって走力が向上し、CBでプレーした際にカバー出来る範囲が明らかに広くなっている。
また、ビルドアップの起点になれるほどの優れたテクニックのクオリティも備えている。パスは長短を上手く使い分け、精度も高い。タイミング感覚も悪くなく、CBのポジションを争うデヤン・ロヴレンやジョエル・マティプとは、このスピードとテクニックという点で優っている。
絶対的なパワーという点では物足りなさがあったが、前述の通り身体的な強度は日増しに高まっている。それが殊に現れているのが空中戦。今までは劣勢を強いられることが多かったものの、18-19シーズンは空中でも抜群の存在感を放っている。
裏を取られたり、スペースを上手く使われたとしても、爆発的なフィジカル能力と破格のスピードによって、それを力尽くで挽回してしまう。水際のピンチに勇気を持って飛び込んで防ぐゴメスの表情は自信に満ち溢れており、リバプールの明るい未来すら予感させる。
ベースとなるフィジカル能力があってこそだが、複数のポジションを遜色なくこなすには戦術的インテリジェンスが欠かせない。その点ゴメスは非常にクレバーで、自身に与えられた役割を果たせる選手だ。
試合終盤に守備固めをしようとCBを一枚追加すると、基本的にどのチームも3バックになる。しかし、ゴメスをCBからSBへとスライドさせることによって、システムをいじる必要性がなくなる。余計な配置の移動による混乱を避けられるのだ。この点でも、ゴメスはリバプールにとって不可欠なカードになりつつある。
年齢を忘れさせる落ち着きも特筆すべきだろう。卓越したパーソナリティは、二度の大怪我を乗り越えて形成され、対峙する相手がワールドクラスでも一切物怖じすることはない。
この極めてエレガントな21歳のCBは、その破壊的なポテンシャルの高さをすでに証明してみせている。彼が今後何年と渡り、リバプールの最終ラインを背負って立つことは間違いない。
ウィークポイント
左足の精度には向上の余地を残す。ここが改善されればプレスを掛けられても余裕が生まれ、よりスムーズなビルドアップを可能に出来る。また、かつては多かった拙いミスも、継続的なCBでの出場機会を得てからというもの減少傾向にある。隣にファン・ダイクというワールドクラスのCBがプレーしているのが大きいのだろう。
しかし、守備の個人戦術はまだまだ習得していく必要がある。例を挙げれば、アンティシペーション(相手のプレーを予測する能力)やポジショニング、空間把握能力、プレーの展開を先読みして対応する読解力などだ。
直近のゴメスに頼り甲斐があるのは、ファン・ダイクのリーダーシップやコーチングがあってこそだと思われる。ファン・ダイクの指示がなくとも正しい選択を出来るようになったとき、ゴメスはワールドクラスの領域に足を踏み入れるだろう。
若手を育てる、というのは往々にして痛みを伴うものだ。一つのミスが失点に繋がってしまうDFだが、例えミスを犯したとしても我慢強く使い続ける価値がゴメスにはある。KOPの誰もがその将来に期待を寄せる選手である。
エピソード・小ネタ
・生まれはロンドン南部に位置するキャトフォード。同じくロンドン出身で、歳も近かったジョーダン・アイブ(現ボーンマス)とはとても仲が良かったという。
・テレグラフ紙によれば、チャールトンのアカデミーの在籍していた15歳の時に、チェルシーのアカデミーに移る可能性があったという。世界最高峰のアカデミーを擁しながら、トップチームでの定着率の低さが問題となっているチェルシーでゴメスが現在の位置に到達していたか?と言われると疑問符がついてしまうか。
・トップチームのデビューを飾った半年後、ゴメスの下に今度はマンチェスター・シティからオファーが届いた。しかし、ゴメスは「まだビッグクラブに移籍するには早すぎる」と残留を選んだそう。そしてその半年後、リバプールに移籍している。
・リバプールが獲得に費やした移籍金は、たったの350万£。チャールトンのサポーターは「いつかはビッグクラブに引き抜かれると思っていたけど、あまりにも早くその時が来てしまった。リバプール史上最大のバーゲンになるだろう」と、ゴメスを送り出している。
・リバプール・エコー紙によれば、リバプールに移籍してからの最初の壁は「自炊」だったそう。曰く「チャールトン時代は実家通いだったので、いつもお母さんが食事を作ってくれていた。リバプールで一人暮らしをはじめて、最初の課題が自炊だった。今はなんとか食べられるようになったよ。」
・ユルゲン・クロップが明かすところによれば、ゴメスが靱帯損傷後、1年振りに復帰しメルウッドの更衣室に入ったとき、その場にいたリバプールの選手全員がゴメスに対して祝福の拍手をしたという。また、これは計画的なものではなく、ゴメスが入ったときに自然に行ったものだったとも話している。
・スペインのマルカ紙が選ぶ、U18世界代表にCBとして選ばれている。なおこのベスト・イレブンには、当時オランダのフィテッセに所属していたドミニク・ソランケもCFとして選出されている。
・LFCTVのクイズ企画にて、ナサニエル・クラインとダニエル・スターリッジと共にチャレンジしたヒップホップクイズで、子供のころのエミネムの写真をエド・シーランと答え、他二人に爆笑されたことも。
・スカイ・スポーツにて、ティム・シャーウッド氏は「リバプールのベストCB」とゴメスを高く評価している。さらに「彼をSBでプレーさせているのは、彼の輝きを奪っているのと同じだ」とも。少し言いすぎな部分もあるが、KOPのみならず、それだけイングランド国民から期待されているということでもある。(なお、この発言はファン・ダイク加入以前のもの。)
・ファン・ダイクの獲得によって、ゴメスの出場機会の減少を危ぶむ声があった。それに対し、ゴメスは「クラブに対して失望を感じることはなかった。むしろ、ワールドクラスの選手から学ぶチャンスだよ。新しい選手が来ることに対して、拒絶心なんてないんだ」と話している。このエピソードからも、彼が非常に謙虚で意欲のある選手であることが窺える。
参考サイト
transfermarkt:世界のサッカー選手の移籍情報を中心としたデータベースサイトです。
WhoScored:欧州サッカーのスタッツや最新ニュースが掲載されているサイトです。
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