【リバプール対戦相手分析】チェルシー〜若きブルーズの隙を突け!〜

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トリコレッズ

トリコレッズ

日本ではマリノスファンなので、Redsの虜(トリコロール=マリノス)という意味でトリコレッズという名前にしました 戦術・選手分析などをしていきたいと思います

みなさんこんにちは。トリコレッズです。

いや〜、悔しかったですねCL開幕戦。ナポリに見事してやられた感じがあります。

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とはいえ、そうそう悔しがってもいられません。気持ちを切り替えて、今週末のチェルシーとのビッグ6対決に望んでほしいものです。

というわけで、そのチェルシーを分析していきましょう。分析の対象は、ミッドウィークのCLバレンシア戦です。

チェルシー0-1バレンシア @スタンフォード・ブリッジ

スタメンは上の通り。

チェルシーは今シーズン、サッリ退任に伴いスーパーフランキーことフランク・ランパードが監督に就任。それと共に、これまではビッグネーム指向が強かったチームから、若手の積極起用へと大幅に舵を切りました。

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開幕節こそユナイテッドに0-4で敗れたものの、それ以降は起用した若手が活躍して2勝2分けと負けなし。また、今シーズンの得点者はアカデミー出身者しかいない(エイブラハム7点、マウント3点、トモリ1点)という、一時期のチェルシーからすれば考えられないような状況になっています。

そんな中、この試合ではリーグ戦前節のウルブズ戦で初めて導入した3バックを引き続き導入。リュディガーがウルブズ戦で負傷した関係で、右CBにはレンタルから帰ってきたズマが入っています。なんか随分色々放浪していたイメージですが、ズマってまだチェルシー所属だったんですね。

なかでも注目なのはやはりタミー・エイブラハム。リーグ戦では開幕から絶好調をキープしており、出場5試合で7得点という驚異的なペースでゴールを重ねています。高さ、スペースを突く敏捷性、ビルドアップに関与する献身性、ゴールへの嗅覚などさまざまなものを兼ね備えたFWです。敵ながら、今後の成長が非常に楽しみな選手ですね。

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主な怪我人はリュディガー、エメルソン、カンテあたりでしょうか。また、この試合でメイソン・マウントも負傷してしまいました。ただし、怪我人事情の詳しいところについては正直わかりません。なのでこのプレビューもそのあたりは考慮していないのであしからず。

(実際のところ、誰かが帰ってきて戦い方が大幅に変わるということはあまりないと思います。どちらかといえば、リバプール相手に変えてくると考えられるのはフォーメーションでしょう。個人的には、4バックの採用が現実的ではないかと思います)

一方のバレンシア。昨シーズンはマルセリーノ監督のもとスペイン国王杯を獲得するなど、古豪復活をアピールしました。

しかし、監督と経営陣の確執が表面化し、マルセリーノ監督を電撃解任。この試合は就任2試合目となる、若き日のリアム・ギャラガーことセラーデス監督が担当しました。

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似てる! かな?

気になるのは、ガブリエル・パウリスタとフランシス・コクランの元ガナーズ組でしょうか。しかし案外ブーイングとか受けてなかったのは、彼らのガナーズでの活躍具合を示しているようで本人たちもやや複雑でしょう。コクランなんかはヴェンゲルの求めていた最後のピースみたいな言われ方していたんですけどね。つーかコクラン右サイドハーフなんかい

他にもシレッセンやガライ、ガヤ、クリホビアク、コンドグビア、パレホ、ガメイロなど結構ビッグな名前が揃っています。

チェルシーの攻撃〜スピーディーに右サイドを突破〜

まずはチェルシーの攻撃から。多くの場合、右サイドに人数を掛けて突破するシーンがよく見られました。

ビルドアップ開始時は、3-4-2-1のフォーメーションはあまり崩しません。このフォーメーションはピッチ上にバランス良く選手が配置されているので、無理に崩すことなくバランス良く攻守ができるという利点がありますね。

特徴は、ウィリアンとエイブラハムも交えた右サイドのビルドアップ。ウィリアンは下りてきてビルドアップを助け、エイブラハムもそれに応じて右サイドからのボールを受けに行くシーンが目立ちました。

まずCBやGKからボールを受ける役割を果たしていたのがジョルジーニョ、コバチッチの2枚。相手2トップに対して斜めの位置を取った3バックの左右(ズマ、トモリ)からの斜めのパスを受けるところから攻撃が始まるシーンが数多く見られました。

バレンシアが監督交代直後でチームとしての決まり事がそれほどはっきりしていなかったのか、なかなかプレスがうまくかからなかったこともあり、右サイドに選手を多くかけて割とスムーズに前進できていました。

ちなみに、片方のサイドで詰まったとき用に、反対サイドのウィングバックは幅を大きく取って待ちます。実際、サイドチェンジをアロンソやアスピリクエタが受け、そこから早いタイミングでクロスを上げるシーンも見られました。

ランパード監督になってからの特徴かなと思ったのが、選手が前のスペースに走り込むシーンが非常に多かったこと。たとえばジョルジーニョがウィリアンやアスピリクエタにボールを預ければそこから前に走り込んでもう一度ボールを受けようし、ウィリアンがボールを持ち運べばその間にアスピリクエタも走り込んでボールを受けようとしていました。

ボールが前に進むと、高い位置まで張り出してきたウィングバックにボールを預け、大外からのクロスや、飛び出してきたセンターハーフに預けて中を崩すことでシュートの局面を狙っていました。

一方で左サイドを見ると、特に目立っていたのがメイソン・マウント。近年のイングランドの若手らしく、スピーディーかつテクニカルな良い選手です。コバチッチからの縦パスを受けて鋭くターンし、相手を1枚剥がしてチャンスを広げる役割を果たしていました。この試合でコクランと交錯し負傷してしまいましたが、彼も今後が楽しみな選手です。

チェルシーの守備〜プレスをかわせばそこに広がる桃源郷〜

続いてチェルシーの守備は、ボールに近い選手が見せる激しいプレスが特徴的でした。奪われた直後でも、攻守がセットされた後でも、少しでも相手のパスが弱くなったり時間が出来たりすると、対面の選手が激しいプレスをかけていました。時には左CBトモリまで飛び出してきてプレッシャーをかけていたのが印象的でした。

特に目立ったのがセンターハーフの二人、ジョルジーニョとコバチッチの運動量です。守備がセットされたときには5-4-1のフォーメーションとなり、相手センターハーフやCBにプレスするのはチェルシーのセンターハーフの役目(エイブラハムはそれほど激しく守備していなかった印象です)。時に相手GKまで激しくプレスを掛け、ボール出しを制限していました。実際、そこから奪いきってショートカウンターに持ち込むシーンも多く、チャンスを生み出していました。

非常にランパードっぽさを感じたのはこの部分で、多分ランパードがこのポジションに欲しいのはランパード自身ではないでしょうか。それほど、このポジションには攻守に絡む積極性や戦術眼、テクニック、ピッチ全体を駆け回る走力を高いレベルで融合させた選手が必要とされていると感じました。いわゆる「ボックス・トゥ・ボックス」の選手ですね。

また、この形の守備は諸刃の剣。特に深く追いかけていたコバチッチが、ポジションを空けて出て行ったときにそのスペースを塞ぐ決まりがあまり見えず、コバチッチの空けた広大なスペースを利用されて攻撃されるシーンが散見されました。

まぁ、5バックは背後に残っているので、数は足りています。とはいえ、たとえばリバプールの3トップに個の勝負を挑まれて瓦解しないかというと……でしょう。あくまでも、前で奪いきることを重視してプレーしているように感じます。確かに、リバプール相手にそういう戦いを挑んでくるかは一考の余地がありますが、まだ若く発足したばかりのチームでは、試合ごとに色々変えてくる、ということもそうそうできないのではないでしょうか。

試合のポイント・キープレーヤー

1. 相手のプレスをかわしきることができるか

前述のように、チェルシーは前線から激しいプレスを仕掛けてきます。プレス自身はよく組織化されているというわけではないですが、若さと走力には自信ありという感じ。特にセンターハーフ二人は、相手を追い込むことが出来れば、独力でボールを奪いきることが出来るので、大前提として捕まらないことが重要です。

キープレーヤー:ファビーニョ

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嫁のSNS力がたびたびKOPの間で話題になっているファビーニョですが、昨シーズン中盤から不動のアンカーの位置を確保しています。特にナポリ戦では攻守にワールドクラスの影響力を発揮し、サポーターからの評価もうなぎ登りです。テクニックも高い選手であるため、相手のプレスをいなしてパスを展開することができれば、広大なスペースを味方に与えることが出来るでしょう。

2. 相手右サイドの突破を止めることが出来るか

分析してきたように、相手は主に右サイドに人数を掛けて突破を狙ってきます。特に、下がってボールを受けたウィリアンのドリブル突破と、飛び出してくるセンターハーフやウィングバックに上手く対応する必要があります。

キープレーヤー:アンドリュー・ロバートソン

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ナポリ戦後にSNS上で攻撃を受け、Twitterを閉鎖してしまったりして心配だったロボ(現在は復活)ですが、現在世界トップクラスの左SBであることは間違いありません。CBやIH、ときにはウィングとコンビネーションしながら、しっかりと相手の突破を封じたいものです。

また、その攻撃力をもって、相手右サイドを後ろに押し込む仕事も期待したいものです。

ロバートソン公式Twitterより引用

まぁ、この二人なら大丈夫でしょう。

ってーかダイク、ナイスガイすぎるでしょう。ロボそこ替わってくれ……


開幕5連勝で勝ち点15、2位のシティとは勝ち点5差と、現状順風満帆ともいえるリーグ戦でのリバプールですが、昨シーズンはこれ以上の点差を最終的にひっくり返されて涙をのんでいます。正直今のリバプール対シティのタイトルレースにおいて、セーフティリードというものはほぼ存在しないとみていいでしょう。

たとえ敵地スタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦であろうと、勝ち点を落としたくはありません。今のチェルシーは若く、未来のある非常に良いチームですが、その若さを逆手に取ってやりたいものですね。

ではでは。YNWA!

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