アリソン・ベッカーのプレースタイル/プロフィール解説|リバプール選手名鑑

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エピソード・小ネタ

画像出典:LFC公式Twitter

◆アリソンの出身地は、ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州ノヴォ・アンブルゴ。この州はドイツからの移民が多く、「Novo Hamburgo」という市名は「新ハンブルク」という意味。英語風に言えば「New Hamburg」だ。現在もドイツ系が多く住み、アリソンも父方がドイツ系である。ちなみにこれは余談だが、「ハンバーグ(Hamburg steak)」や「ハンバーガー(Hamburger)」はその名の通り、ドイツのハンブルクで発展した食べ物である。

◆「Becker(ベッカー)」という姓の由来はやはりドイツにある。ベッカーはドイツではTOP10に入るポピュラーな名前であり、意味は「パン屋」や「パンを焼く人」。つまりパン屋の職業姓である。

◆「Alisson(アリソン)」という名前(AlisonやAllisonなども含む)の起源も辿っていくとドイツにある。まずゲルマン語に起源をもつ「Adelheid(アーデルハイト)」が、古フランス語で「Alice(アリス)」に変化(ちなみに英語では「Adelaide(アデレード)」となった)。そのアリスがさらに愛称という形で変化したのがアリソンである。意味は「高貴な生まれ」などと言ったところ。ちなみにアーデルハイトの短縮形は「Heidi(ハイジ)」であり、つまり『不思議の国のアリス』と『アルプスの少女ハイジ』の主人公の名前の起源は同じということである。もっと言えば、アリスやハイジといった名前からも分かるように、アリソンは基本的には女性に使われる名前である(とはいえ男性に使われることがめずらしいわけではない)。

◆アリソンはGK一家で生まれ育った。祖父と父はアマチュアクラブのGKであり、母はハンドボールのGKだった。兄のムリエルもプロのGKである。

画像出典:アリソン公式Instagram

◆兄のムリエルと共に、ノヴォ・アンブルゴにほど近いポルト・アレグレを本拠地とするインテルナシオナルで育成され、プロになった。リバプールとの契約が2027年に満了した後は、できればインテルナシオナルに戻りたいと語っている。

◆少年時代のアリソンはお菓子やジャンクフード、炭酸飲料が大好きで、背が高いわけではなく、加えてやや肥満体だったという。

◆FIFAワールドカップ2018の「ブラジル対スイス」の試合中に、ピッチに謎の巨大な赤い風船が入り込むという珍事件が起きた。アリソンはすぐさまその風船に近づくと、勢いよく踏み破裂させて処理。余談だが、赤い謎の球体繋がりでペペ・レイナが直面したあの“ビーチボール事件”を思い出したのは筆者だけではないはず。

◆リバプールがアリソン獲得のためにローマに支払った移籍金は6250万ユーロ+アドオン。獲得時の移籍金はGKとしては史上最高額だった。リバプールは当時史上最高額のDFとなったフィルジル・ファン・ダイクに続いて、GKのワールドレコードまで更新することになった。この移籍に関して、ローマのレジェンドで当時同クラブのSDを務めていたフランチェスコ・トッティは、「我々は世界最高のGKを失った。しかし、移籍市場は大きく変化している。GKにこれだけの額のオファーが届くのは初めてのことであり、リバプールに断りを入れることは出来なかった」と話しており、また会長のジェームズ・パロッタも「売却する以外の選択肢はなかった」と話している。

◆元ブラジル代表で、ローマから移籍してきた元リバプールのGKと、アリソンとなにかと共通点の多いドニ。彼はインテルナシオナル時代のアリソンに惚れ込み、将来必ず世界最高のGKになると確信したという。そんなドニはリバプールのGKコーチであるジョン・アクターバーグと連絡を取り合う中で、リバプールが新しいGKを探していた際、アリソンの獲得を強く進言したとのことだ。ちなみにそんなドニとアリソンには他にも奇妙な共通点がある。アリソンは2019年11月30日に行われた、2019-20シーズンのプレミアリーグ第14節ブライトン戦にて76分にレッドカードを貰って退場しているが、リバプールのGKがプレミアリーグの試合で退場するのは2012年4月10日に行われた、2011-12シーズンの第33節ブラックバーン戦で退場したドニ以来である。

◆共に“永遠の都”でプレーしていたモハメド・サラーは、アリソンに対して「さっさとリバプールとサインしろ」と急かしていたそう。また、ブラジル代表でチームメイトのロベルト・フィルミーノもアリソンのことを熱心にリバプールへ勧誘していたという。そしてサラーやフィルミーノだけでなく、すでにバルセロナに行っていたコウチーニョも移籍実現に一役買っていた。アリソンの妻とフィリペ・コウチーニョの妻は知り合い同士であり、夫婦揃ってそれぞれリバプールのクラブや街での暮らしなどについてアドバイスを受けていたという。

画像出典:LFC公式Twitter

◆アリソンと同姓同名で、アメリカで女優やコメディアンとして活躍するAlison Becker(リバプールのアリソンと比べ、Lが一つ少ない)は、リバプールが彼の獲得を正式発表するよりも前に「リバプールのGKとしてプレーできることを嬉しく思う!」という旨のジョークをTwitterにポストしていた。

◆アリソン獲得決定後、クラブは彼に背番号“1”を与えることを提案した。しかし、当時この番号はロリス・カリウスが背負っており、新参者の自分がいきなりこの番号を彼から取り上げて背負うのは敬意に欠けると断り、13番を選択。そして翌シーズン、自身の価値を改めてリバプールで証明した彼は、(カリウスがリバプールでプレーすることが事実上消滅したこともあり)1番に変更した。

◆音楽が趣味のアリソンはギターが得意で、LFCのファンイベントであるボスナイトではジェイミー・ウェブスターとセッションしていた。ちなみに、リバプールといえば音楽の街でもあり、史上最高のロックバンド「ビートルズ」の出身地である。そしてそのビートルズがデビュー前にリバプールを飛び出し修行していた地が、他でもない彼の先祖が過ごしていたであろうドイツ・ハンブルクである。

◆アリソンはとんでもない大酒家だそう。2018-19シーズンのUEFAチャンピオンズリーグを制覇し、リバプール市内で優勝パレードを行っていたリバプール。しかし、クロップが明かすところによれば、そのパレード含む祝いの1日で自身が飲めた酒は2杯程度であり、クロップの分の酒はアリソンがほとんど飲み尽くしてしまったという。彼の怪我が少なくないのは、もしかするとアルコールによるものかもしれない。

画像出典:LFC公式Twitter

◆2020年1月19日に行われた、2019-20シーズンのプレミアリーグ第23節マンチェスター・ユナイテッド戦で、90分に決まったサラーのゴールをアシストしたアリソン。サラーのゴール後、アリソンは自陣のゴールから爆速でピッチを駆け抜け祝福しに行った。そしてこのセレブレーションが、かつてペペ・レイナが同じようなシチュエーションでゴールを決めたダビド・エンゴクにやったものを彷彿とさせると話題になった(2009年10月25日に行われた、プレミアリーグ第10節のマンチェスター・ユナイテッド戦)。

◆2021年5月16日に行われた、2020-21シーズンのプレミアリーグ第36節WBA戦。1-1の状況で迎えた95分、CKを得たリバプールはGKのアリソンも上げ、1点を奪いに行った。そしてトレント・アレクサンダー=アーノルドのボールをアリソンが頭で完璧に合わせ、あまりにもドラマティックな勝利をリバプールが飾った。アリソンはプレミアリーグでゴールを決めた6人目の選手となり、ヘディングでのゴールは初だった。ちなみに多くのメディアがこのアリソンのゴールを「Alisson Wonderland(不思議の国のアリソン)」という見出しで報じている。

画像出典:thisisanfield.com

◆シモン・ミニョレはアリソンについて「彼は全ての才能を持った素晴らしいGK。特別な選手で、難しいことも簡単にやってみせる。僕は彼から多くのことを学んでいるよ」と語っている。

◆アンディ・ロナーガンはアリソンについて「世界最高のGKなのに、私が出会った中で最も低姿勢な人だ」と語っている。

◆アリソンはプレー中、常に「怒鳴らないようにしている」らしい。曰く「怒鳴るのも、怒鳴られるのも好きじゃない。冷静に振る舞い、話し合って解決した方がいい」。

◆アリソンは母国のレジェンドであるクラウディオ・タファレルのことを非常に尊敬しており、彼のプレーに大きく影響されたという。タファレルはブラジル代表でコーチを務めており、彼もまたアリソンのことを非常に高く賞賛している。そして2021年12月、リバプールがGKコーチの人員増加を考えていた際、アリソンの紹介によってタファレルのGKコーチ招聘が決まった。

◆とても敬虔なクリスチャンである。

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