「トニーのおっさん」のリバプール語録vol.6:W杯後の日本サッカー協会

「トニーのおっさん」のリバプール語録とは?


Twitter上でリバプールを様々な角度から分析し、その知識の深さから「この人は何者!?」とリバプールファンの間で騒がれている「トニーのおっさん」さん。ご本人にご協力をいただき、リバプールFCラボでは「トニーのおっさん」のツイートを不定期でまとめて記事コンテンツとしてデータベース化していきます。「移籍考察」「試合分析」「クラブ経営」「その他豆知識」など、リバプールの理解を深める数々の語録をご覧ください。

今回はトニーのおっさんによるハリルホジッチ問題や日本サッカー協会に関する見解をご紹介します。(3/24~3/25のツイートから引用)

日本サッカー界の責任(以下ツイート引用)

監督としてどうこうではなく、日本サッカー協会やJリーグといった組織が現代フットボールに適合する組織になる必要がある。それが現代フットボール戦術についていく為の大前提になる。指導者や選手の育成、戦術の分析や立案はもう個人レベルでどうこう出来る段階ではない。

この国のフットボールの未来を背負っているのはハリルホジッチではない。日本サッカー協会でありJリーグだ。ハリルがどれだけ現代フットボール戦術を駆使して勝っても、それがこの国に残らないと意味がない。でもその為には呼んだ協会という組織側がハリルから学ぶ必要がある。

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でも現状だと「この国のフットボールは現代フットボール戦術に向かわないとダメだよ」って度々言ってるのはハリルホジッチだ。試合前後の会見や多くのインタビューで語られるハリルの言葉を皆が受け止めて考えてしまっている。

ハリルホジッチはあくまでも協会に雇われた監督だ。
現場指揮官でしかない。
クラブや協会という組織としての意思決定の精度を上げるという方向へヨーロッパのフットボールは向かっている。だから学問の世界にフットボールは接近している。勝つ為ではなく、組織として正しい判断を行う為に。

ハリルホジッチがどういう結果を残したとしても、組織としての意思決定が正しいかどうかは検証されなければならない。そしてそれを公表し広める必要がある。だからヨーロッパフットボールは学問としてフットボールを研究し始めた。ハリルがどれだけ名将であっても、それを財産として残せないのなら意味がない。もし日本サッカー協会が組織としてハリルが遺していくものを引き継げないのなら、監督選考から意思決定を見直すという事をやらなければならない。だから、ハリルホジッチの進退は既に組織論の問題に属していると思う。

ハリルは勝つかもしれないし、負けるかもしれない。でも置かれてる状況はロシアW杯でどうこうではないと思うし、もっと上位の問題を論じなければいけない段階に入っていると思う。たまたま名将を招聘出来たとして、その結果成功したとして、じゃあその成功体験から後継監督選びで同じ様に名将を招聘出来るのか?っていうのが重要な問題になる。再現性の無い意思決定はダメだよって話なんだけど、再現性を持たせるには基準を明確にする必要がある。トルシエ、ジーコ、岡ちゃん、アギーレにザックにハリルホジッチ……彼等はどういう基準で選ばれたのだろう。代表はディテール勝負の側面がある。細部にこだわる為には積み重ねしかない。その為には明確な基準による長期的な強化が必要なはず。

『W杯後もハリルに任せる』
これならわかる。

『W杯の結果に関わらず、ハリルは切る』
これも分かる。

『W杯の結果次第で続投』
これは意味がわからない。
組織として意思決定の基準が結果に依存するってのは、長期的にどうこうしたいって考えてないと自白してるのと一緒。

更に問題をややこしくするのは、本来ならこれらの問題は意思決定を行う権利を有する組織の問題なのに、これがメディアに流れると

『我々は学ぶ必要がある』

と、ファンやメディアが頑張って学べば強くなる的な話に置き換えられてしまう事。ファンやメディアが行う戦術論や試合評は言ってみれば情報分析に属する。それは大事だけど、ハリルの指摘している問題って現実に組織として動いてどうにかしないと解決出来ない問題ばかり。デュエルにしろ選手達の戦術理解にしろ。

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『日本サッカー界』という最大限に大きな主語で論じる段階に来ていますよね?今、ヨーロッパのフットボールで起きつつある流れを考えたら、代表の試合は総力戦になるのは間違いなく、そうなったらハリルが矢面に立って『この国のフットボールはこうあるべき』なんて受け答えしてるのマズイですよね?

今、本当に議論しなければならないのはハリルではなく協会という組織そのものであり、それはイコールで具体的に日本サッカー界は長期的にどういう計画を立案すべきなのか?という事ではないかと思うのです。最大限イキりまくってデカイこと考えないとヤバい段階になってると思うのです。企業の経営者の話なんて聞く暇は無いのです。マーケティングはマーケティングの専門家に、情報分析は情報分析の専門家、フィジカル、メンタル、戦術立案、法律……あらゆる専門家を迎え入れ、それらをコントロールする意思決定を行う組織を作らないと手遅れになると思うのです。

今まで世界に追いつけ追い越せ、日本にサッカー文化を根付かせたいと頑張って来ましたけど、もうきちんと制御しないといけないくらい大きな分野になってます。いつまで自分達をサッカー後進国だと甘えて責任ある組織にならないつもりなんですか?と思うのです。

ハリルの問題はアラダイス研究における「アラダイスがダメなのではない。アラダイスを招聘するというフロントの意思決定能力が問題なのである。なのでアラダイスはダメなのだ」ってのと同じ。意思決定能力に問題があるならグアルディオラでもダメ。再現性の無い成功体験は組織の意思決定に制限をかける。

<了>

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