ビッグイアーが鎮座するKOPの聖地~PUBLIC HOUSE EPILOGUE【KOPのお店 Vol.1】

ビッグイアーが鎮座する「KOPの聖地」~PUBLIC HOUSE EPILOGUE【KOPのお店 Vol.1】
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タクヤKOP
ビートルズからリバプールFCのサポーターになった珍しいKOPです。戦術的なことはあまり得意でないので、クラブやリバプールという街を色んな角度から掘り下げていきたいと思います。

『日本人KOPの聖地』としてお馴染みのPUBLIC HOUSE EPILOGUE(以下、エピローグ)さん。

本場ブリティッシュパブの趣を感じる外観。そしてチェスターフィールドのソファがずっしりと構えるウッディで重厚な店内。

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豊富なお酒のラインナップはもちろん、本格的な料理も楽しめます。
 
 
しかし、この店にはまた別の顔があるのです。

ビッグイアーが鎮座する「KOPの聖地」~PUBLIC HOUSE EPILOGUE【KOPのお店 Vol.1】
 
 
店内にはリバプール関連の装飾がほどこされ、試合があれば「KOP ONLY」の熱狂につつまれます。また、観戦会以外のリバプール関連のイベントも過去に多く開催されています。

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2019.06.15
 
 
そして、なによりビッグイアーがあるのです。(え、なんで?)


 
 
ツイッターでも大人気のエピローグさん。今回LFCラボでは店主の前西さんにインタビューをしてきました。その人柄が伝わるトークをお楽しみください!
 
 

エピローグのはじまり

–いつ頃から恵比寿でお店をはじめられたのでしょうか?

前西さん:このパブの業態にしたのは2016年ですね。その前は、同じ場所で2000年6月からいわゆるオーセンティックバーと呼ばれるバーをやってたんです。ウィスキー1杯で3500円とかで出すような。看板も出てないものすごく閉鎖的空間でしたね。

–当時もテレビとか置いてたんですか?

前西さん:全くないですね。そもそもインターネットだって当時はISDN?ADSN?っていう時代ですからね。

–その後、2016年に今のエピローグさんになるということですが、切り替えたきっかけはあったのでしょうか?

前西さん:2000年からスタートして16年も経ってくると、常連のお客さんもだんだん歳をとってきて、当然飲める量も減ってくるんですよ。かといって若い世代の新規は皆無で、この先10年20年と考えた時に相当厳しいよなと思いました。さっきも言ったようにすごく閉鎖的だったので、もう少し人が来る業態に変える必要があったんです。

–なるほど。それで今のパブスタイルになるわけですね。

前西さん:最初からパブにするという発想よりは、酒と料理を提供するのにどの業態がいいかって考えたら、まあパブだよなって感じでした。あとは飲食の店で仕事してると自分がライブでサッカーの試合を見れないというのもあって、でもパブだったら見れていいじゃんっていう。なんでこの場所でっていうのは、別にフットニックさんが近くて狙ったわけじゃないんです(笑)。たまたまこの場所で物件借りてお店やってたってだけですから。

–店内もリバプール仕様ですよね(笑)。

前西さん:こういう装飾とかも始めはそんなにベタベタとやるつもりはなかったんですけど、気付いたら・・。困ったもんですよ(苦笑)。

KOPにはたまらない空間だ

–エピローグさんはサッカーが観れるだけではなく、料理やお酒も相当こだわりが強いと感じます。

前西さん:まあそこは飲食店であるっていうことで提供するもののクオリティは保とうとはしています。ただ、最初の業態とは来るお客さんの層が全然違うので、そのギャップは埋めていこうとはしていますよ。例えば昔はもっとあったウィスキーのメニューだって分かりやすいものに切り替えていってるんです。出ないものを置いててもしょうがないので。

–料理もすごく美味しくてびっくりします。

前西さん:結局、自分がもともと食べるのが好きなんですよ。飲食業界にいる人間って、普通の人が聞いたらびっくりするくらいの外食率ですからね。どこどこに店が出来たって聞くとみんな必ず行きますし。

どの料理も味、ボリュームともに大満足

–最近はランチでもハンバーガーを出していたり、とても意欲的に感じます。

前西さん:まあランチは正直あんまりやりたくはないんですが、やるなら専門性を出したいなとは思っていて、メニュー開発とかも含めて試験的にやっています。それで次の展開が見えたら面白いなって。

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大人気のハンバーガー

–チャンピオンズリーグで優勝して創作意欲が溢れているように見えます(笑)。

前西さん:そんなことはないですよ(笑)。ただ、前だったらタピオカとか絶対やってなかったと思うんですけど、何で流行ってるのかとかは興味ありますよね。やってみると色々分かったことがあるというか。意外と面倒なんだな、とかね。

–「エピローグ」というお店の名前の由来を教えてください。

前西さん:その日の一日を締めくくってくださいという意味です。これ、前の名前そのまんまなんですよ。

–ところで、どうしてビッグイアーがあるんですか?(笑)

前西さん:インスタ映えです(笑)。もともと、チャンピオンズリーグ決勝の時にお客さんが小さいレプリカを持ってきていて、18センチくらいの。最初はそれを6個買って並べておこうと思ってたんですよ。でもその途中で見つけたのがあれで、まあ大は小を兼ねるよなと(笑)。

「KOP ONLY」にいたったワケ

–エピローグさんは試合の日は「KOP ONLY」としていますが、それも最初からなんですか?

前西さん:あれは最初はあんな感じではなくて、ただ何年か前のアーセナル戦である人がアーセナルサポーターの友人を連れてきてたんですよ。当然そのアーセナルサポは僕らの対戦相手を一生懸命応援しているわけですが、それがなかなか気持ち悪いというか・・。

–お互い良いことがなさそうですよね。

前西さん:まあそういうのがあって、これは制限したほうがいいのかなって。でもああいうのってちょっと勇気がいるんですよね。でも実際はそこまで厳密にやっているわけではなく、露骨に対戦相手を応援しなければ良いかなという感じです。あとは深夜の時間帯とかに「まだやってますか~?」って入ってくるお客さんを「ごめんなさい。貸し切りなんで」って断れるというのもあります(笑)。その代わり、リバプール以外の試合は全くお客さん来ないですけどね。

–基本的に「KOP ONLY」はマッチデーだけですよね。

前西さん:試合の時だけですね。普段はノリッジとかアーセナルのサポーターも来ますよ。あ、マンチェスター・ユナイテッドサポーターもいたな・・。まあユナイテッドサポーターだって人生の大きな過ちを1つ犯したからって全てがダメなわけではないので、それくらい大目に見てます(笑)。きっと前世で悪いことをしたんでしょうね(笑)。

–(笑)。サッカー関連以外のお客さん多いですよね。

前西さん:こないだ来た若いKOPなんてツイッターでのイメージがあるからか「普通のお客さんも来るんですね」って言ってて、そりゃ来ないとやっていけないでしょうよと(笑)。まあでも試合の時はね、最初はどう共存させるかとかも考えてたんですけど、やっぱりどっちも立てようと思ったら無理で、そこはもうごめんなさいって割り切ったほうがお互いいいんだろうなということです。

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仲間と試合を観るのに最高の環境

KOPになったきっかけ

–もともと前西さんがKOPになったのはきっかけがあったのでしょうか?

前西さん:本当にささいなことで、昔やってたサッカーのゲームでたまたま選んだのがリバプールを模倣したチームだったんですよ。「マージーサイドレッド」みたいなやつ(笑)。そこから色々調べていくとたまたま自分が生まれた年にチャンピオンズリーグを優勝してたり。だから僕は生まれつき徳が高いんですよ(笑)。あとはちょうどオーウェンが騒がれ始めていて、それでその彼が所属しているのがリバプールだったと。でも当時はそもそも試合を見れる環境もそんなになかったし、なんとなく字面で追いながら勝ってれば嬉しいしという感じでしたね。だから、特にあんまり理由なんかないんですよ。そんなに明確にこの瞬間にハマりましたというのが無くて、気付いたらなんとなく応援してるという感じです。

–サッカーのプレー経験は?

前西さん:中学生のときに少しやったくらいです。僕、スポーツは観るのは好きなんですがやるのは大嫌いなので(笑)。暑いですし疲れますし。

–でもスポーツの中でも特にサッカーを観るのが好きだったんですか?

前西さん:そんなこともないですよ。スポーツは結構何でも観ますね。ただサッカーというジャンルにおいて一番観るのがリバプールという感じで。そういう意味では、僕はサッカーファンじゃないんですよ。リバプールファンであって。でも最近は店でかなり試合を観るようになったこともあって、サッカーファンになりつつあるのかなとも思いますけど、ぶっちゃけ他のクラブはどうでもいいんですよね。順位を争ってる相手だったら当然負けろと思いながら観るんですけど、そうじゃなければ90分集中して試合を観れることはほぼないです。

–最近はサガン鳥栖ファンでもありますよね?やっぱりトーレスきっかけで?

前西さん:まあ今までJリーグを観るきっかけって無かったんですけど、たまたまフェルナンド・トーレスという人が来て、やっぱりそれは観てみようかなと。で観てみたら僕の知ってるトーレスはどこにもいないわけですよ。「なんだこの使えないやつは・・・」って。それでも毎試合観てると、頑張ってる選手もいたりして自然と応援するようになるんですよね。でも・・・まあ弱い、まあつまんない(苦笑)。って思ってるわけですけど、応援するという事においてチームの強弱は関係無いということに気付きました。

–Jリーグ全体ではどうでしょうか?

前西さん:正直、観てて苛立つことはやっぱりちょいちょいありますね。プレースピードというか判断、そこいちいち止めるんだ、みたいなことがヨーロッパと比べるとあるんで。イニエスタとかあれだけの選手が来ても個人競技じゃないので全く勝てなかったりして。いくらお金を使っても理にかなわない補強をしても勝てるわけじゃないというのは興味深いですね。

–FC東京は『You’ll never walk alone』も歌います。

前西さん:なんかものすごいアレンジされたやつでしょ(苦笑)。世界中にあの歌を歌うクラブはいくつもあれど、あんなアレンジをしてるのはあそこだけじゃ・・。でも本人たちが良いと思えばそれでいいんですよ。よくツイッターで「パクりやがって!」とか言ってるKOPがいますけど、そもそもチャントなんてみんなパクってるんだからそんなこと言ってもね…、とは思います。まああれを一緒に歌えと言われればちょっと厳しいですけど(苦笑)。

ツイッター経由のお客さん

–最近はエピローグさんのツイッターも面白いと評判ですね。

前西さん:ツイッターの拡散力は本当にすごいですね。確実にマッチデーの集客もあがってきていますよ。僕は相互フォローしてればむやみやたらに絡みにいきますけど、そうすることで距離が近くなるかなと思ってわざとやってたりはします。

–ツイッターを見て店に来る人も多いんじゃないですか?

前西さん:非常にありがたいことに、大学生が夏休み中にわざわざ来てくれたりとかね。店の中からだと、意外と外の様子って見えるんですよ。あ、なんか赤い人通ったなみたいな(笑)。で一周して二周して入ってくると(笑)。

–なかなか一人だと最初は入るのに勇気がいりますよね。

前西さん:僕からするとこの店は非常に入りやすくしたつもりなんですけどね・・・。まあ大きな飲み会イベントとか、こないだのKOP Night TOKYOとかは来やすいと思うんですけどね。ツイッターでも「行きたい」って言ってくれる人がいると、「来れば」と返すんですが、「でもシャイなんで」みたいなパターンも多いですね(苦笑)。

–ああ、ありますね。

前西さん:地方の人のほうが、東京来たついでにせっかくだから行こうみたいな感じは多いかもしれないですね。でもマッチデーじゃない日にユニフォーム着て入ってくる人もまあまあいて、結構びっくりしますよね。すごいメンタルだなと。

2019年6月に開催されたKOP Night TOKYO

「KOPの出会いの場になってほしい」

–店主である前西さんがKOPというのはお客さんからしたらやっぱり嬉しいですよ。

前西さん:みんなSNS上だと積極的にコミュニケーション取ってますけど、僕からするともっとリアルでも会えばいいのにと思うわけですよ。共通の趣味を持った人間って最もコミュニケーションを取りやすい相手ですから。でもカウンターから見てると、一人で来てるお客さん同士でも間隔を空けて座ってたりしてるんです。ぶっちゃけそんなに一人で見たいんだったら家で見ればいいのにと(苦笑)。

–まあなかなか難しいのは分かりますけどね。

前西さん:でも何度か顔をあわせるうちに、いつのまにか話をしているなという人たちもいたりして、そういうのが増えていくのが理想ですよね。

–オンラインはオンラインでのコミュニケーションがあって、リアルでは恵比寿で会うっていうことですね。

前西さん:せっかくこんな遠く離れた島国で同じチームを応援しているので、もっと仲良くなっちゃえばいいのにって思いますよ。

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このグラスで乾杯すればすぐに打ち解けられるはずだ

–今はチーム状況もいいですし、コミュニティを作っておくには良い時期ですよね。

前西さん:そうですね。あとは大学生が来たりすると、僕はよく言うんですけど、本当に今のうちに現地へ行っときなよって。よく金がないって言うけど、借金してでも行くべきですよ。10万20万の借金なんてすぐ返せますから。・・・とアンフィールドに行ったことがない僕が言うんですけど(苦笑)。まあでも逆に行ったことないから言えるというのもあるんです。

–今後アンフィールドへ行くご予定は?

前西さん:非現実的ですね。お客さんが来れば来るほど店を開けておかなきゃってなりますから。

–試合を見に行くとなると確かにそうですね。。

前西さん:まあそれはそれでいいんですけどね。でも若い人は迷ってるくらいなら行ったほうがいいですよ。現地に行ったほうがもっとどっぷりハマるし。

–今季のリバプールはどうでしょうか。

前西さん:まあようやく1つタイトル勝てたのは大きいんじゃないですか。タイトル数どうこうはあれですけど、プレミアリーグになってからリーグ制覇してないのは事実なのでそれは早く獲りたいですよね。でも今年は厳しいかもしれないなぁ・・。よっぽど運があればという感じでしょうか。

–リーグ制覇したら、プレミアリーグのトロフィーも買わないとですね。

前西さん:実は、プレミアのトロフィーもどこで売っているかはもうチェック済みなんですよ(笑)。
 
 

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