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プレミアリーグ開幕を1週間後に控えた8月5日、コミュニティシールドではチャンピオンのマンチェスターシティがFAカップ覇者チェルシーを2-0と破り、シーズンの幕を開けた。同じ週末に行われたプリシーズン戦では、Liverpoolがナポリに5-0と快勝した傍らで、バイエルンミュンヘンに1-0と破れたマンチェスターユナイテッドのジョゼ・モウリーニョは、またしても戦力補強を巡る自クラブへの不満と、「£170mの大金を費やして欲しい選手を取りまくっているLiverpool」に対する面当てを唱えた。
それは、7月28日にLiverpoolに4-1と破れた試合後の記者会見で、選手層に関する不満をぶちまけてイングランド中の話題になった直後のことだった。その時のモウリーニョの議論は、戦力補強の遅れが原因で若手中心で臨まざるを得なかったもので、「これは私のチームではない」と言ったことから、アナリストの猛批判を引き出し、ライバル・ファンは「モウリーニョはクビになりたいのでは?」と眉をひそめた。
その伝統からすると、「若手にチャンスを与える機会」と胸を張るどころか、逆に若手のやる気をくじくような言い分を主張したモウリーニョに対して、「良いプレイをして監督に認められるべく頑張っている若手の夢を打ち砕くような言葉」と、ユナイテッド・ファンはショックを隠せなかった。
Liverpoolファンは、「モウリーニョは、即戦力の、ピークにいる経験豊富な選手を大金で獲得し、今、勝つことしか考えず、若手を育てることをしない方針であることはこれまでの経歴からも明らか。ユナイテッドの伝統とは相容れないことは最初から分かっていたこと。ボビー・チャールトンがモウリーニョを監督にすることに反対していたことも有名な話だが、ユナイテッドのトップが方針を誤った」と、肩をすくめた。
多額の資金を投入して主力を補強しているこの夏のプリシーズン戦でも、若手の活躍が目立つ状況は変わらず、Liverpoolファンの間では楽観的な会話が絶えなかった。アカデミーチームで育った若手がファーストチームに昇格することは、ファンや地元メディアにとっては常に明るい話題だが、地元出身の若手が出てきた時の興奮は特に大きなものだった。
リバプール市内出身の生粋のスカウサーで、この夏にアカデミーチームからファーストチームに昇格させてもらった一人であるカーティス・ジョーンズは、「監督から言われることを真剣に聞いて、教えられた通りに動けるようにと頑張っている」と語った。
「ミッドフィールダーとして、ナビ・ケイタやファビーニョという超一流選手と一緒にトレーニングできて、毎日彼らから学んでいる。ファーストチームのワールドクラスの先輩たちが、ちょくちょく来てくれて、僕の良いところを誉めてくれて、向上すべきところを教えてくれる。ものすごく恵まれた環境にいると思う」。
17歳のジョーンズは、昨年は憧れのヒーローだったスティーブン・ジェラードが監督を勤めるLiverpoolのアンダー18チームで主力として活躍し、ユルゲン・クロップの目に止まった。昨季終盤には、ファーストチームの負傷者続出状況の中で、CLのチームに名を連ねるに至った。
「2人の選手が同じ能力を持っているとして、1人が標準語を喋り、もう1人はスカウス・アクセントで喋るとしたら、私は躊躇せずスカウサーの方を選ぶ」と、クロップはジョークっぽく笑いながら言った。
「スティービー(ジェラード)とキャラ(ジェイミー・キャラガー)のように、アカデミーチームから育ったスカウサーが、Liverpoolのチームを引っ張るようになるのは素晴らしいことだ。1人だけでなく2人、3人と出て欲しい」。
*本記事はご本人のご承諾をいただきkeiko hiranoさんのブログ記事を転載しております。
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