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1月23日、トットナム・ホッツパーがアンディ・ロバートソン獲得のため正式な動きを取ったという話が晴天のへきれきのごとく現れて、イングランド中のヘッドラインを飾った。それは、1月25日にLiverpoolが却下して破断になるまでの3日間、両クラブとロバートソンの三者が前向きに話を進めているなど、憶測も含めた具体的な動きっぽい続報が流れ続けた。
初日から早速現れた「続報」として、クラブ同士の交渉になる前に先に(内密に)選手本人が行く先の方のクラブと口頭で合意しているという最近の傾向に基づいて、ロバートソンがトットナム入りを希望しているという前提で、「Liverpoolはレジェンドであるロバートソンの意思を尊重するというスタンスで、近日中に移籍は実現するだろう」という憶測が流れた。トットナムが想定している移籍金は£3m(条件を満たせば最大£5m)で、2017年に£8mで獲得して今季末にはフリーエージェントとなる31歳のレフトバックの移籍金としては妥当な金額だという見解が出た。全国メディアのニュアンスは、Liverpoolにとってはロバートソンの移籍金を取れる最後のウィンドウで、わずかでも売上金を得て次の戦力補強資金に加えることは悪くはないという切り口だった。
トットナムの地元紙フットボール・ロンドンは大いに乗り気で、ロバートソン獲得のメリットを大々的に掲げた。「トットナムが今、最も必要としているのはリーダーシップだ。主将のクリスティアン・ロメロは、孫興民の後任としての責任を十分に果たせているとは言えず、トーマス・フランクはロバートソンがピッチ内外でリーダーシップを発揮することを切望している」と、同紙は唱えた。「トットナムは、32歳で経験豊富なレフトバックのベン・デイビスが長期負傷で欠場しており、控えのデスティニー・ウドジェも不安定で、1月に取ったばかりの19歳のソウザをいきなり投入するのはリスクだから、CLとプレミアリーグ2回を含め9の優勝歴を持つロバートソンの経験と実績は貴重な戦力だ」。
いっぽう、地元紙リバプール・エコーは疑問を掲げた。ロバートソンが今季はミロシュ・ケルケズにレギュラーの座を明け渡し、試合に出る機会が減っていることは確かだったが、現在のLiverpoolのディフェンス部門の負傷状況を考えると、1月にロバートソンを失う代償は大きかった。ただ、ロバートソンがLiverpoolのレジェンドとしての地位をすでに固めていること、だからこそ、クラブはロバートソンの意思を尊重するのは当然だという見解は、圧倒的多数が合意するところだった。
2017年に降格したハル・シティから£8mでLiverpool入りしたロバートソンは、そのシーズン後半にはレギュラーとして定着し、外せない存在となった。2021年には、その実績が評価されて週給£160,000で5年契約にサインした。昨年夏には、トレント・アレクサンダー・アーノルドが去って空職となった副主将に抜擢され、更に欠かせない存在となった。そして、現在の契約が今季末で満了となることは誰もが知るところだったが、クラブとの間で契約更新の話をしているとロバートソン本人が明かしたのは、つい先日の1月15日のことだった。
「クラブとは常に良い関係を保ってきたし、契約に関して話をしている。ただ、結論はまだ出ない。残り5カ月の間にじっくり考える。自分の今後の行方と家族の考えを含めていろんな可能性を検討する」と、ロバートソンは語った。「今季は今までと違う役割をこなしており、やりがいを感じている」と、副主将としての重要な責任について肯定的に語った上で、ロバートソンは最大の希望を明かした。
「フットボーラーとしては、やはり試合に出ることが最も重要だ。ベンチに座っていることに満足している選手はこのクラブにいるべきではない、というのが僕の信念だ」。
ファンの間では、ロバートソンの主張は、まさにロバートソンだと誰もが納得した。Liverpoolはロバートソンのリーダーシップと経験を必要としているから契約更新の話が上がったわけだが、ロバートソンは、レギュラーとして試合に出られるクラブに行くことを選択肢に含めた上で、検討するということだった。
「ロバートソンを失うのは寂しい。ただ、試合に出たいという意思は尊重すべきだし、まさにロバートソンだと納得せざるを得ない。Liverpoolに留まったとして来季以降も試合に出る機会は意外と多いだろうし、リーダーシップと経験を発揮しながら試合にも出るという役割をロバートソンが受け入れればベストだが、何よりロバートソン本人の決断が最優先ということは確かだ」と、ファンはうなずき合った。
それから1週間後に、トットナムの話が出てきたのだった。「何故トットナム?」と、ファンは一斉にくびをかしげた。先のロバートソンの言葉からファンが予想したのは、今季末に、いわゆるビッグクラブではない新天地に行き、あと2-3年はレギュラーとして試合に出る道を選ぶという選択肢だった。最近の成績はさておき伝統的なトップ6であるトットナムに、しかも1月に、とは意外過ぎた。
「もちろん、トットナムにとってはロバートソンの経験と実績は貴重だろう。ただ、戦力面でレフトバックは最も緊急度の低いポジションだ。この1月に若手を取ったばかりだし、19歳の新人が立ち上がるまでの一時的な要員に見える。半年後にはレギュラーの座を明け渡す可能性が高いクラブに行くメリットがあるのだろうか?」と、ファンは動揺した。「何より、ロバートソンは、Liverpoolを去る時が来たら、1月に裏口から出るような去り方ではなく、シーズン最後のアンフィールドでの試合の後で、満員のスタンドから盛大な拍手で送りだされて去るべきだ」。
全国紙が憶測混じりの続報を流す中で、Liverpool筋のジャーナリストが、「ロバートソン本人は、トットナム入りを主張してクラブに圧力をかけたりということは一切やっていない」と報道した。
1月24日のボーンマス戦で、ロバートソンはハーフタイムにケルケズに代わって出場し、まだ調子が不安定なケルケズが一人前の戦力に育つまでの間、ロバートソンは重要な戦力であることを証明した(試合結果は3-2でボーンマスの勝利)。試合後のインタビューで、アルネ・スロットは、「私は、今いる全選手を必要としている」と語った。移籍に関する質問には一切答えないスロットのその言葉は、「スロットはロバートソンを必要としている」と解釈された。数時間後に、Liverpoolがロバートソンのトットナム行きの話を正式に却下し、ロバートソンの移籍話は3日間で終止符となった。
ファンが一斉にホッと胸をなでおろしたところで、リバプール・エコー紙がロバートソンの3日間の移籍話の総括記事を掲げた。
「ロバートソンの経験は、£5mでは買えないかけがえのないものだ」と、同紙は締めくくった。
*本記事はご本人のご承諾をいただきkeiko hiranoさんのブログ記事を転載しております。

















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