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2月28日、アンフィールドでLiverpoolが5-2と勝った試合で、ウーゴ・エキティケは先制ゴールを決め、1月31日のニューカッスル戦(試合結果は4-1でLiverpoolの勝利)以来6試合続いた連続無ゴールをストップした。その間、特に前ノッティンガムフォレスト戦では(試合結果は1-0でLiverpoolの勝利)、絶妙のクロスを受けながらヘッダーを大きく外すなど、ゴール枯渇が目立っていたところだった。
試合後のLFCTVのインタビューで、エキティケは、「もっとたくさんゴールを出しているべきというくらい得点チャンスを作ってもらっているのに、ミスが多いから本来より少ない数字になっている。今日はチームの勝利に貢献できたから良かったが、確実にゴールを決められるよう頑張る」と語った。
地元紙リバプール・エコーは、エキティケの言葉を引用し、「この数字で不満とは、エキティケが目標を高いレベルに設定していることの証明で、頼もしい限りだ。でも、チーム全体が不振のシーズンに、37試合で16ゴール6アシストとは、満足すべき立派な数字だ」と称賛した。
元マンチェスターユナイテッドで現在はアナリストとして活躍しているオーウェン・ハーグリーブスは、「身長もあり、テクニックもあり、スキルもあり、常に良い位置にいる。そして、常にボールを要求する。実際に、エキティケがボールを持つたびにスペシャルなことが実現するように感じる。世界のベスト・ストライカーの一人になる要素を全て備えている」と、エキティケを絶賛した。
そのエキティケが、イングランド中のひんしゅくを買ったのはつい最近、9月23日のことだった。リーグカップ3回戦(対サウサンプトン、試合結果は2-1でLiverpoolの勝利)で、サブで出場し早々にイエローを受けたエキティケは、86分に決勝ゴールを決めた時にシャツを脱いで2枚目のイエローで退場になり、しばしイングランドのヘッドラインを独占することになった。他チームのファンは、絶好のジョークのネタが出来たことを喜び、全国メディアは、シャツ脱ぎカード関連の記事をこぞって掲載し、判で押したようにエキティケの写真を添えた。
ゴールを決めた選手がシャツを脱いで祝えば自動的にイエローという規則が出来たのは2004年で、云々という一般的な記事あり、歴代シャツ脱ぎレッドカードの実話を特集した記事も登場した。意外と多い事例の中で、主として2部リーグでプレイし2020年に引退したロス・ウォレスは、サンダーランド時代の2006年に1回目のシャツ脱ぎレッドカードをやり(対ハル・シティ、試合結果はサンダーランドが1-0で勝利)、3年後にはプレストン・ノースエンドの選手としてキャリア2度目のシャツ脱ぎレッドカードを起こした(対バーミンガム・シティ、試合結果はプレストンが2-1で勝利)。ただ、その記事のカバー写真には、それほど実績のあるウォレスではなく、エキティケが採用された。
エキティケは、イングラドで「シャツ脱ぎレッドカード」の代名詞になったわけだった。
それは、ある意味自業自得で、エキティケのシャツ脱ぎレッドカードに対してはLiverpool陣営からも「バカなレッドカード」と、辛辣な反応だった。
Liverpoolファンの間では、「ひょっとして、エキティケはIQが低いのでは?」という心配の声すら出た。そもそも、問題の試合はエキティケにとってLiverpoolでの8試合目で、それが待ちに待った初ゴールだったなど感情的なものではなく、デビュー戦のゴールを含め5点目だった。更に、あのゴールは、1人で相手5人抜いてソロゴールを決めたというものではなく、フェデリコ・キエーザが殆どの仕事をやって出したパスをエキティケがネットに入れたものだった。本来は、まずはキエーザにお礼を言って一緒に祝うのが筋だった。ちなみに、エキティケがシャツを脱いだ瞬間に、キエーザは最も近くにいたサウサンプトンの選手の胸に顔を埋めてしまった、その様子をスタンドにいたファンが撮影した写真がインターネット上で飛び交い、大爆笑が広がった。
それほどの大反響を引き出したエキティケは、おそらく同国人の先輩であるイブラヒマ・コナテからみっちり説教されただろうとは想像に難くなかったが、即座に態度を改めて活躍を再開した。世間の嘲笑にしぼんでしまうことなく、しばしベンチに格下げされた時にも悪びれず、先輩からのお叱りを前向きに受け止めたことは明らかだった。その次から直ちに、ゴールを決めた瞬間に真っ先にアシストを出したチームメートのところに走って行くエキティケの姿は、ファンの一時的な杞憂を吹き飛ばし、学習能力がある明るい若者というイメージが再び人気上昇をもたらした。
態度でファンの支持を高めたのと並行して、エキティケは、ピッチ上ではゴールを出し続けた。世間では、エキティケの名前は、シャツ脱ぎレッドカードではなく、フットボール界のレジェンドと関連して語られることが圧倒的に多くなった。ウェイン・ルーニーは、ロマーリオと似ていると言い、マイクル・オーウェンは、ハリー・ケインやキリアン・エムバペと並ぶ才能だと語った。ただ、最も多く引用されたのはフェルナンド・トーレスだった。
直近でトーレスの名を上げたのは、そのトーレスとLiverpool時代に絶妙のコンビを組んでいたスティーブン・ジェラードで、2月28日のウエストハム戦の試合後のインタビューでのことだった。TNTスポーツの司会者が、エキティケに向かって、「スティーブンがしきりに、あなたを見ているとフェルナンド・トーレスを思い出すと言っていますが」と切り出した。すると、エキティケは目を丸くして、「僕は一度もそんな恐れ多いこと考えたことないです!」と言った。ジェラードは、「いや、似てるよ。君と彼とはいくつも共通点がある。テクニックあり、パワーあり、ゴールもアシストも出来る」と一言。エキティケは、「彼は偉大な選手だったし僕は大好きでした。あなたは、彼と一緒にプレイすることを楽しんでいたように見えますが」と言い、ジェラードは笑顔で頷いた。そして、エキティケは、「彼のレベルに到達出来たらすごいと思っています。それを目指して、これからも頑張ります」と、頬を染めた。
ファンの間では、「エキティケの謙虚さに感銘を受けた」と、更に人気が上昇した。「ノッティンガムフォレスト戦でヘッダーが下手くそだという実態をさらしたし、70分を過ぎると疲れで動きが鈍くなる試合が多い。ただ、プレミアリーグ初シーズンという23歳の若手が向上の余地があるのは当たり前のことで、それを乗り越えた時には世界のベスト・ストライカーの一人という域に達するだろうと、楽しみで仕方ない」と、ファンはうなずき合った。
*本記事はご本人のご承諾をいただきkeiko hiranoさんのブログ記事を転載しております。

















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